ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1993年11月号)
ゲーメスト1993年11月号(第8巻第19号)のハイスコア集計店マップとなります。
総掲載店数は先月比±0で82のままとなっています。
新規掲載は1店ありますが、純粋な新規なのかどうかは微妙な店舗です。
・その他
ゲームセンタードリーム(宮城県)
(ゲーメスト 1993年11月号より)
ゲーメスト1987年9月号から掲載開始されていた仙台市の「ゲームランドキンコンカン」ですが、1992年5月号から今回掲載開始となる「ゲームセンタードリーム」と合同集計となっていました。
(ゲーメスト 1992年5月号より)
しかしキンコンカンの閉店に伴いドリームが単独掲載となって今号から登場することとなります。扱いは新規掲載としています。
以下スコア欄を掲載します。
【めざせハイスコア 1993年11月】
(ゲーメスト 1993年11月号より)
今でこそゲームとマンガ・アニメ系サブカルを趣味とする人は共通していることが多いですが、80~90年台前半位までは必ずしも一致していませんでした。
今月のハイスコア通信欄にも「ノーター不可」「おたく却下」といった文言が踊っていますが、特にハイスコア集計店にはコミュニケーションノートが設置してあることが多く、ノート目当てで来店しあまりゲームをプレイしない層とスコアラーの間に結構軋轢があったりしたものです。
トピック店舗:プレイスクエアスティング/プレイスクエアウィル
トピックは前回から継続して岡山市内の初期ゲーメスト掲載店より「プレイスクエアスティング」「プレイスクエアウィル」の2店をピックアップします。
【プレイスクエアスティング】
(ゲーメスト 1987年3月号より)
2023年8月5日撮影
【プレイスクエアウィル】
(ゲーメスト 1987年4月号より)
2023年8月5日撮影
今回紹介する2軒は「プレイスクエア」という共通した店名が示すように岡山市中心部の岡山駅前及び表町にそれぞれ存在した系列店です。
ゲーメスト誌面には岡山駅前の「プレイスクエアスティング」が先に登場しました。
1986年の住宅地図より。
岡山駅前から後楽園方面に延びる桃太郎大通りに面しており、丁度路面電車の岡山駅前停留所ほぼ向かいの場所となっています。
住宅地図の建物名称は「YOTOビル」となっていますが、2023年時点では「EASEL & COMPLEX」に名称が変わっています。不動産情報を確認すると1981年築とのことで、6階建てという所も共通していることから建物は営業当時から変わっていないと思われます。
1986年6月15日号のゲームマシン誌に店内写真が掲載されていました。
(ゲームマシン 1986年6月15日号より)
間口が狭く奥行きが長い建屋の形状は当時から変わっていないことから、この写真は入口部分から撮影したほぼ店内全景であると思われます。「内外装が一新」とありますが店内は全てテーブル筐体で、昨今のゲームセンターの感覚からすると狭いお店ですが当時は至って標準的な店舗でした。
一方もう1店の「プレイスクエアウィル」は岡山市繁華街の表町、これまで紹介しているプレイシティキャロット表町店、ハイテクセガ表町と同じ表町商店街のアーケード内に存在しました。
こちらも1986年の住宅地図です。
表町商店街はバスターミナルも併設された天満屋百貨店が中心となっていますがその天満屋に近い場所です。キャロットやハイテクセガは南方向の地図枠外となるため、近隣店舗よりはかなり優良な場所を押さえていたと言えそうです。
こちらもゲームマシン誌に店舗内外の写真があります。
(ゲームマシン 1986年6月15日号より)
1986年時点で「昨年12月オープン」とあるように店舗オープンは1985年12月のようです。
店内はほぼテーブル筐体で普通のゲームセンターの様相ですが、店内にある「読書コーナー」の文字が目を引きます。また当時の目玉商品である大型筐体ものを商店街から目視できる2階窓際に配置し、アイキャッチを高める外観となっていました。当時としてはかなり斬新な外装だったようです。
またウィルはゲーメスト1987年11月号の地域店舗紹介記事「ランダムピックアップ」でも取り上げられました。スティングは取り上げられていませんでした。
(ゲーメスト 1987年11月号より)
ゲームマシン誌が店舗入口側から撮影しているのに対し、ゲーメストは店内から入口方向を向いて撮影していると思われます。こちらも「マンガコーナー」の存在に言及されており、またコーヒーやスタンプによるプレゼント等各種サービスについて触れられています。競合店対策によるサービス合戦の様相を呈していたのでしょうか。
そして2023年時点では店舗の場所は宝飾店となっていました。1986年の地図で隣接しているアクセサリー店「すなみ」が現役のためこの場所で間違いないと判断しています。
外観は変化しており、かつての店舗の面影は完全に消失しています。
ちなみにこの両店を系列店としているのは、店名だけでなくゲームマシン誌の情報によるものです。
(ゲームマシン 1986年6月15日号より)
同記事内における岡山駅前及び表町界隈の店舗マップ及びリストですが、両店の本社が同一となっていることを根拠にしています。
そしてハイスコア掲載は「プレイスクエアスティング」が1987年3月号、「プレイスクエアウィル」が同年4月号とほぼ同時にスタート、1988年前半まではどちらも順調に掲載が続けられましたが後半に入ると両店共に休載が増えていき、ウィルは1989年4月号、スティングは7月号の掲載が最後となりました。掲載開始終了のタイミングが近似しているため、掲載は個々店ではなく会社としての方針だった可能性はありそうです。
【前記事】
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年10月号
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年11月号
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