小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年8月号/トピック店舗:アミューズ&レストメイヨ―/川島玩具店(兵庫県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1993年8月号)

ゲーメスト1993年8月号(第8巻第14号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は82となり、4店の新規掲載店を加えて先月比+5と大きく増え80台を回復しました。

 

ナムコ

プレイシティキャロット高松店(香川県

 

・その他

ゲームコーナーヤングパレス(千葉県)

 

アイリン夢空間岐阜県

 

ビッグウェーブ高知県

ゲーメスト 1993年8月号より)

 

1993年7月号のベーマガで、これまでゲーメストのみ掲載履歴のあった「ウィルトークタイトー高松店」が掲載されれば、ゲーメスト今号ではこれまでベーマガのみであった「プレイシティキャロット高松店」が掲載されることになりました。

 

後の3店もいずれも既にベーマガでの掲載履歴がありますが、高知市の「ビッグウェーブ」はベーマガで掲載されていた1991年10~12月号と住所が異なっており店舗が移転された可能性があります。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1993年7月】

ゲーメスト 1993年8月号より)

当初名古屋市の住所で掲載されていた「キャノン最前線」は、1991年10月号から同じ愛知県は岡崎市の住所となっていましたが今号から再び名古屋市の住所に戻っています。岡崎店で火災が発生したことによるものでした。

ja.wikipedia.org

「キャノン最前線」のwikiが存在することにも驚きましたが、岡崎店の項にボヤの件が触れられています。コットンのハイスコアの件でお世話になった店舗でもあり個人的にも非常に残念な出来事でした。

 

 

トピック店舗:アミューズ&レストメイヨ―/川島玩具店

 

トピック店舗は兵庫県を西に移動し、播磨区域の掲載店から「アミューズ&レストメイヨー」「川島玩具店」の2店を取り上げます。

 

アミューズ&レストメイヨー】

ゲーメスト 1989年6月号より)

2022年5月2日撮影


【川島玩具店

ゲーメスト 1990年10月号より)

2022年5月2日撮影

 

最初に紹介する「アミューズ&レストメイヨー」は、JR姫路駅前ロータリーに面して2022年時点で現存している「姫路駅前第一ビル」の地下1階に存在しました。

ゼンリン住宅地図 姫路市中心部1991年より)

 

1991年の住宅地図です。2008年に姫路駅は高架化されたため、駅施設を含めた駅前ロータリーから南側は現在と大きく光景が異なります。

 

そしてビルテナント一覧も確認出来ましたが、2022年時点ではパチンコ店となっている地下1階のフロア全てをメイヨーにて使用しており当時の駅前店舗にしてはかなり大きな規模です。店舗名に「レスト」とあるように、ゲームセンターだけではなくレストランも同一場所で営業がされていたようで、しかも食事は安くて美味しくこれを食べにくるだけで価値があったとか。

 

また地下1階は当時から姫路駅と地下街にて直結されており、非常に優れた立地と言えます。

 

誌面への掲載はゲーメスト1989年6月号からスタートしますが、1990年7月号からベーマガへも掲載が開始されダブル掲載店となります。

マイコンベーシックマガジン 1990年7月号より)

 

そして90年台初頭はハイスコア有力店として名を馳せましたが、ベーマガは1992年1月号にて先行で掲載終了、ゲーメストも1992年7月号をもって約3年の掲載を終えています。ゲーメストトップである☆の最終獲得数は54個にも及びました。閉店時期は不明です。

 

もう一方の「川島玩具店」ですが、こちらは明石と姫路の中間となる高砂市の市街地にある銀座商店街内にありました。最寄駅は山陽電鉄高砂駅ですが、場所は駅から500m程度離れています。

ゼンリン住宅地図 高砂市1992年より)

 

こちらは1992年の住宅地図で所在を確認しています。

 

1992年、そして現在の地図でも左側にロータリーのようなものが見えますが、ここは1984年に廃止された旧国鉄高砂高砂駅跡で、この銀座商店街はいわば「駅前商店街」でした。

2022年5月2日撮影

 

駅跡地のロータリーです。記念碑が残されています。3枚目写真は銀座商店街の旧高砂駅側の入口です。

また周囲を散策すると、まだ国鉄高砂線が記載されている古い案内看板が残されていました。

 

しかし高砂線廃止により商店街だけが残ったような形となっています。結果としてそこには言葉を選ばなければ時代に取り残されたような光景が広がっていました。

 

そして「川島玩具店」はその銀座商店街の中に存在し、写真のように店舗のサインが複数残されており場所の特定は容易でした。しかし2022年時点ではライブハウスとして使用されているようで、入口の造作は造り替えられていることからサインだけがかつての面影を伝えています。

 

こちらの誌面への掲載はゲーメスト1990年10月号から。

かつておもちゃ店がゲーム機を設置したり、ゲームセンターへ転業した例はビデオゲーム全盛期の80年台には数多く見られましたが、「玩具店」の店名を残したままハイスコア掲載店となったのはここが最初ではないかと思われます。

 

そして最寄駅が遠いというハンデが存在したものの、当時明石のラポス/ピノキオや前述の姫路メイヨーといった近隣に有力スコア掲載店が存在したこともあり、それに牽引されるようにこちらも1991年12月号の時点で☆19個とかなりのペースでトップスコアを輩出しました。プレイヤーもある程度は重なっていたものと想像されます。

 

1992年以降になるとそれまでのハイペースでトップスコアが輩出されることはなくなったものの掲載は地道に継続され、1997年7月30日号まで7年近くに及ぶ長期掲載店となりました。最終掲載号にも特に掲載中止や閉店を窺わせる記述はなく、閉店時期等はこちらも不明です。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年7月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年8月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年9月号