小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年5月号/トピック店舗:ダイエーレジャーランド大和高田店/八木店(奈良県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1993年5月号)

ゲーメスト1993年5月号(第8巻第8号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は84となり先月比-1となります。

新規掲載はこの店舗です。

 

・その他

GAME'S WiLL(京都府

ゲーメスト 1993年5月号より)

 

ベーマガには1992年5月号から既に掲載が開始されていた90年台における京都のハイスコア掲載店の雄である「GAME'S WiLL」ですが、ゲーメストは枠が確保出来なかったのか1年遅れでのスタートとなりました。

 

そしてこれに合わせるかのように、80年台において京都で最もハイスコア活動の盛んだった「ビッグキャロット京都店」が今号をもってゲーメストスコア欄から姿を消します。新旧交代の様相です。

 

しかし「ビッグキャロット京都店」はベーマガへの掲載は継続しています。

「有力スコアラーがGAME'S WiLLへ移った」のは事実だと思いますが、「ビックキャロット京都店」がWiLLの登場を機にハイスコア掲載を中止したというのは正確ではないと認識しています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1993年5月】

ゲーメスト 1993年5月号より)

 

「君こそゲーメスト!」コメント欄にもありますが、新規集計開始タイトル5本のうち掲載店が5店以下のため☆が給付されないタイトルが4本を占めています。

 

そこそこ知名度があるタイトルがタイトーの「グリッドシーカー」位なのでさもありなんではあるのですが、カプコンに加えネオジオ系の対戦格闘も人気を博し市場に流通してきたため、対戦格闘以外のタイトルが割を食う冬の時代へと突入することになります。

 

トピック店舗:ダイエーレジャーランド大和高田店/八木店

 

トピック店舗は奈良県の掲載店から「ダイエーレジャーランド大和高田店」「ダイエーレジャーランド八木店」の2店をピックアップします。

 

ダイエーレジャーランド大和高田店】

ゲーメスト 1987年3月号より)

2024年8月14日撮影

ダイエーレジャーランド八木店】

ゲーメスト 1991年3月号より)

2024年8月14日撮影

今回の2店は店名の通り、ダイエーレジャーランド(DLL)系列として共に奈良県ダイエー店内にて営業されていたものです。

 

ダイエーレジャーランド大和高田店」は、近鉄大阪線大和高田駅、及びJR和歌山線高田駅前に存在した「ダイエー大和高田店」内にありました。

ゼンリン住宅地図 大和高田市1987年より)

1987年の住宅地図より、近鉄大和高田駅前にダイエーを含めたショッピングセンターの広大な敷地が広がっています。JRの駅が見えませんが丁度ダイエーのほぼ真下の地図範囲外にあり、どちらの駅からもアクセス可能な場所となっています。

 

そして住宅地図テナント欄にはダイエー建物6階に「趣味とレジャーのフロア」とあるためこのフロアに存在したのではないかと思いましたが、下記Wikipediaのテナント一覧では5階にダイエーレジャーランド系列の「らんらんランド」の表記があります。そのため店舗は5階に存在していた可能性もあります。

ja.wikipedia.org

またWikipedia内にもあるようにこの場所は元々はユニチカ高田工場の跡地に建設された施設で、ダイエーとは別に「オークタウン大和高田」という専門店街が存在しました。住宅地図ではダイエーに隣接した近鉄大和高田駅寄りの建物になります。

2024年8月14日撮影

 

敷地内にはかつてユニチカの工場であったことを示す記念碑も残されています。

 

ゼンリン住宅地図 大和高田市1987年より)

 

こちらは「オークタウン大和高田」のテナント一覧です。小規模店の集合体となっていますがゲームセンターらしき店舗はないため、ゲームコーナーはダイエー内だったということで間違いはないと思われます。

 

2024年8月14日撮影

そして2024年時点でこの場所は「トナリエ大和高田」という日本エスコンデベロッパーのショッピングセンターへ変貌しています。

ただ「トナリエ大和高田」は元オークタウン大和高田の場所に展開されており、隣接する元ダイエーの場所はトナリエ直結のマンションとなっていました。

 

Wikipediaによればオークタウン大和高田が完全に閉業したのは2018年ですが、ダイエーについては2005年には撤退しており、代わってその後はスーパーのライフが入居していたことからダイエーレジャーランド→らんらんランドも2005年のダイエー撤退と合わせて閉店しているのではないかと思われます。

 

2024年8月14日撮影

なおトナリエ内にはナムコがテナントとして入居していました。しかし今どきのショッピングセンター内ゲームコーナーの風情でビデオゲームの類は全く設置されていませんでした。

 

誌面への掲載はゲーメスト1987年3月号からスタートし、ベーマガも含めて奈良県初のハイスコア掲載店となりました。しかし4,5月号と掲載が無く、6月号から復活したものの1987年12月号をもってストップ、掲載期間は1年に及びませんでした。

 

その後奈良県は掲載店がない状態に戻りますが、再度ダイエーレジャーランド系列にてスコア掲載が再開されることになります。それが大和高田市となりの橿原市近鉄大和八木駅前に存在した「ダイエーレジャーランド八木店」です。

ゼンリン住宅地図 橿原市1990年より)

近鉄大阪線橿原線が直交するターミナルの大和八木駅前に位置していました。

 

住宅地図は1990年ですがダイエーは1993年にディスカウント形態のトポスに業態変換し、1999年まで営業継続の後に閉店、跡地はこちらもマンションとなっています。

国道を挟んで対峙している近鉄百貨店橿原店は2024年時点でも営業が継続されています。

 

こちらは先にベーマガにて掲載が開始されています。ベーマガ初の奈良県の掲載店舗となっています。

マイコンベーシックマガジン 1988年10月号より)

 

大和高田店の掲載停止が1987年12月のため、1年程度の空白で奈良県に掲載店が復活しますが、このベーマガへの掲載は1989年11月号にてストップしてしまい再び奈良県から掲載店が消滅してしまいます。

 

マイコンベーシックマガジン 1989年11月号より)

 

上記はベーマガ最終掲載時のチャレハイ通信欄です。「一時休載」とあるためいずれ掲載を復活させる意思があったのかもしれませんが、それはベーマガではなくゲーメスト1991年3月号にて果たされることとなります。

 

ゲーメストでは特に休載もなくコンスタントに掲載が続けられていましたが、3年後の1994年2月号をもって誌面から姿を消します。閉店によるものでした。

 

ゲーメスト 1994年2月号より)

同号のハイスコア通信欄に改装と同時に閉店とあることから、1993年にダイエーからトポスへと店舗が業態変換された際に閉店したという線が濃厚と思われます。

 

また、奈良県の掲載店はここの掲載終了以降確認されていません。ハイスコア掲載店の歴史で奈良県は今回紹介した2店のみに留まることになります。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年4月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年5月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年6月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年6月号