小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ゲームセンター回顧録 金山&神宮前&伝馬町 その5

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場所を神宮前の隣、金山へ移します。

 

3.金山駅エリア

私が初めて名古屋に来たのは1983年ですが、当時の金山駅は当時の国鉄中央線と地下鉄のみで、東海道線にはまだホームが無く、名鉄は少々東へ歩いた場所に金山橋駅が別に存在していました。

それが1989年に「金山総合駅」として、JRは東海道線にホームを設置、名鉄の駅を移設し現在の姿となることで、駅周辺も名古屋の副都心として大きく変わって行くこととなります。

 

①コムテックスクエア

写真のビルの2,3階で営業する現役のゲームセンター。

1階は元々はパチンコ店で、「DAITOKAI」のサインはパチンコ店の店名でしたが、パチンコ店閉店後もそのままになっています。

2フロアに渡る店内には最新機種が豊富にラインアップされており、パチンコ店系列ならではの資金力を感じさせますが、本業だったパチンコ店は残り1店のみのようで、3店残っている系列のゲームセンター(金山、名古屋駅日進市赤池)の方が本業のようになってしまっているようです。

 

②店名不詳

現在イオン金山店がある場所の裏手の写真のビルにあったゲームセンター。店内は殆どが汎用ビデオゲームで占められていました。店名は確認していません。

1階入り口にある螺旋状の階段が特徴的だったため、外観ですぐに場所を認識できました。

写真では地下1階を収めていますが、中2階がゲームセンターだった覚えもあり、正式な記憶は曖昧になっています…

私がここを見つけたのは恐らく90年代初めですが、当時から場所が悪いため長くは存在しなかったと思います。

 

③アリス金山店

このお店、過去に雑誌に店舗欄が存在したり、スコア集計を行った履歴は一切ないのですが、名古屋のオールドゲーマー御用達ゲーセンを語る上では外せない店舗の一つです。

 

2000年代に突入後、特に名古屋市内においては基板タイトルを良い環境でプレイ可能な店舗が非常に少ない状態でしたが、こちらは特に歴代グラディウスシリーズを中心としたシューティング系タイトルの品揃えで名を馳せておりました。

写真のビルの、現在は飲食店街になっている地下1階全てが店舗となっており、音ゲーや対戦格闘もラインアップされていたものの、少なくとも10台程度は設置されていたシューティングゲームのエリアが当時既に貴重であり、場所も良いため名古屋付近のオールドゲーマーが多数来店されていたようです。

 

2012年4月に閉店。閉店以降既に8年が経過していますが、それ以降名古屋市内は「オールドゲームをプレイしたければここへ行け!」と呼べるような店舗にはあまり恵まれていないように思えます。(矢場町のVAMOSが僅かな期間その任を背負ってましたね…)

 

また「アリス」という名前のゲームセンターは愛知県内に複数展開されており、私の知りうる範囲では名古屋市内に3件(金山、吹上、新瑞橋)、西春日井郡豊山町、岡崎、豊川とかなりの数が存在していました。

 

④ハイテクセガ金山→セガ金山

 名古屋市内にいくつか存在した「ハイテクセガ」をルーツとする店では、セガ運営のまま残っている最後の店舗になるのではないかと思われます。中央線と名鉄の線路が分かれる場所に建っていて金山駅のホームから見えることをご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

建物の1~3階までフロアが占めており、都心にしては比較的面積が大きい店舗。セガ内部では「ゲームファン向け店舗」の位置付けがあったようですが、近隣他店と比較すると製品ラインアップでは及ばず、ゲームファンの要望を満たせる運営を行っていたとも思えない(対応できる人材がいない)ため、正直あまりプレイヤーから支持される店舗ではなかったと思います。まあこれは最近のメーカー系店舗全般に言えることですが。

結果的には店舗面積が広いことを生かし、オールドパチスロコーナーを設置したりと迷走している時期を経ながらも、強かに製品構成や客層を変化させてきたことで生き残ってきたのではないでしょうか。

 

⑤ハイテク金山

店舗名を見るとセガの店みたいですが、タイトー系列店舗です。小規模な汎用ビデオゲーム中心の店舗でした。

付近は駅前からは外れており周囲は飲み屋と風俗店ばかりで、ここの跡地も現在は風俗店になっていますが、金山総合駅になる1989年以前は名鉄金山橋駅が付近にあり、線路沿いの道を乗り換え客が多数行き来していたため周辺は結構振るわっていました。

 

しかし駅が移転すると人通りもまばらとなり、ただでさえ奥まっていたこの場所では店舗は長続き出来なかったのではないかと思います。閉店時期は不明です。

 

この店舗は個人的に少々思い入れがあります。

愛知県に引っ越しした際に最初に住んだのは豊田市で、WE'LL  TALK TAITO豊田店に結構出入りしていたのですが、そこに当時恐らく30代くらいの女性の店長?がいらっしゃり、まだゲームセンターに行くことが社会的に認められていなかった時期に店にやってくる当時中学生の私にいろいろと目を掛けて下さいました。

その後異動されたのか、その方は店から姿を消してしまったのですが、その後名古屋へ出掛けた際にたまたまこのハイテク金山を覗いた所、恐らくこちらに異動されたその女性店長と偶然再会することとなります。向こうも私のことを覚えていて下さり、感無量だった遠い日の記憶です。

 

オレンジペコ金山店

既に過去にエントリーしているオレンジペコ杁中店の姉妹店。

杁中が、キャノン最前線の実質後継店舗としてスコアラー向けに特化していたのに対し、こちらは対戦系プレイヤーが中心だったようです。そのためスコアラー界隈ではほとんど話題になることはありませんでした。

金山総合駅開業後にオープンしているはずなので、当初から駅前好立地とは言えない場所だったのですが、一度だけ夜に立ち寄った時には対戦ゲーム中心に結構な数の客がいた記憶が。杁中店同様に基本プレイ料金が50円であれば周辺店舗よりも安いため、場所の悪さを補って余りあるプレイヤーの支持があったのかもしれません。

 

正確な時期は把握していませんが、杁中店同様に90年代末期には閉店している模様です。こちらも跡地は風俗店のようです。

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金山地域は副都心だけにまだ大型店が残ってはいますが、我々の世代が愛すべき個性的なゲームセンターは全て姿を消して久しくなりました。また熱田地域は既にゲームセンターが全滅。名古屋市内で初めてゲームセンター目的で足を踏み入れた場所だけに個人的な思い入れの深いエリアなのですが、昔の痕跡が着々と消えていく現状を目の当たりにすると、やむを得ないとはいえ淋しい気持ちになります。