ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1993年9月号)
ゲーメスト1993年9月号(第8巻第16号)のハイスコア集計店マップとなります。
掲載店総数は83で先月比+1です。
1軒の新規掲載店があります。
・その他
ゲームinプリンス(静岡県)

(ゲーメスト 1993年9月号より)
こちらは2025年時点でまだ店舗は現存しています。さすがにスコア集計はもう行われていませんが、ラインアップを時代に合わせて変化させつつ30年以上も営業が続く貴重なお店です。最近またビデオゲームを再設置されているようです。
以下スコア欄を掲載します。
【めざせハイスコア 1993年9月】









(ゲーメスト 1993年9月号より)
「ファイナルファイト」で一世を風靡したカプコンのベルトスクロールタイプアクションゲームですが、ストⅡ登場以降もタイトルリリースが続いたものの対戦格闘ゲームの人気を超越するにまでは至りませんでした。
この時期でも「パニッシャー」や「キャデラックス」といった版権ものを中心としてリリースしていましたがかつてのタイトル程に人気は得られませんでした。最も共に原作がアメコミのため元々北米市場をターゲットとしていた製品だったのかもしれません。
ゲーメスト初期に多数の掲載店を抱えた岡山県ですが、まずはセガ系店舗から「キャンパスセガ岡山店」「ハイテクセガ表町店」の2店を取り上げます。
【キャンパスセガ岡山店】

(ゲーメスト 1986年9月号より)






2023年10月29日撮影
【ハイテクセガ表町】

(ゲーメスト 1986年9月号より)







2023年8月5日撮影
80年台のゲーメストにおいて、短期間で掲載を終了した箇所も含めると岡山県には11店もの掲載履歴がある店舗がありましたが、その内2店存在したセガ系列店が今回紹介する「キャンパスセガ岡山店」「ハイテクセガ表町」の両店です。共に掲載は1986年9月号から開始されています。
「キャンパスセガ岡山店」はその名前が示す通り。岡山大学正面入口の付近にありました。店舗前の道路は大学構内を貫通しているため、大学内にあるといっても過言ではない場所です。

1986年の住宅地図にて「キャンパスゲームセンターSEGA」の表記にて所在を確認しています。南北を大学敷地に挟まれた沿道のこの場所だけ店舗や民家が並んでいるのですが、86年当時で2軒隣の喫茶店の名称が「キャロット」なのが偶然にしては出来すぎているように思えます。そして2025年においても学生向けであろう数店の飲食店の営業が続いています。
そして掲載は1986年9・11月号、そして1987年4月号の3回のみとなりました。このような立地で駐車場もなさそうなため客層はほぼ岡山大学生にて占められていたと想像されますが、跡地の建物を見ても1階のみの店舗であれば面積はかなり小さそうで、この時期でスコア欄に体感ゲーム機のラインアップが一度も登場しないことから汎用筐体のみの設置だった可能性が高いと思われます。その狭さが影響したのか1991年の住宅地図では早くも店舗は存在しませんでした。
一方、ゲーメスト1987年11月号にて掲載された店舗紹介記事「ランダムピックアップ」にて、「ハイテクセガ岡大店」が取り上げられています。

(ゲーメスト 1987年11月号より)
当初こちらが「キャンパスセガ岡山店」と同一と思っていたのですが記事中入口写真がどう見ても違っていること、また住所も異なっているためこちらは別店舗で間違いないようです。キャンパスセガ閉店後にハイテクセガがオープンしたのかどうかまでは定かではありません。またハイテクセガ岡大店ではハイスコア掲載は実施されませんでした。
そしてもう一方の「ハイテクセガ表町」は店舗名称の通り岡山市中心街の表町に存在しました。

1986年の住宅地図です。
以前にナムコ系店舗「プレイシティキャロット表町店」の紹介の際、1991年のほぼ同位置の地図を引用していますが、86年ではまだキャロットはオープンしていません。



(ゲームマシン 1986年6月15日号より)
こちらはゲームマシン誌1986年6月15日号の「全国市街地ゲーム場 岡山・表町」から。入口正面の写真も掲載されています。
この頃セガは「ハイテクセガ」の店舗ブランドを展開し始めますが、名称が「ハイテック・セガ」となっており登場直後は業界誌でも表記を誤っていたことがわかります。
同紙によるとオープンは1986年4月とのことで、ゲーメストへの掲載は同年9月号から行われていることからオープン後間もなくハイスコア掲載が開始されています。結果ベーマガ、ゲーメストを通じて「ハイテクセガ」のブランドで誌面にスコアが掲載された初めての店舗となります。
相対的にパイが小さい地方都市で既に競合店が多い場所への新規出店だったこともあり、店舗差別化の意味でゲームファンを積極的に取り込む運営がされていたようです。

(ゲーメスト 1987年11月号より)
こちらも「ランダムピックアップ」にて店舗紹介がされています。店内写真に写っている2階への階段が跡地でも面影を残しています。
ゲームマシン誌とは半年程撮影時期が相違していますが、入口横にプライズ機が設置されており早くも時代の変化を感じさせます。

(ゲーメスト 1990年10月号より)
その後1990年10月号の記事「ハイスコア店訪問激走ツアー」でも同店が取り上げられましたが、入口外観が86年と異なり当時のセガ直営店舗でよく見られたアーチ型のサインになっていることが確認出来ます。
そして「ハイスコア店訪問」とあるように90年時点ではスコアの掲載が継続していましたが、1991年4月号をもって4年半続いたゲーメストへの掲載を終了しています。中国地方のスコア有力店として全国トップの☆獲得数は36を数えましたが、特に掲載を終了する旨の案内はありませんでした。
しかしゲーメスト掲載終了から2年後、今度はベーマガ1993年4月号から再度スコアの掲載が開始されています。

(マイコンベーシックマガジン 1993年4月号より)
しかしベーマガへの再掲載は長続きせず、半年後の10月号にて掲載終了、再び誌面に登場することはありませんでした。
その後1996年の住宅地図にて存在を確認しているのですが…

96年では、店舗向かいの建屋(86年では「ヤナイ電化」の箇所)にも「ハイテックSEGA」の表記があります。店舗を拡張したようです。
ちなみに93年の住宅地図ではまだ拡張はされていないため93~96年の間に拡張されたようですが、改装を機に店舗運営が変わることは往々にしてあるため、拡張が原因でスコア掲載が中止された可能性は高そうです。




2024年4月30日撮影
こちらは拡張された建屋の写真となります。2024年時点ではギャラリー兼カフェとして使用されています。
1枚目の写真で旧ハイテクセガ表町と真向いの位置であることがお分かりいただけると思います。

しかし1998年の住宅地図では、該当箇所にはいずれも「アミパラウエルカム」の表記があり、現在も主に中国地方で複数のゲームセンターを運営するアミパラに店舗運営が移管されていることが確認されています。
アミパラウェルカム。岡山市表町商店街に有った店舗。狭いながら音ゲー、格ゲーなどが充実していて地元ゲーマーに愛された。2階の床が抜けかけるなど老朽化もあり、2008年10月に閉店。現在も空き店舗。 #岡山ゲーセン遺跡 pic.twitter.com/22su1roZdO
— 村西昇 (@muranishinobo) January 2, 2015
その後旧ハイテクセガ表町部分は先行で閉鎖され、拡張部分にて営業が続けられていたようですが最終的には2008年10月をもって閉店しているようです。
【前記事】
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年8月号
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年9月号
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