小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1986年7月号/トピック店舗:プレイシティキャロット笹塚店(東京都)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1986年7月号)

マイコンベーシックマガジン1986年7月号(第5巻第7号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

今号最大の特徴は掲載店数。

123店の掲載があり、これまでのページ枠内で上限となっていた114店を初めて上回りました。それに伴い、通常7ページの枠に対して7.5ページがスコア欄に割り当てられています。

 

新規掲載店は1店のみなのですが、ちょっと扱いが難しい店舗です。

 

セガ

セガパソピアードイセザキ店(神奈川県)

f:id:annaka-haruna:20210727122438j:plain

 (マイコンベーシックマガジン1986年7月号より)

 

横浜市の繁華街である伊勢佐木町セガ系店舗は、1984年7月号から「ビデオインイセザキ」が掲載されており、「パソピアードイセザキ」へ店名は変わりつつも住所は「横浜市中区伊勢佐木町2-11-11」となっています。(こちらを便宜上A店とします。)

しかし今回掲載された「セガパソピアードイセザキ店」は住所が「横浜市中区伊勢佐木町2-18-2」と異なっており、また「パソピアードイセザキ」も上記住所にて別にスコア欄が存在することから、これだけで判断すると店舗が2店存在することになります。(今回から掲載された方はB店とします。)

 

しかし住所は異なるもののほぼ隣接した場所となっており電話番号は共通。またスコアの内容も怒やロボレス2001等一部が同一スコア、同一プレイヤーとなっているため、別々の店舗だったのか疑わしい部分があります。

 

この状況は翌1986年8月号も続き、今度は両店でスコアは全く異なっているものの、A店の店名が「セガパソピアードイセザキ」となり、A,B両店名にほぼ差異が無くなってしまいます。

 

比較のため、1986年7,8月号の両店スコア欄を並べてみます。

 

【1986年7月号 (画像はいずれもマイコンベーシックマガジン1986年7月号より)】

f:id:annaka-haruna:20210727122439j:plain

セガパソピアードイセザキ店:伊勢佐木町2-18-2

 

f:id:annaka-haruna:20210727122440j:plain

パソピアード イセザキ:伊勢佐木町2-11-1

 

【1986年8月号(画像はいずれもマイコンベーシックマガジン1986年8月号より)】

f:id:annaka-haruna:20210804131602j:plain

セガパソピアードイセザキ店:伊勢佐木町2-18-2

 

f:id:annaka-haruna:20210804131603j:plain

セガパソピアード イセザキ:伊勢佐木町2-11-1

 

この状況は結局この2ヵ月だけとなり、以後は元々存在したビデオインイセザキ由来のA店、伊勢佐木町2-11-1のみが継続掲載されています。

同一もしくは隣接した建屋で、店内で遊んでいる分には1つの店舗にしか見えないのに風俗営業許可証が複数存在しており、名義上は複数の店舗となっていたような店舗が稀に存在していたようですが、ここもそのような営業形態だったのかは気になる所です。

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1986年7月】

f:id:annaka-haruna:20210727213029j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213040j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213050j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213059j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213108j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213129j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213140j:plain

f:id:annaka-haruna:20210727213150j:plain

  (マイコンベーシックマガジン1986年7月号より)

 

冒頭で説明した通り、所定の7ページでは店舗欄が収まりきらず、20ページ近く離れた場所に9店分の欄が設けられています。

過去に掲載履歴のある店舗からの集計用紙送付が偶々重なってしまったのかもしれませんが、無理矢理誌面を確保したという印象が拭えず、離れたページに掲載された店舗は正直多少の疎外感はあったかもしれません。

 

トピック店舗:プレイシティキャロット笹塚店

トピック店舗へ移ります。

周囲を中野区、杉並区、世田谷区に囲まれた渋谷区の北端、京王線沿線の笹塚から「プレイシティキャロット笹塚店」を取り上げます。

f:id:annaka-haruna:20210420135221j:plain

マイコンベーシックマガジン1985年8月号より)

f:id:annaka-haruna:20210812113928p:plain

f:id:annaka-haruna:20210711144214j:plain

f:id:annaka-haruna:20210711122314j:plain

f:id:annaka-haruna:20210711122240j:plain

2021年7月11日撮影

 

笹塚店は東京都内のキャロットの中では誌面掲載は遅く、初掲載は1985年8月号となり椎名町店と同期となっています。

初掲載時には何故か住所が記載されていないのですが、店舗所在地は「東京都渋谷区笹塚1-56-28 ルミエール笹塚」となります。

ゼンリン住宅地図 渋谷区1986年より)

 

住所のビルはまだ現役。笹塚駅を出て徒歩1分程度、甲州街道に面した場所となっています。ゲーメスト1987年8月号「RANDAM PICK UP GAME CENTER IN TOKYO YAMANOTE」に当時の写真付き店舗紹介記事がありましたので抜粋しました。

f:id:annaka-haruna:20210815131104j:plain

ゲーメスト 1987年8月号より)

 

建屋内の場所が特定出来なかったのですが、記事写真を見て2階であることが確認されました。現在の「満点酒場」の場所が該当するようですが、外付け階段と入口のアーチ部分以外は殆ど面影が残っていないようです。

 

ベーマガへの掲載は1990年3月までとなりました。対戦格闘ブームよりは少し前の掲載終了となっています。ゲーメストは上記記事に紹介されたにも関わらず集計店として掲載されることはありませんでした。閉店時期は不明ですが、近隣のキャロットと比較するとスコア掲載期間も含めて短命な店舗だったようで、都心に近すぎる、2階でありかつ入口の間口が狭いといったマイナス要因があったのかもしれません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1986年6月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1986年8月号