小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1992年11月号/トピック店舗:二荒キャロットハウス→プレイシティキャロット二荒店(栃木県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1992年11月号)

ゲーメスト1992年11月号(第7巻第14号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は83で先月比-4と大きく減少、新規掲載店はありません。

これは1990年9月号にて掲載店大幅入れ替え前にスポットで82店まで減少して以来の小さな数字であり、ベーマガ同様にゲーメストも掲載店は漸減傾向となっています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1992年11月】

ゲーメスト 1992年11月号より)

 

2か月前にハイスコア通信欄にてオールドゲームの長時間プレイに苦言を呈していた静岡県の「ハイテクセガ三島」ですが。今号の掲載をもって閉店の旨が掲載されていました。4か月という短い掲載期間でした。

ゲーメスト 1992年11月号より)

「店舗の契約上の理由」と記されていますが、実際はどうだったのでしょうか。

そして最後の最後まで達人2000万点のような長時間プレイが行われていたようです。まあ閉店が決まっていれば別に構わないのか…


トピック店舗:二荒キャロットハウス→プレイシティキャロット二荒店

ゲーメストもトピック店舗を群馬県から栃木県へ移します。

宇都宮市内に2店存在したキャロットのもう一方、「二荒キャロットハウス→プレイシティキャロット二荒店」をピックアップします。

 

ゲーメスト 1986年9月号より)

2024年11月3日撮影

宇都宮市に「宇都宮キャロットハウス」と並んでもう一軒存在したナムコ系キャロット店舗です。

 

店舗名の「二荒」は近隣に存在する「宇都宮二荒山神社」が由来の「二荒町」から取られていると思われますが、同じ栃木県は日光市にある「日光二荒山神社」は「ふたらさん」と読むのに対して宇都宮は「ふたあらやま」と読むため、こちらの住所も「ふたあらまち」となり、店名も「ふたあらキャロットハウス」が正しい名称になると認識しています。

 

場所は「宇都宮キャロットハウス」がJR宇都宮駅前だったのに対し、市中心部にある東武宇都宮駅に近いオリオン通り商店街の東側手前に位置していました。

ゼンリン住宅地図 宇都宮市北部1986年より)

1986年の住宅地図です。

店舗の入居している「渋田ビル」正面の日野町通りを西へ進むとオリオン通りへと繋がります。

 

この時点では渋田ビルの両隣それぞれに建物が存在していますが、2024年時点では駐車場やレンタカーの営業所となっています。

ゼンリン住宅地図 宇都宮市北部1991年より)


1991年の地図も確認しましたが、この時点で既に両隣共に駐車場と化していました。

しかし1986年時点では「マスト―商事(株)本社」となっている場所の一部に「キャロット駐輪場」の表記があります。渋田ビルには駐輪場はなさそうで、自転車でやってくる客層のため隣接した空き地を確保する必要がある位にかつては自転車での来客が多かったことを想起させます。

そして現在も残る渋田ビルですが、居酒屋になっている1階店舗の入口上部に看板の残骸があり、そこに「PLAY CITY」の文字だけが残っていることが確認出来ました。7枚目写真が看板部分のアップとなります。

恐らくこの看板には「CARROT」の文字が付いていたと思われますがそちらは取り払われ、ダイレクトに描かれた部分のみに店舗の面影を残しています。

 

そして「宇都宮キャロットハウス」がベーマガのみの掲載となったのに対し、こちらはゲーメストのみの掲載となっています。本格的にスコア集計が開始された1986年9月号からスタートしました。両店の距離が近いことから敢えて別々としたのでしょうか。

そのため「キャロット」の名前を冠するナムコ直営店において、ゲーメストのみの掲載となったレアケースな店舗のひとつです。

 

そしてゲーメスト掲載開始時にはこちらの写真が掲載されていました。

ゲーメスト 1986年9月号より)

恐らく中高生の常連と思しき女の子3名とわずかに写る店内光景。

ただこれ以外に営業中の店舗内外を撮影した写真は発見できませんでした。

 

その後1987~89年あたりは時折休載を挟んでいましたが、1990年以降は安定して誌面への掲載が継続します。

 

そして1990年8月号から店名が「プレイシティキャロット二荒」へと変更になります。ハイスコア通信欄にも店名変更の件が掲載されました。

ゲーメスト 1990年8月号より)

 

その後プレイシティキャロット宇都宮店がベーマガ1995年11月号にて掲載中止後も二荒店の掲載は継続、ゲーメスト休刊直前の1999年9月30日号まで掲載は続けられます。

掲載期間は13年に及び、長野県の「プレイシティキャロット松本店」と並んでゲーメストハイスコア欄のほぼ全期間に渡って店舗欄を確認することが出来ました。

ゲーメスト 1999年9月30日号より)

 

しかし、まるでこの号を最後にゲーメストが休刊となることを知っているかの如く、二荒店の閉店告知が掲載されることとなります。

そのため、松本店とは異なりアルカディア誌に跨って掲載はされませんでした。また宇都宮店同様に後のナムコ広報誌「NOURS」の「全国ナムコ店舗ガイド 北関東編」にも店舗は掲載されていません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1992年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1992年11月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1992年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1992年12月号