小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年7月号/トピック店舗:明石ラポス2Fゲームコーナー/ゲームセンターピノキオ(兵庫県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1993年7月号)

ゲーメスト1993年7月号(第8巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載店数は77で先月と同数ですが、新規掲載は4店とまとまった数があります。

 

セガ

ハイテクセガ神戸(兵庫県

ゲーメスト 1993年7月号より)

 

・その他

コスモランド(茨城県

 

アミューズメントスクウェアYOU&I(岐阜県

 

ワンダーランド(宮崎県)

ゲーメスト 1993年7月号より)

 

「ハイテクセガ神戸」はベーマガでは1988年8月号から既に掲載が行われていましたが、5年を経過してようやくゲーメストへも掲載を果たすことになります。

 

「コスモランド」は茨城県南部の鹿島町(現:鹿嶋市)、鹿島神宮アントラーズの街です。ベーマガも含めて茨城県鹿行地域唯一の掲載店となっています。

 

アミューズメントスクウェアYOU&I」は岐阜市初の掲載店となるのですが、1993年4月号にて高山市の「グリーンプレイランド」が登場していたため岐阜県初ではありません。さすがに同じ県内とは言え飛騨地域の高山市岐阜市からは距離があり、エリア的なフォローが入った形となっています。

 

最後の「ワンダーランド」は、6月号まで掲載されていた「ハイテクセガ延岡」と住所が同一で、運営元がセガから変更となったもののスコア掲載は継続されています。マップでは別店舗の扱いとしています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1993年7月】

ゲーメスト 1993年7月号より)

 

ハイスコア集計が開始された際の経緯でベーマガには及ばないものの、1987年8月号で最大29店あったナムコ系の掲載店は、今月スポットで掲載を欠いた店舗が多かったこともあり実に3店まで減少してしまいました。

 

ちなみにベーマガ1993年7月号におけるナムコ系店舗掲載数は19あるとは言え、最も多かった1985年5月号、及び1986年3月号の61と比して1/3以下となっており、80年台においてゲーマーに信望されていたナムコロケーションの姿は過去のものになりつつありました。

 

トピック店舗:明石ラポス2Fゲームコーナー/ゲームセンターピノキオ

 

トピック店舗は前回に引き続き兵庫県の店舗から「明石ラポス2Fゲームコーナー」「ゲームセンターピノキオ」の2店をピックアップします。


【明石ラポス2Fゲームコーナー】

ゲーメスト 1989年6月号より)

2022年5月2日撮影

【ゲームセンターピノキオ】

ゲーメスト 1992年10月号より)

2022年5月2日撮影

今回取り上げる2店は共に明石市の店舗ですが、場所も近く合同集計にて密接な関係があります。

最初に誌面に登場した「明石ラポス2Fゲームコーナー」ですが、明石駅前交差点に面する複合ビル「明石商工会館 らぽす」内に存在していました。

ゼンリン住宅地図 明石市東部1991年より)

 

1991年の住宅地図ですが、2階テナントにゲームコーナーの文字がありません。

1987年の地図も確認してみました。

ゼンリン住宅地図 明石市1987年より)

 

こちらでは2階ではなく、3階にゲームコーナーの文字があります。

ゲーメスト誌面では一貫して2階の表記がされていることから、2階と3階の表記ミスとは考えにくいため3階にあったゲームコーナーが2階に移ってきたものと想像しています。フロアの写真は2階部分を撮影したものです。

 

建物は2022年5月時点では健在でしたが、このビルの建築は1951年(昭和26年)で既に70年以上経過しており耐震性能が基準以下であることから取り壊しが決定したようです。手入れがされておりそれほど古い建物とは思えないのですが。

www.kobe-np.co.jp

しかしテナントの退去交渉が難航しているようで、2023年末時点で解体の目途が立っていないという情報です。

 

誌面への掲載は1989年6月号から開始されますが、1991年5月号から後述する「ゲームセンターピノキオ」と合同集計となります。

ゲーメスト 1991年5月号より)

 

しかし1992年に入ると休載が目立ち始め、同年9月号では店舗名称が「ゲームセンターピノキオ&ラポス」となりピノキオ側が先頭表記となります。

ゲーメスト 1992年9月号より)

 

そしてこの号を最後にラポスは掲載を終了、翌10月号から「ゲームセンターピノキオ」の単独掲載へと移行することになります。

9月号の住所はラポスのものとなっているため、ラポスでの掲載としてカウントしています。

ゼンリン住宅地図 明石市東部1991年より)

 

一方単独掲載となった「ゲームセンターピノキオ」ですが、場所は前回取り上げている「ゲームプラザピノキオ」の隣である「明不ビル」の1階になります。ビルは写真のように健在で、1階は2022年時点で不動産店となっています。

 

既に紹介しているように「ゲームプラザピノキオ」の閉店後、隣接した明不ビル1階にて「ゲームセンターピノキオ」がオープンしているものの両店は無関係となっています。店名と住所の情報のみで両店が無関係と認識することは難しく、情報を頂くまでは店名を改称したのみで同一の店舗だと思っていました。改めて情報提供に感謝いたします。

 

こちらはベーマガにて先行で掲載が開始されています。

マイコンベーシックマガジン 1991年3月号より)

 

そして1991年5月号からはゲーメスト同様ラポスとの合同集計が開始されています。こちらは当初からピノキオが先頭表記となっています。

マイコンベーシックマガジン 1991年5月号より)

 

しかしベーマガは1992年9月号にて合同集計のまま誌面への掲載を終了し、ゲーメストのみピノキオ単独で掲載が継続された形となっています。

 

ラポスとの合同集計を解消したピノキオですが、その後複数の店舗と合従連衡を繰り返します。

まず1995年4月30日号にて「アニバーサリー25」と合同集計が開始されます。

ゲーメスト 1995年4月30日号より)

 

この合同は1996年1月30日/2月15日号まで継続し、以後は単独掲載へ戻るのですがゲーメスト末期である1999年5月30日/6月15日号からは「ベルフィーユ」を加えて再び合同集計店になります。

ゲーメスト 1999年5月30日/6月15日号より)

 

しかし再度の合同集計化も束の間、わずか4か月後の1999年9月30日号をもってゲーメストの休刊により掲載店として幕を閉じることになります。その後アルカディア誌がハイスコア集計を再開した際には復活はしませんでした。

 

なお「アニバーサリー25」「ベルフィーユ」の所在地は一度も公表されず、かつ誌面にもそれらしき情報は発見出来ていないのですが、

5ちゃんねるの地域板やまちBBSの明石市のスレッドにて赤線部のような情報を発見しているため、どちらも西明石駅付近に存在したのではないかと思われます。場所やお店の状況についてご存知の方は是非とも情報をお寄せ下さい。

 

最後に、明石市中央部に存在した3軒の集計店の位置関係が分かる写真をアップします。

2022年5月2日撮影

左端交差点に面したラポス、ビル一棟を挟んで美容室ブラージュの場所がゲームプラザピノキオ、その隣の明不ビル1階がゲームセンターピノキオとなります。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年6月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年7月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年8月号