小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ゲームセンター回顧録 星ヶ丘キャロットハウス その3

私が初めて星ヶ丘キャロットハウスに来店した際に行われていたゲーム大会のタイトルは、「ファンタジーゾーン

そう、セガのあまりにも有名な名作シューティングゲームです。

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対戦ゲームであれば、1試合3分程度で順次進行して行きますが、1周クリアで終わらないループゲームがまだ多かった当時、しかもプレイヤーによってはプレイが長時間継続して大会が進行しない恐れすらあるこのゲームで、どのようにゲーム大会を行っていたのか?

ファンタジーゾーンのゲーム大会においては、「ボムボタン使用禁止」という制限が加えられていました。(残機0の1機勝負という条件もあったように思いますが、ここは記憶が曖昧です。)このレギュレーションで参加者同士のハイスコアを競うというルール。

通常ではまず行わない状況を演出することにより、大会を成立させると共にプレイヤーの参加動機を高めるというゲーム大会で、店舗スタッフのアイデアが凝縮されておりました。

その時は既に参加を締め切った後だったのですが、また実施するという話を聞いて参加賞のグッズ欲しさに次回は必ず参加しようと心に決めたものです。

 

その後自分が参加できた初めてのゲーム大会は、「妖怪道中記

このゲーム対戦ではないことは勿論のこと、スコアさえないゲームですが、じゃ大会のルールは?というと、「スタートして3分でどこまで進めるか、進んだ距離で順位を決める」というもの。

筐体の前には印刷したマップが貼り付けてあり、参加者の到達地点が一目で判るようになっておりました。

参加賞も貰った筈なのですが、何を貰ったか全く覚えていない…

妖怪道中記の缶バッジが家にありましたがこれは違う気がする…

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これは後で知った話ですが、ファンタジーゾーンは2回目の大会で、初回のタイトルはグラディウスとのこと。

そのレギュレーションがなかなか面白く、「画面を上下反転させ、かつ4方向レバーにて得点を競う」というものだったそうです。

ブラウン管のモニター基板には、差し替えると画面が反転するコネクタか付いており、その機能を使って反転させていたと想像されます。ただそのままではレバーの上下も逆になってしまうため、レバーをばらして上下方向の配線を逆に取り付け、合わせてレバーのベースを8方向から4方向に変更したのでしょう。画面は反転していますが、ビックバイパーはきちんとレバーを入れた方向に動く。(斜めには進めないけど…)

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そして1面最後にいきなり逆火山が炸裂する訳ですね。

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ビッグコアは必ず画面上方から現れると。

そして画面上に飛んで行くミサイル!

想像するとかなりエンタメ性に富んでいるレギュレーションと思われます。

 

ただやはりネタを続けるのが難しかったのでしょうか。

その後は、ドラゴンスピリットを特に制約なく1機勝負で争う大会を最後に実施されなくなったと記憶しております。

ただ、ゲームは工夫次第で面白い遊び方を模索出来るということ、制約もゲームを面白くする要素と成り得ることを、当時は意識していませんでしたがなんとなく私の感覚に植え付けてくれたのではないかと感じています。

 

そして、中学時代は友人宅に行くことも兼ねて時折遊びに向かった星ヶ丘も、高校になるとその友人と別の高校となり、また予備校の絡みで名古屋駅方面へ出向く機会が増えてからは、訪れることは殆ど無くなってしまいました。

 名古屋におけるハイスコアの中心的地位も移り、それでも店舗は2000年位までは存続していたようですが、結局存続中に再度店舗を訪れることは叶わず。大して行っていない店舗でおこがましくはありますが、もう一度は行っておくべきだったと後悔しております。

 

「ゲーセンは行ける時に行っておけ」

続々と店舗が閉店していく現在、改めてこの言葉を噛みしめるのであります。