小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年2月号

マイコンベーシックマガジン1990年2月号(第9巻第2号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は114で枠上限をキープしています。先月に枠が埋まったため掲載希望があっても直ぐには応えられないというコメントがあったこともあり、新規掲載はありません。

 

以下スコア欄となります。

マイコンベーシックマガジン 1990年2月号より)

 

トップスコア欄のコメント、集計タイトルが増加していたこともあり1990年に入ると尺が短くなっているのですが、特に今月のコメントからは少々投げやり感が感じられます。1989年のビデオゲームシーンを支えた初代テトリスの人気も一段落し、スコア欄に並ぶ新作を見ても目立つタイトルに乏しく全体的に停滞感が漂っています。

 

続いてトピック店舗です。場所を大阪府から兵庫県へと移します。

「ゲームセンター・シグマ」をピックアップします。

 

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年7月号より)

2022年5月1日撮影

 

関西方面初のメーカー系列外掲載店として前回紹介した関大前の「ビッグワン」と並んで1984年7月号から掲載された経緯があります。

場所は神戸から電車で40分程度離れた兵庫県三木市。人口8万人弱の神戸のベッドタウンなのですが、こちらの最寄駅である広野ゴルフ場前駅が所属する神戸電鉄粟生線は利用者の減少で廃線問題が取りだたされている始末。

 

そしてゴルフ場前の通り駅前は道路を挟んでゴルフ場となっており、線路の東側には開発された住宅街が広がっていますが、駅や店舗跡の場所からはその存在を視認できません。周囲は写真のように郊外の趣となっており、ドライブインならともかく40年近く前に単独のゲームセンターがここに存在したとはあまり思えない場所です。

 

1985年の住宅地図において店舗の存在が確認されています。

ゼンリン住宅地図 三木市1985年より)

 

テナントの配置表もあり、この位置関係が間違いなければ3階建て建屋の1階左下、写真の「アジアンスパイス&フードマート」の場所が該当します。店舗はそれ程広くなさそうで、当時の典型的な「街のゲームセンター」の風情だったのではないかと想像します。

 

ハイスコアは1985年7月号まで掲載された後、同年11月号の休載表記を最後に姿を消すのですが、住所及び店名の「シグマ」に見覚えがあったため確認した所、家庭でアーケードゲーム基板を動かすためのコントロールボックスを製造販売していた「シグマ電子」と住所が一致しました。

ゲーメスト 1988年5月号より)

ゲーメスト 1988年12月号より)

 

ゲーメスト誌に良く広告を出していたため、この社名で存在を認識していた方も多いのではないでしょうか。かくいう私もこちらでコントロールボックスを購入し、住所に見覚えがあったため気付くことが出来ました。

 

そしてゲーメスト広告を見る限りゲームセンター営業に関するインフォメーションは一切ないため、コントロールボックス関連商品の販売を開始した時点でゲームセンター店舗営業からは撤退していたのではないかと思われます。