ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1988年1月号)
ゲーメスト1988年1月号(第3巻第1号)のハイスコア集計店マップとなります。
掲載店総数は108店舗。87年10,11月号の107店を1店上回り過去最大を更新。スコア欄だけに店舗数においても更新という言葉がしっくり来ます。
そして新規掲載店舗も先月の0から一転、7店が新たに登場します。
・ナムコ系
プレイシティキャロット表町店(岡山県)
・セガ系
HI TECH SEGA延岡(宮崎県)
・その他
ゲームセンターUFO(神奈川県)
パピープレイランド(静岡県)
GAME CITY OZ(山口県)
(ゲーメスト 1988年1月号より)
岡山県で満を持して「プレイシティキャロット表町店」が登場し、この号では岡山・倉敷だけで実に9店舗が掲載されます。
キャロットを代表とするナムコ系の店舗は、既にベーシックマガジンへ掲載していた関係でゲーメストへの掲載を見送っていた店舗も多数ありましたが、87年11月号で岡山特集があった影響でしょうか。しかし翌88年2月号までのわずか2か月で掲載がされなくなるのでありました…
また、「ハイテクセガ三宮」「ゲームセンターUFO」の、往年を知るスコアラーには比較的著名な両店も掲載はこの号が最初となっています。
以下スコア欄を掲載します。
【めざせハイスコア 1988年1月】
(ゲーメスト 1988年1月号より)
店舗数108店は過去最大なのですが、この後の履歴でゲーメスト史上でも最大であることが判明しています。
ちなみに、1988年1月号のベーシックマガジンとゲーメスト双方に重複して掲載されていた店舗は28店でした。1月号の掲載店総数がベーマガ104店・ゲーメスト108店・重複が28店のため、ベーマガ単独が76、ゲーメスト単独が80となり、全国の掲載店合計は184店ということになります。
実際の掲載店総数の分布はこのトータルを見る必要があると思われるため、いずれまとめる機会は設けたいと考えています。
そしてトピック店舗は千葉県を継続。
千葉市の「マリンピア ナムコランド」及び市川市の「ナムコ ゲームスポット」をまとめてを取り上げます。
【マリンピア ナムコランド】
(ゲーメスト 1987年1月号より)
2020年7月5日撮影
【ナムコ ゲームスポット】
(ゲーメスト 1987年1月号より)
2020年8月8日撮影
どちらもゲーメストへのスコア掲載開始は1987年1月号が最初となっています。
「マリンピア ナムコランド」ですが、京葉線稲毛海岸駅前に、イオンの「マリンピアショッピングセンター」が立地しており、その中にナムコがテナントとして存在していました。
現在はナムコは撤退しており、4階フロアに子供向けアミューズメント施設のNICOPAが入居していますが、ナムコランドは3階フロアだったことが確認出来ます。
そして1990年当時の4階フロアにはファミリーレストラン「チップス」の存在が確認出来ますが、このチップスもナムコにより運営されていた施設でした。
(ゲームマシン 1984年9月15日号より)
1984年にオープン、当時はレストランフロアを中心としてゲームやシアター、物販まで展開する飲食を含めた新業態店舗だったようです。ミライヤ同様に実験店舗の位置付けだったのかもしれません。ナムコは1987年にイタリアントマトの筆頭株主になった経緯があり、飲食業への展開も視野に入れていたのでしょう。
ただ90年のフロア配置ではファミリーレストランのみが残っており、恐らくゲーム部分のみを3階にナムコランドとして独立させたのではないかと想像しています。
ハイスコア集計欄には1987年1月号から掲載されたのですが、翌3月号を最後に掲載店からは姿を消しました。津田沼のサンペデックや千葉市の集計店から比較的近く、また1987年は京葉線が全線開業する前(1986年3月に西船橋~千葉みなと間が開業。蘇我および新木場まで開業するのは1988年12月)なので駅前とは言え決してアプローチは良くなかったこともあり、スコアラーが集まりにくかったのかもしれません。
そして店舗は2000年6月時点で存在が確認されているのですが…
(NOURSバックナンバー No.28 2000年5月号「全国ナムコ店舗ガイド 千葉編」より)
店舗名は「チップスナムコランド店」となり、フロアは4階になっています。
レストランを撤退してそちらの場所へ移ったのでしょうか。
館内のゲームフロアとしては、4階→3階→4階→現在の3階へと幾度も移転していることになります。
一方の「ナムコ ゲームスポット」は、JR総武線市川駅前に立地する「市川ビル」にキーテナントのダイエーと共に営業していました。先日紹介済の津田沼「サンペデックナムコランド」と業態的には非常に近いと思われます。
ダイエーがイオン傘下となって以降、イオン関係のロゴを掲げる店舗が増加し、こちらも壁面にはイオンフードスタイルのロゴが掲出されていますが、建物上部には昔とは変わったとはいえまだダイエーのロゴが掲出されており、元ダイエー感がほとんど消失している津田沼モリシアと比べると往時のダイエーの雰囲気が残っています。
(ゼンリン住宅地図 市川市1988年より)
フロア配置を見ると、地下1階、2階共にナムコが存在しています。誌面掲載の店舗名称であれば地下1階が該当するのですが、恐らく一体的に運営されていたのではないかと思われます。
そして現在地下1階フロアは全てパチンコ店、地下2階は居酒屋のフロアとなっています。
2020年8月8日撮影
当時のテナント配置図と現況を比較頂ければわかりますが、地下1階に複数存在したテナントは全て改装してパチンコ店と化しているため、当然にしてフロア内には昔ゲームセンターがあったような形跡は全く残っていません。
こちらはゲーメストにおいては1988年12月号までスコアの掲載は継続しましたが、その後ベーマガの1991年6月号からスコア掲載が再開された履歴があります。
(マイコンベーシックマガジン 1991年6月号より)
しかし再掲載も長続きせず、1991年12月号までの掲載に留まっています。
こちらは2000年6月時点のナムコ店舗ガイド千葉編には掲載されていないため、それ以前に撤退していたようです。
千葉県の市川市~千葉市の間には、市川、津田沼、稲毛海岸、京成千葉とショッピングセンター内のナムコ系店舗が数多くハイスコア集計店として名を連ねていました。
反面、千葉県にはナムコ単独店舗である「キャロット」の名称がついた店舗がゲーメストやベーシックマガジンには一切登場せず、その代替をショッピングセンター内ナムコ系店舗が果たしていたのではないかと想像されます。
しかしそのピークは短く、90年代に入る頃にはハイスコア集計店としてはほとんど姿を消してしましました。業界の方々の不断の努力でゲームセンターが徐々に社会的に受け入れられるようになっていく一方で、ショッピングセンター内店舗にゲームファンを囲い込む必要が無くなってしまったという時代の変遷を表しているのではないでしょうか。
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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1987年12月号
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1988年1月号
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