ゲーメスト1990年11月号(通算第51号)のハイスコア集計店マップとなります。
10月号で18店の新規掲載店追加があったものの、7月号の時点では22店の掲載希望店があったと誌面に情報が展開されており数が一致しなかったのですが、今号で5店の追加がされたため合計での新規掲載は23店となっています。
・その他
ファミリーランドピノキオ(北海道)
プレイランドファンタジア(秋田県)
西銀座ゲームプラザ(山梨県)
ゲームシティダダ(島根県)
(ゲーメスト 1990年11月号より)
この追加に伴い、掲載店総数は94まで戻しました。
以下スコア欄となります。
(ゲーメスト 1990年11月号より)
今回の新規集計店募集に関しては、当初から「集計店が存在しない県を優先」と明言していたこともあり、広範囲の地域から店舗か選ばれています。
北海道の中標津、秋田の本荘、福島の会津若松、栃木の今市、福井の大野、岡山の津山、島根の出雲、長崎の島原、鹿児島の国分…
これはこの頃のゲーメスト集計店の特徴だと思っているのですが、東京都や大阪府の大都市圏や、地方でも県庁所在地レベルの掲載店が少なく、比較的地方都市に集計店が偏っていました。
この11月号において東京都の23区内の店舗は、既に有力店として知られていた巣鴨、神保町、荏原の3店以外では、集計開始当初から続いている池袋サンシャインのゲームプラザ・ザ・ゴリラ、そして中央プラザ大泉店と10月号で追加されたプレイランド池袋ラスベガスの6店しか存在しません。関東近隣でも神奈川は川崎市や横浜市、千葉県千葉市や現在の埼玉県さいたま市(浦和、大宮)には集計店が無く、大阪府も吹田や寝屋川といった衛星都市はともかくとして大阪市の店舗となるとプレイシティNASA杉本町店でようやく復活したというレベルです。
「全国どこでも満遍なくスコアアタックが可能」というスタンスは問題ないと思いますが、人口比で言えば都市圏において集計店舗数が少なすぎるという弊害はあったように思います。
ただこの頃は特にメーカー系店舗において都市圏の店舗は一見さんを重視してゲームマニア排除に動いていたため、集計店としてアピールする必要がないどころかむしろ害悪とみなされ、反面郊外や地方の店舗は少ない人口から固定客を囲い込むためにゲームマニアにアピールする必要があった、という側面もありますが。
続いてトピック店舗へ移ります。
前回に引き続き愛知県の初期ゲーメスト掲載店から「岐阜遊園ゲームコーナー」を取り上げます。
(ゲーメスⅦト 1987年8月号より)
2020年9月13日撮影
名前は「岐阜遊園ゲームコーナー」ですが、所在地は岐阜県ではなく愛知県一宮市。この当時ゲーメストにはまだ岐阜県の集計店は存在していませんでした。
JR(尾張一宮駅)、名鉄(名鉄一宮駅)の駅東口から徒歩5分程度の場所に、現在も建屋は残っている「ルボテンサンビル」があり、そのテナントだった模様です。
1987年の住宅地図には「テンサンビル」の表記で地下1階にゲームコーナーの存在が確認出来ます。
現在はマンションになってしまっていますが、住宅地図でもわかるようにかつてはこの建屋の隣に地元大型スーパーの「グランドタマコシ」があり、また一宮七夕祭りで有名な本町商店街のアーケード入口が建屋の道路を挟んで反対側に控えているため、かつては相当な賑わいを見せていたと想像されます。
建屋と道路を挟んで反対側に面する本町商店街アーケード入口。
しかし、これは隣の岐阜市にも言えることですが、街の基幹産業であった繊維産業が衰退。また一宮は名古屋までJRの快速で約10分という利便性もむしろ災いし、立派なアーケードとは裏腹に商店街内はシャッターを下ろしている店舗が非常に目立ちます。
ルボデンサンビルも元々はタマコシの別館テナントビルのような位置づけだったようですが、タマコシ閉店・建て替えで建屋だけ取り残されるような恰好になってしまっています。
そのルボデンサンビル、通りに面している1階はまだいくつかテナントが営業を続けていますが、1階以外はその建屋の大きさに比してテナントはまばら。地下1階に降りてみるとフロア内は既にかび臭い匂いが充満しており、残念ながら一般の方が気軽に入れる空間ではありませんでした。
そしてゲーメストへの掲載は1987年8月号から11月号までのわずか4か月間に留まりました。しかしながら後に名古屋市の「イエローハット」にてご活躍される方々のネームが多数見受けられ、愛知県は尾張地区の有力スコアラーが集まった時期もあったようです。こちらは一足早く名古屋へ吸収されてしまったということでしょうか...
店舗が建屋内のどこで営業され、またどのくらいまで存在したのかは現地から探ることは出来ませんでした。