小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1988年2月号/トピック店舗:プレイシティキャロットなんば店(大阪府)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1988年2月号)

マイコンベーシックマガジン1988年2月号(第7巻第2号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総店舗数は102となり前月比-2。新規掲載店は1軒確認されています。

 

・その他

パサデナ大阪府

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マイコンベーシックマガジン 1988年2月号より)

 

ゲーメストでは1986年5月の創刊号から1987年8月号まで、「Pasadena茨木店」として掲載されていました。また更にアミューズメントライフ時代まで遡ると1984年3月号に最初の掲載履歴があります。ゲーメストでの掲載が終了した後にベーマガで復活した形となっています。

AMライフ及びベーマガでは住所が「茨木市駅前1-4-6」なのですが、ゲーメストでは「茨木市駅前1-4-1」となっています。今後住宅地図等で検証しますが現在は同一店舗として扱うこととします。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1988年2月】

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マイコンベーシックマガジン 1988年2月号より)

 

先月の1987年度チャレンジ・ハイスコア年間集計では、アフターバーナーを筆頭としてセガ体感ゲームのタイトルが多数名前を連ねていますが、同時期のセガタイトルとして忘れてはならないのが1985年のメジャーリーグがら始まった「特殊コンパネタイプ」のラインナップです。

 

セガメジャーリーグコンパネ

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(カナヤ商会ホームページより転載)

 

セガ/SDIコンパネ

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SDI的コンパネsakenomisugi.wordpress.com

(GAME屋萬年堂殿ホームページより転載)

 

これらタイトル群はメジャーリーグを始めとしてスポーツものが最も多かったこともありハイスコア的にはあまり脚光を浴びていないのですが、SDIはシークレットボーナスを始めとしたスコア狙いの熱さや、特殊操作系を大胆かつ緻密に使うプレイスタイルの凄さもあってスコアラー界隈で話題となりました。私も当時の名古屋イエローハットでプレイを見て唖然とした記憶があります。

今号の「チャレハイ通信」でも、プレイの凄さに触発されて東京でもブームが起こったことが記されています。

 

ただその操作の特殊性に起因した難易度の高さは一般プレイヤーを寄せ付けず、普通のゲームセンターからは瞬く間に撤去されてしまいました。

また現在においては「操作系の再現が難しい」ため特殊コンパネ系は移植が難しく、これらタイトル群に今後触れることが出来る可能性は非常に低いものと思われます。

 

トピック店舗:プレイシティキャロットなんば店

続いてトピック店舗となります。

 

大阪ミナミ地区に存在したキャロットのうち3軒目の「プレイシティキャロットなんば店」を取り上げることにします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年12月号より)

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2022年5月3日撮影

なんばCITYビッグキャロット」と店名は類似していますが、南海難波駅の高架下にあったビッグキャロットに対してこちらは難波交差点に近い単独店で、位置的には道頓堀店となんばCITYの中間になります。

当時の住宅地図では「ナンバチップスビル」内に店舗の所在を確認出来ており、該当する建物は現存しています。

(吉田地図 大阪市南区1986年より)

 

住宅地図ではビルは2つの街路に挟まれており、どちらの街路からも出入りが可能な構造に見えますが、現在のマップでは難波本通に面した部分のみに「なんばチップスビル」の表記があります。しかし4枚目の裏側写真を見ると2,3階に入居している麻雀店の看板があるため、特に建屋の構造が変わったということはなさそうです。難波本通側はテナント募集の張り紙しかありませんが裏側にはダイコクドラッグの看板が残っていることから、直近ではドラッグストアとして営業されていたようです。

 

誌面への掲載は1984年12月号からのスタートとなり、近隣のなんばCITY店や道頓堀店と比較して1年程度遅れての掲載開始となっていますが、店舗のオープンは1980年のようでなんばCITY店とほぼ同一、道頓堀店よりも前となっています。近隣の2店が共に掲載を行ったことから当初は敢えて追従する必要はないと考えられたのかもしれません。

 

そして掲載の終了も早く、1986年12月号を最後に定期的な掲載は途切れ、1987年8月号に単発で掲載されたのを最後に姿を消しています。こちらも道頓堀店同様にゲームファンからの知名度は近隣のなんばCITY店が高く、その陰に隠れてしまったような印象があります。

 

一方店舗の営業はスコア掲載終了後も継続しており、2001年発行のナムコ㏚誌「NOURS」の全国ナムコ店舗ガイドに写真が掲載されています。20年以上営業が続いた長命な店舗だったようです。

(NOURSバックナンバー No.33 2001年夏号「全国ナムコ店舗ガイド 大阪編」より) 

 

1980年オープンというのは上記資料が元となっています。(PLABO-AV'SはなんばCITY店の後継店です。)閉店時期は判明していません。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1988年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1988年1月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1988年2月号