小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年9月号

マイコンベーシックマガジン1989年9月号(第8巻第9号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総数は105店で先月比-2となっています。新規掲載店が2軒確認されています。

 

・その他

ゲームセンターコパⅢ(神奈川県)

がらん3(長野県)

マイコンベーシックマガジン 1989年9月号より)

 

「ゲームセンターコパⅢ」は1989年4月号から、「がらん3」は1987年10月号からいずれもゲーメストにて掲載されているため、双方とも重複掲載店となっています。

 

以下スコア欄となります。

マイコンベーシックマガジン 1989年9月号より)

 

この号におけるナムコ系店舗の掲載総数は42店となっており、最も多かった1985年5月、1986年3月の61店と比較すると2/3程度まで減少しています。

今号では北陸の老舗である「プレイシティキャロット金沢店」が姿を消しています。

また、チャレハイ通信欄はキャロット系店舗からのアクションが多いのですが、「ナムコオールドゲーム再入荷」をアピールする店舗が結構多く、ナムコゲーム全盛期であった80年台前半と比べると自社製品だけではプレイヤーの要求を満足できず、店舗規模の小ささも相まって新製品の入荷に苦しむ姿が浮き彫りとなっています。

 

 

続いてトピック店舗です。

大阪府内のキャロット系店舗の紹介が一通り終了したため、ベーマガ初期のナムコロケーション以外へ対象を移します。

「スターロイヤル」及び「センターロイヤル」の2店をピックアップします。

 

・スターロイヤル

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

2022年3月19日撮影

 

・センターロイヤル

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

2022年3月19日撮影

 

弊ブログの「ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年6月号」にて「プレイシティキャロット第4ビル店」を取り上げていますが、キャロットのあった第4ビルも含まれる「大阪駅前第1~第4ビル」のうち、第1ビル1階にあったのが「スターロイヤル」、第3ビル地下1階にあったのが「センターロイヤル」となります。

 

どちらもオープン時はセガの系列店でした。

1984年12月号の「ゲームマシン」誌によれば、第1~第4ビルだけで19店ものゲームセンターが存在しており、その中でセガ系である「ロイヤル」「パソピアード」で5店を数えています。

(ゲームマシン 1984年12月15日号より)

 

「ロイヤル」の名称を持つ店舗が各ビルに1箇所、「パソピアード」は第3ビルにあるため、第3ビルのみセガ系が2店を構えていたことになります。

記事を見ると、系列店で運営を必ずしも統一はしておらず、各店ごとに企画やサービスは異なっていたようです。2店のハイスコアの掲載も店舗の裁量で行われた可能性が高いと思われます。

 

「スターロイヤル」は第1ビルの1階と住所にありますが、現在の1階のテナント配置図を見てもフロアのどこにあったのか特定が出来ません。ゲームマシン誌地図の5⃣の位置から想像すると写真の居酒屋か、その隣のシャッターが降りている場所が該当しそうですが、当時のテナント配置図を確認する必要があります。

ちなみに入手している1990年の住宅地図では、第1ビル1階に「ロイヤル」の表記はありませんでした。(第2ビルの「アクティ・ロイヤル」は確認出来ました。)

 

一方の「センターロイヤル」ですが、ゲームマシン誌上では「ロイヤル」の表記となっています。第3ビルに該当するロイヤルはここしかないため、センターロイヤル=ロイヤルと判断します。

こちらは写真のように店舗は現役。通路に面した場所にはプライズ機が並べられているもののその裏側にはビデオゲーム筐体が連なる貴重な光景が広がっています。

 

ゲームマシン誌には1984年当時のロイヤル店内写真が掲載されています。

スターロイヤルの写真は掲載がありませんでした。

(ゲームマシン 1984年12月15日号より)

 

設置されている筐体はさすがにテーブルからアップライトへと変わっており、カウンターの位置も現在とは異なることから恐らく店舗名称だけが残っているといった所でしょうか。またセガアミューズメント施設運営撤退以前にロイヤルの運営からは離れており、現在は無関係となっています。

 

royalgamecenter.com

ホームページも存在しており、現在の設置機種構成も確認出来ます。サラリーマンに支持される機種を厚く揃えている印象で、場所柄その姿勢を貫いてきた結果店舗の個性と認識され、「レトロゲーム専門店」を標榜出来るレベルになったのではないかと思います。

 

ハイスコアの誌面掲載は両店共にベーマガ1984年8月号が最初となっています。

掲載の終了は「ロイヤル」の方が早く1985年5月号と1年継続しませんでした。「スターロイヤル」は1985年8月号にスコアが掲載された後、休載表記で1985年11月号に店舗欄が現れたのが最後となっています。