小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年3月号/トピック店舗:ゲームランドウイング (静岡県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年3月号)

マイコンベーシックマガジン1990年3月号(第9巻第3号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は113で先月比-1。新規掲載店は先月に引き続き存在せずほぼ掲載枠上限で推移しています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年3月】

マイコンベーシックマガジン 1990年3月号より)

 

最大で61店の掲載を誇ったナムコ系掲載店ですが、徐々にその数を減らしていき今号時点では41と2/3程度となっています。今号ではプレイシティキャロット笹塚店(東京)が姿を消し、また先月では分大キャロットハウス(大分)、プレイシティキャロット豊橋店(愛知)、ブックセンタースクラム(宮城)の3店が掲載を終えています。豊橋ゲーメストとの重複掲載だったのですが今号以降はゲーメストのみの掲載となりました。

 

また、山口県防府市の「ゲームランド・プールイン」ですが、今回チャレハイ通信欄に「ピエロ(山口)」「ドラゴンボール(徳山)」との3店合同となる旨が綴られていますが、防府以外の2店については現在確認している時点では一度も住所情報が出てこないため所在地が不明となっています。もし情報をお持ちの方が見えましたらコメントをお寄せ頂きたくお願い致します。

 

トピック店舗:ゲームランドウイング 

トピック店舗は前回に引き続き静岡県の店舗から。

 

島田市の「ゲームランドウイング」をピックアップします。

マイコンベーシックマガジン 1986年5月号より)

2021年5月4日撮影

静岡県中部に位置する島田市静岡市浜松市のほぼ中間、お茶の産地である牧之原台地と、江戸時代には「越すに越されぬ」と謡われた大井川に面する旧東海道の宿場町です。

市の中心部はJR東海道線島田駅付近ですが、そこから東へ2㎞程離れた旧東海道沿いに店舗はありました。当時としては珍しいロードサイドの単独店だったようです。誌面への掲載は1986年5月からですが、丁度1986年4月に東海道線六合駅が新たに設置されそちらからは1km程度となるため、掲載店となって以後は六合が最寄駅と言えそうです。

 

ゼンリン住宅地図 島田市1987年より)

写真手前の道路が旧東海道。1987年時点ではまだ国道1号だっとことがわかります。オートスナックの表記もあるため幹線国道沿いのドライブインを兼ねていたようです。

 

そして建屋は現存していますが、現在は地元の大衆演劇の劇場となっています。

左の建屋が劇場で右は駐車場となっていますが、ゲームセンター時代は右の建屋も店舗として使用されていたとの情報を頂いています。

 

前述のように誌面への掲載はベーマガ1986年5月号からスタート。

店舗オーナーがゲームに理解のある方だったようで、ゲームマニアにとっても非常に開放的な店舗だったようです。その影響もあってか掲載は比較的長期となり、確認している時点では1994年9月号まで8年以上に渡って誌面に店舗名を刻み続けました。ゲーメストへの掲載はされませんでした。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年2月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年4号号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年3月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年2月号/トピック店舗:東海アミューズメント(グランドハウスマキ)(愛知県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年2月号)

ゲーメスト1990年2月号(第5巻第2号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載店舗数は93と一つ減りますが、新規は1店追加されています。

 

セガ

ハイテクセガ太田(群馬県

ゲーメスト 1990年2月号より)

群馬県太田市に2軒目の集計店として掲載が開始されますが、2ヵ月前の1989年11月号から掲載が開始された「ジャックアンドベティー」とその距離約50m。

 

店舗でハイスコア集計を行うことがまだ集客策として効果があると思われていた時代には、他店との競争のためか至近距離の店舗がこぞって集計を開始する例は時折見られました。店舗の郊外化が進行する以前は地方の駅前商店街にも複数のゲームセンターが存在しており、まだ活気があった時代を象徴しているようです。

 

それにしても1989年後半からこの1990年頭にかけて、新たな集計店の追加はほぼストップしているのに対してセガ系店舗だけは5店もの新規掲載がされています。(高崎、金沢、長浜、藤井寺、太田)セガ系店舗がスコア集計に理解があった最後の時期だったようです。一方で、大阪市の「ハイテクランドセガ杉本町」は今号で掲載店から姿を消します。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年2月】

ゲーメスト 1990年2月号より)


今号において「ハイスコア集計方法改正のお知らせ」としてスコア集計における幾つかのルールが明文化されました。

 

ベーマガでは1989年12月号において連射装置の使用が正式に認められる一方装置の有無で集計を分けることはされませんでしたが、ゲーメストベーマガとは異なりタイトルによって差が出る場合は装置の有無に分けて集計を行うこととなりました。連射装置否定派の店舗にも配慮した形となっています。

 

また、申請数が少ないため店舗別トップ数にカウントされなかった「ハイスコア番外地」が廃止され、マイナータイトルについてもトップの扱いは同等となります。敢えてこの番外地を狙っていたプレイヤーもいたようですが…

 

トピック店舗:東海アミューズメント(グランドハウスマキ)

トピック店舗へ移ります。場所を愛知県へ移します。

 

初期ゲーメスト掲載店舗から、高浜市の「東海アミューズメント(グランドハウスマキ)」をピックアップします。

ゲーメスト 1987年1月号より)

2021年5月3日撮影

所在地である愛知県高浜市は旧三河国に属するに人口5万弱の小さな街で、三州瓦の産地として有名です。近隣の衣浦湾は臨海部に大規模なプラントが林立し、またトヨタ自動車やその関連工場が立地する地域に含まれることから工業地帯、及びその衛星都市としての役割が大きくなっています。

 

店舗の前の道は衣浦方面へと続いている交通量の多い県道で、道路に面した駐車場を構えておりドライブイン的店舗であったと思われます。近くに名鉄三河線の線路がありますが最寄駅の吉浜へは徒歩だと20分以上は掛かります。

ゼンリン住宅地図 高浜市1987年より)

1987年の住宅地図に「ゲームコーナーマキ」の表記があります。隣接した喫茶店や敷地内の画廊にも「マキ(真樹)」の表記があるためオーナーが同一だったのかもしれません。

現在は写真のようにカラオケ喫茶となっています。隣接している建物2階の「麻雀 大吉」の文字が残っていたため場所の特定に至っています。

 

誌面への掲載ですが、1987年1月号のゲーメスト初回掲載時は店名が「東海アミューズメント」となっていました。これは運営会社の名称だったようで、翌3月号から「グランドハウス マキ」に店名欄が変更されています。

ゲーメスト 1987年3月号より)

 

店名が変更になった反面住所も本社住所へ変更されており、高浜市の住所にて記載されたのは初回のみでした。

 

そしてこの「名古屋市瑞穂区豊岡通3丁目34-3」という(株)東海アミューズメント本社住所ですが、以前その場所にもゲームセンターがあったことが確認されています。その店名も「グランドハウス」であり高浜と共通していました。

 

以下営業時の光景がアップされているサイトがありました。

geolog.mydns.jp

「グランドハウス」は名古屋市内に複数の店舗を運営していたことが確認されており、高浜の店舗もそのうちの一つであったと想定されます。ただハイスコア掲載を実施したのは高浜の店舗のみでした。その掲載も1987年11月号にて終了しています。また(株)東海アミューズメントにて検索すると豊岡通の住所がヒットしますが2022年時点では既に「ランニングショップステップ」というスポーツ用品店となっており、企業として活動が継続されているのかは不明となっています。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年2月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年3月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年3月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年2月号/トピック店舗:ビデオインパズル/ウィルトークタイトー三島店(静岡県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年2月号)

マイコンベーシックマガジン1990年2月号(第9巻第2号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は114で枠上限をキープしています。先月に枠が埋まったため掲載希望があっても直ぐには応えられないというコメントがあったこともあり、新規掲載はありません。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年2月】

マイコンベーシックマガジン 1990年2月号より)

 

トップスコア欄のコメント、集計タイトルが増加していたこともあり1990年に入ると尺が短くなっているのですが、特に今月のコメントからは少々投げやり感が感じられます。1989年のビデオゲームシーンを支えた初代テトリスの人気も一段落し、スコア欄に並ぶ新作を見ても目立つタイトルに乏しく全体的に停滞感が漂っています。

 

トピック店舗:ビデオインパズル/ウィルトークタイトー三島店

トピック店舗へ移ります。

 

静岡県タイトー系掲載店から「ビデオインパズル」及び「ウィルトークタイトー三島店」の2店を取り上げます。

 

【ビデオインパズル】

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

2021年2月20日撮影

 

【ウィルトークタイトー三島店】

マイコンベーシックマガジン 1987年8月号より)

2021年5月2日撮影

 

「ビデオインパズル」は浜松市郊外にある佐鳴湖に面した高台に開発された新興住宅地を横切る道路沿いに位置します。店舗前の道路を南下すると前回紹介している「ナムコランド浜松西店」のある現在の「イオン浜松西店」に突き当たります。

ゼンリン住宅地図 浜松市1986年より)

 

1986年の住宅地図に存在を確認しています。周囲は殆どが住宅で、正面道路は片側2車線ありますが郊外幹線道路沿いによく見られるロードサイド型チェーン店の姿はほぼ無く、非常に閑静でここがゲームセンターの跡地とは想像しにくい場所です。

 

Twitterに営業当時の店舗外観写真がアップされていました。

店舗名称からはタイトー系の店舗と判別出来ないのですが、上記資料から店舗をタイトー系として分類することにしています。

 

「ゲーム&スナック」の看板もあるようにオープン時は軽食コーナーも設置されており、ドライブイン型の店舗を指向してしたようです。資料は見つかっていませんが、新風営法施行前は24時間営業が実施されていたのかもしれません。

 

現在は「グリーンジャケット」というゴルフ用品ショップとなっていますが、写真を比較するとパズル時代の建屋ではなく建て替えられているようです。

 

ハイスコアの掲載はベーマガ1984年8月号から開始されました。タイトー系の店舗が同時に多数エントリーされたタイミングです。ナムコ系ロケーション以外の初期掲載店が着々と店舗欄から姿を消す中で1987年2月号まで掲載は継続しました。閉店時期は不明です。

 

そしてもう一方の「ウィルトークタイトー三島店」は静岡県東部地域、三島駅前に面する商店街内に位置した都市型店舗となります。

ゼンリン住宅地図 三島市1989年より)

 

三島駅前から三島市中心市街地である旧東海道沿いの三島本町方面へ伸びる通り沿いに商店街が掲載されており、その途中にある現在の「第2コウワビル」が跡地となります。1989年当時の名称は「第二富士見ビル」となっておりの住宅地図では1階に「ゲームコーナー タイトー」の文字があります。

 

正面から見た建屋正面は写真を見て頂けるとわかりやすいですがかなり複雑な構造となっており、雑然と取り付けられた多数の看板が飲食店やスナックを中心とした駅前雑居ビルの雰囲気を醸し出しています。建物1階の奥へ伸びる通路がありますが、ゲームセンターが入れるような大きな容積の店舗が奥にはなさそうなので、恐らく正面左手の居酒屋「三ツ星マート」の場所に元々存在したのではないでしょうか。

 

誌面への掲載はベーマガ1987年8月号からスタート、87年11月号では初代ストリートファイターの全国トップを輩出する実績もありましたが、翌88年5月号までの短期の掲載に留まっています。三島市は同じ通り沿いに後日再びハイスコア掲載店が現れるのですが、少々間隔が空き90年台中盤まで待つことになります。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年1月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年3号号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年1月号/トピック店舗:ビデイオンセガ船橋店(千葉県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年1月号)

ゲーメスト1990年1月号(第5巻第1号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載店舗数は94で先月と同数。新規掲載も無くあまり動きがありません。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年1月】

ゲーメスト 1990年1月号より)

 

前回は取り上げられなかったのですが、1989年12月号を最後に大阪市の「ゲームハウス999」が掲載を停止しています。最初のハイスコア集計店舗である1986年9月号掲載の35店のうち、初回で集計店から離脱した茨木市の「Pasadena」を除くと唯一関西圏で掲載が継続されていましたが、大学の付近とはいえ最寄駅が遠く、プレイヤーが集まるには少々厳しい立地だったのではないかと思われます。

 

また今月のヒットゲームベスト10にて2位にランクインしているアイレムの「X-マルチプライ」ですが、「メーカーの要請によって特集を組めない」という不穏なコメントが記載されています。

 

ゲーメスト誌とアイレムの関係は、R-TYPEイメージファイトと言ったタイトルが誌面で大々的に取り上げられることでヒットした1987~1988年頃は良好を通り越し蜜月関係とも言えるレベルだったと思われますが、攻略記事が製品寿命を縮めていると判断されたのかこの「X-マルチプライ」から急速に態度を硬化させてしまいました。

 

結果的にX-マルチプライとR-TYPEⅡの両タイトルはゲーメスト誌上で攻略特集記事が組まれることはなく、紹介記事のみの掲載となりました。1991年になると関係が改善したのか再び攻略記事が組まれるようになるのですが、以後アイレムのタイトルが大きく誌面を飾ることは少なくなったと思われます。

 

90年台に入るとアイレムは80年台の勢いを失い徐々に凋落してしまうのですが、ゲーメストとの関係悪化はその切っ掛けとなる出来事だったのではないかという気がします。

 

トピック店舗:ビデイオンセガ船橋

トピック店舗へ移ります。

 

前回に引き続き千葉県のセガ系店舗から「ビデオインセガ船橋店」をピックアップします。

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ゲーメスト 1986年9月号より)

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2020年7月5日撮影

 

現在、JR船橋駅京成船橋駅の間には写真の再開発ビル「FACE」が立地していますが、再開発前に存在したパチンコ店「オリンパス」の2階に存在していた店舗です。

ゼンリン住宅地図 船橋市1987年より)

1987年の住宅地図にて、パチンコオリンパスの建屋に「2F セガゲーム」の文字が確認出来ます。

 

パチンコ店は引き続き再開発ビルの中で営業しているため、元々は地権者であったのだろうと思われます。再開発ビルの定礎は平成15年となっているため、それ以前に取り壊されているはずですが、いつまでセガ店舗が存在していたのかは不明です。

 

ゲーメストが本格的にハイスコア集計を開始した1986年9月号から掲載がされ、1989年6月号まで一度も掲載を欠かさなかったのですが、1989年7月号以降復活することはありませんでした。最後の集計となった1989年6月号のハイスコア店舗通信欄に、以下の記述を発見しています。

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ゲーメスト 1989年6月号より)

 

どうもハイスコアを担当されていた店長が店舗を離れてしまったようで、それに伴い掲載もストップしてしまったようです。他に理解のあるスタッフが存在すれば掲載が続いていたのかもしれませんが...特定の熱意のあるスタッフにのみ支えられているサービスはどうしても継続性に難が出てしまいます。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年1月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年1月号/トピック店舗:ナムコランド浜松西店(静岡県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年1月号)

マイコンベーシックマガジン1990年1月号(第9巻第1号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は114と先月比+6の大幅増加。8ページの店舗欄枠上限である114に久し振りに到達しました。1987年3月以来となります。

新規掲載店は3店あります。

 

セガ

ハイテクセガ金沢(石川県)

 

・その他

スポーツセンターヤングパレス(千葉県)

 

アトラスシティ(東京都)

マイコンベーシックマガジン 1990年1月号より)

 

ハイテクセガ金沢は既にゲーメストへの掲載が1989年8月から開始されている一方、スポーツセンターヤングパレスはゲーメストへの掲載は3年以上遅れて1993年8月号からとなっています。

 

一方、アトラスシティはアトラスが初めてオープンさせた業務用ロケーションです。以後アトラスは「ムー大陸」「ゲームパニック」のブランドで直営ゲームセンターを展開していくことになります。

 

また、今号から「プレイシティキャロット静岡店」と「プレイシティキャロット両替町店」が合同集計となっています。両店は距離も近かったこともあって合同化へ舵を切り易かったと思われますが、ナムコロケ間の合同集計は静岡とゲーメスト甲府周辺以外に実施する場所はありませんでした。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年1月】

マイコンベーシックマガジン 1990年1月号より)

 

掲載店数が枠上限の114に到達したこともあり、今後参加の申し込みを行っても必ずしも希望には添えられない旨が通信欄に記載されています。

しかしこの後、114店の上限数で掲載されるのは翌号までとなり、以後掲載店は減少傾向を辿っていくことなります。

 

トピック店舗:ナムコランド浜松西店

トピック店舗へ移ります。

 

静岡県浜松市の「ナムコランド浜松西店」をピックアップします。

マイコンベーシックマガジン 1986年12月号より)

2021年7月24日撮影

 

浜松市の中心街から西へ数キロほど進むと、写真の「イオン浜松西ショッピングセンター」があります。現在の建屋は2002年に建築されたものですが、それ以前は「ジャスコ浜松西店」として営業されており、ナムコがテナントとして展開されていました。最寄駅はJR東海道線の高坂駅ですが駅からは徒歩で30分程度離れています。新幹線に乗っていると下りの進行方向右手に店舗が見えるため、場所を認識している方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

ゼンリン住宅地図 浜松市1986年より)

1986年の住宅地図ではテナント表記が2階までとなっています。前述のように2001年に一旦建物は閉鎖され、周辺の土地も合わせて拡幅の上2002年に再開業しているため、現在の建屋は当時の建屋とは異なっています。

 

2000年8月時点では店舗は存続しており、当時のナムコ広報誌「NOURS」にも店舗情報が掲載されています。そして現在も隣の敷地に「イオンスポーツクラブ浜松西店」が存在していますが、かつてはここにボーリング場「ピンポップ・レーン」が存在しており、併設ゲームコーナー「PRID'S浜松西店」と併せてナムコにて運営されていました。

(NOURSバックナンバー No.30 2000年9月号「全国ナムコ店舗ガイド 神奈川・静岡編」より)

 

この「PRID'S浜松西店」ですが、古のナムコフリークであれば誰もが聴いていたと思われるナムコ提供のラジオ番組「ラジオはアメリカン」にて、リスナーとの交流イベントとして行われた「ふれ愛キャンペーン」の舞台の一つとなった場所です。

www.webzakki.com

 

上記サイトで紹介されている「ラジアメ」の本「モアイの鼻血」によれば、1989年11月3日に浜松でのイベントが開催されています。当時愛知県にいた私はこのイベントに出向いているのですが、その前年に東京都の聖蹟桜ヶ丘にて開催されたイベントにも参加しており、その時の記憶とごっちゃになってしまっていてあまり浜松の印象が残っていません。帰りに薄暗い中高坂の駅まで歩いたことだけは何となく記憶しているんですが…

 

肝心のハイスコア掲載についてですが、結局ベーマガ1986年12月号に1回掲載されたのみに留まりました。2000年9月時点で営業されていたことから、2001年の施設閉鎖まで営業は続いていたことと思われます。隣接するPRID'S浜松西店はハイスコア掲載店としてエントリーされたことはありませんでした。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年12月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年12月号/トピック店舗:ハイテクセガ柏(千葉県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1989年12月号)

ゲーメスト1989年12月号(第4巻第12号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は94となり先月比-3と微減。新規掲載店が1店追加されています。

 

セガ

ハイテクランドセガ藤井寺店(大阪府

ゲーメスト 1989年12月号より)

大阪南部のハイスコア有力店としては、1990年代に入ると阪和線杉本町の「プレイシティNASA杉本町」が有名になりますが、その前にはこちら藤井寺のハイテクセガが全国トップをよく輩出していた印象があります。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1989年12月】

ゲーメスト 1989年12月号より)

 

ハイスコア伝言板コーナーのウィルトークタイトー高松店の欄に「遠征客が出した点数申告を受け付けずに地元客優先で誌面申請した」という趣旨の行為の是非について問われていますが、これもスコア集計初期に時折話題となっていました。

 

申告したのに地元民ではないという理由だけで却下されるのは申告したプレイヤーからすればたまったものではなく、そもそも地元客ではないとどのように判断されるのかと考えると、地元優先ではなく実質常連優先だったのでは?という話に繋がるため、店舗間で情報が広まってくるとこの手の話は店舗に対する評価として共有されていたのではないかと思います。

 

誌面でトップを競う上でハイスコア集計は「競技」になる訳ですが、常連を確保するための「手段」としてハイスコア掲載を行っていた店舗にとっては競技性よりも集客が重要となるため、その見解の相違がこのような事態を産んでいたと想定されます。まあ結果的に常連以外の申請を認めない店舗は掲載店から早々に姿を消していたのではないでしょうか。

 

トピック店舗:ハイテクセガ

トピック店舗です。千葉県のセガ系店舗に舞台を移します。

「ハイテクセガ柏」を取り上げます。

 

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ゲーメスト 1987年1月号より)

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2020年7月5日撮影

 

JR・東武柏駅東口に「柏駅前第一商業協同組合ビル(ファミリ柏)」が隣接しており、その地下にあります。フロア案内を見るとセガの他にも5店のゲームセンターが入居しており、同一フロア内にゲームセンターがひしめき合う現在では非常に珍しい光景を見ることが出来ます。

 

住所には「丸井地下」とありますが、マルイのテナント一覧には掲載されていません。同じフロアにあるヴィレッジバンガードイエローサブマリンはマルイのテナント一覧に存在するため、同じ建物内にあってもファミリ柏とマルイのテナントは全く別の扱いのようです。

ファミリ柏 フロアガイド:http://www.f-kashiwa.com/floor.html

柏マルイ フロアガイド:https://www.0101.co.jp/076/shop-guide/floor.html?from=01_pc_st076_facility-info_pc-left

 

ゼンリン住宅地図 柏市1990年より)

1990年の住宅地図ですが、まだ柏そごうが営業中であることに時代を感じます。

地下1階のテナントにセガの文字を確認していますが上記のように「ビデオ・イン・セガ」と「HI-TECHセガ」の2軒分の表記があります。90年当時ではビデオインセガの名称は使用されていないように思えますが、看板の名称が変更されていなかった可能性はあり得ます。

 

現在セガアミューズメント施設運営から手を引いており、今後「セガ」の名称が入っている店名は徐々に減少していくことになるでしょうが、その中でも「ハイテクセガ」という80年台を彷彿させる名称が残っている場所は貴重でした。(2023年8月時点でハイテクセガから「GIGO柏」に名称変更されており、「ハイテクセガ柏」の店名は名実ともに消失しています。)

 

ただ機種構成としては最近のゲームセンターそのもので、中央の通路を挟んで東側がほぼプライズ機、西側が専用筐体物のオンライン機で構成されており、メダルゲームが設置されていないことを除けば他のセガ店舗とほとんど変わりはありません。「ハイテクセガ」という名称に期待すると拍子抜けしてしまうこと請け合い。

 

ハイスコア集計店としては、集計開始3回目の1987年1月号から掲載がされていますが、確認している時点で1990年7月号の掲載が最後となっています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年12月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年12月号/トピック店舗:プレイシティドンキーハウス/プレイプラザハスラー(愛知県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1989年12月号)

マイコンベーシックマガジン1989年12月号(第8巻第12号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は108となり先月比+2の増加となりました。新規掲載店は4店を確認しています。

 

セガ

ハイテクランドセガ藤井寺店(大阪府

 

タイトー

ハイテクノーベル神保町(東京都)

 

・その他

プレイランドファンタジー宮城県

 

ゲームランドプールイン(山口県

マイコンベーシックマガジン 1989年12月号より)

 

山口県のゲームランドプールイン以外の3店はいずれもゲーメストとの重複掲載となっています。ハイテクランドセガ藤井寺店はゲーメストとほぼ同時掲載開始ですが、ハイテクノーベル神保町、プレイランドファンタジーの両店は1987年にはゲーメストでの掲載が開始されており、2年以上の間隔を置いてのスタートとなりました。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1989年12月】

マイコンベーシックマガジン 1989年12月号より)

 

トップページのコメントにおいて連射装置の件が触れられています。

 

1987年頃から一部の店舗で使用が開始された連射装置ですが、元々は装置普及前に問題となった「ボタン擦り行為」によるボタンやコンパネの破損防止、そして顧客サービスとしての導入だったのに対して、ハイスコアを狙うための必須アイテムの要素が徐々に大きくなってきます。

 

当時はパッケージとして装置が販売されていた訳ではなく、回路を作成したり回路図を入手して部品を揃え、ハンドメイドで作成していたためそのような能力を持ったスタッフやプレイヤーがいない、あるいは導入において管理者の許可が取れない店舗から「条件が違い過ぎる」との意見が寄せられていたようです。

これについて見城氏は一蹴。連射装置の使用はオフィシャルで認められることとなり、ベーマガでは最後まで連射装置の有無で集計部門を分けることは実施されませんでした。

 

連射装置や同時押しボタンのレベルであればスコアラー以外でもサービスを享受でき、店舗への満足度を高めたり他店との差別化アイテムとしてアピールできるため、導入を認めたことは適切だったと思います。

ただ、連射が必要なゲームにおいてハードへの対応が出来ない店舗がトップスコアに名を連ねることは難しくなったのは確かです。

 

またプレイヤーサービスとしての装置ではなく、様々な機能を備えたスコアを出すための装置へと変化して行った際に、「どこまで使用を認めるのか」という新たな問題が追って噴出してくることになります。

 

トピック店舗:プレイシティドンキーハウス/プレイプラザハスラー(愛知県)

続いてトピック店舗となります。

 

先月に引き続き愛知県内の初期掲載店舗から2店、半田市の「プレイシティドンキーハウス」及び小牧市の「プレイプラザハスラー」をピックアップします。

 

【プレイシティドンキーハウス】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

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2021年5月3日撮影

 

【プレイプラザハスラー

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

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2020年7月24日撮影

知多半島に位置する愛知県半田市醸造業の街として有名で、ミツカンが本社を構えている場所でもあります。市の代表駅である名鉄知多半田駅から歩いて5分程度の場所にスーパーのピアゴ(以前のユニー)半田店があり、その裏手駐車場に面した写真の建屋に「知多文化センター」の文字があり1986年の地図でも確認出来るため場所の特定が出来ています。

 

ゼンリン住宅地図 半田市1986年より)

地図では建屋中央がドンキーハウスの場所となっているため、現在の居酒屋の場所が店舗跡地となると思われます。建屋の前は現在ピアゴ半田店の平面駐車場となっていますが、当時の住宅地図を確認すると以前は立体駐車場だったようです。

 

ここは情報によればナムコのレンタルロケだったようで、ハイスコア掲載がされていたのはレンタル店におけるナムコの販売促進策の一環だったのかもしれません。百貨店やスーパー以外のロケーションではナムコタイトーセガと比較して店舗数が少なく、自社レンタル店活性化のためスコア集計のような運営ノウハウも合わせて展開していたと思われます。

 

1984年9月の開始から知多半島唯一のスコア掲載店として地道に掲載は継続し、1990年1月号まで掲載を確認しています。閉店時期は判明していません。

 

そしてもう一方の「プレイプラザハスラー」はドンキーハウスと同じく1984年9月号から掲載が開始された同期店です。先月紹介した豊橋市のゲームコーナーUFOや江南市のゲームコーナーエースも同時に掲載開始されており、東海地方の掲載店が一気に増加した時でもあります。

 

小牧市の中心は名鉄小牧線小牧駅付近に拡がっていますが、こちらは駅からは大きく離れており名神高速の小牧インターが近い国道41号に面した郊外店でした。

 

また店舗名に「ハスラー」が含まれることからわかるようにビリヤードを併設していた店舗であったことが過去のチャレハイ通信欄において確認されています。

 

ゼンリン住宅地図 小牧市1985年より)

 

当時の住宅地図と確認すると、「弥生タウン」という小規模店舗が集まった建屋に「プレイプラザハスラー」の文字が見えます。

 

しかし現在は同じ場所にそれらしき建屋は残っておらず、跡地に3~4件の建物が新たに建てられたように見えます。

 

住宅地図のプレイプラザハスラーの下に「中華料理 天草」の文字が見えますが、現在地には「中華料理 天華」が営業しており、天草は天華の誤記で弥生タウン建て替え後同じ場所で営業が続いていると考えると辻褄が合うように思います。

 

こちらも1984年9月スタートから掲載を重ね、一度の休載も挟まないまま1989年6月号まで継続、7月号で初めて休載の後に8月号で復活しますがその号が最後の掲載となりました。

 

スコアラー欄は1984年当時であれば本名表記も普通だったのですが、時を経てスコアネーム表記が一般化した後もこちらは頑なに本名表記で、後年にローマ字表記にはなったもののその方針は貫かれていました。それだけが原因ではないでしょうがスコアラーからは敬遠されていたのかもしれません。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年11月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年1号号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年11月号/トピック店舗:ゲームハウス999(大阪府)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1989年11月号)

ゲーメスト1989年11月号(第4巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は97で先月比-1とほぼ横這い。新規掲載店は1店増加しました。

 

・その他

ジャックアンドベティー群馬県

ゲーメスト 1989年11月号より)

場所は群馬県太田市東武太田駅北口。ここはスバル群馬製作所に面し、以前は駅付近に大型店も含めて商業が集積していたようですが、地方にありがちな郊外化と2004年の東武線の高架化で駅付近はずいぶんと様変わりしてしまっているようです。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1989年11月】

ゲーメスト 1989年11月号より)

 

君こそゲーメスト欄のトップを飾るのはカプコンエリア88ですが、集計初月にいきなり永久パターンの発覚でクリア統一となり、大魔界村には及ばないものの全国57店の同時トップとなりました。「またカプコンだ」のコメントに皮肉が効いています。

 

ちなみに大魔界村初回集計の時にはトップスコア一覧に欄を設けなかったベーマガですが、エリア88においては欄を設けないだけでなくコメント欄でさえ一切何も語られず、ゲームの存在そのものが無いような扱いでした。永久パターンであることすら触れられておらず当時のスコア担当、見城こうじ氏の怒りが伝わってきます。

 

この頃のゲーメストは誌上でかなりカプコンのタイトルを優遇して取り上げていた傾向があったことは否めなかったと思います。版権ものに傾倒してオリジナリティが感じられなかったカプコンと、そのタイトルを大々的に取り上げていたゲーメストの姿勢を疑問に思い、私がゲーメスト誌面を購入しなくなったのはこの時期からです。

 

トピック店舗:ゲームハウス999

トピック店舗です。

 

前回に引き続き関西の初期ゲーメスト掲載店舗から「ゲームハウス999」をピックアップします。

ゲーメスト 1986年9月号より)

2023年1月8日撮影

 

大阪市の北東部に位置する旭区に大阪工業大学があり、その校舎の真向いにあった店舗です。最寄駅は地下鉄の太子橋今市ですが駅からは約1㎞と若干離れており、周囲には他の商店も少なく大工大生が客層のほとんどを占めていたと思われる立地です。

 

(ゼンリンブルーマップ 大阪市旭区1990年より)

 

1990年の住宅地図で存在を確認しています。

現在は宅配専門の弁当店となっているようです。

 

誌面へはゲーメストのスコア集計が本格化した1986年9月号から登場しました。ベーマガへの掲載履歴はありません。

 

初期のゲーメストは関西、特に大阪府の掲載店が少なく、また大きな休載期間もなく安定して掲載されていた貴重な店舗だったのですが、1989年12月号を最後に誌面から姿を消しています。ただ1990年の地図に存在が確認されているように閉店による掲載終了ではなかったことは間違いありません。閉店時期は不明です。

 

大学に隣した立地とはいえ駅から遠く、駐車場もないことからアプローチが悪いことは否めないため、広域でプレイヤーが集まるということはなかったようです。ハイスコア的にも特に目立っていたという印象はありませんでした。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年11月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年11月号/トピック店舗:フラッシュイントヨタ/ゲームコーナーU.F.O(愛知県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1989年11月号)

マイコンベーシックマガジン1989年11月号(第8巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店数は106となり先月比-3と減少しましたが、新規店舗が1軒あります。

 

・その他

マンモス城インベーダーハウス(大阪府

マイコンベーシックマガジン 1989年11月号より)

 

こちらの「マンモス城インベーダーハウス」ですが、先日現地調査に行った所、店舗跡地隣がとある方面で有名な店で笑ってしまいました。高槻市という住所からお察し下さい。

 

また新規掲載ではありませんが、1986年1月~1987年4月にて掲載されていた愛媛県の「タイトピア木屋町」が今号から2年7か月振りに復活掲載されています。こちらはゲーメストも1987~1988年は掲載が不定期だったため、店舗側の事情が働いていたのかもしれません。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1989年11月】

マイコンベーシックマガジン 1989年11月号より)

 

ゲーメストでは1989年7月から「プレイタウンYOU&YOU町田店」と合同集計となっていた町田市の「プレジャーキャッスル」ですが、ベーマガでは今号から合同開始となりました。ゲーメストからは4か月遅れということになります。

 

トピック店舗:フラッシュイントヨタ/ゲームコーナーU.F.O(愛知県)

トピック店舗は中部、東海圏の初期ベーマガ掲載店へと移ります。

愛知県は豊田市の「フラッシュイントヨタ」、及び豊橋市の「ゲームコーナーU.F.O(遊びの広場U.F.O)」をピックアップします。

 

【フラッシュイントヨタ

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

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2021年5月3日撮影

【ゲームコーナーU.F.O(遊びの広場U.F.O)】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

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2021年2月21日撮影

「フラッシュイントヨタ」は1984年8月号、「ゲームコーナーU.F.O」は同9月号から掲載が開始されました。星ヶ丘キャロットハウス、及びプレイシティキャロット豊橋店のナムコ系店舗を除くと愛知県では最も初期に掲載が開始された2店となります。

 

フラッシュイントヨタの場所は、東名高速の豊田インターチェンジが比較的近いものの最寄駅から徒歩で行ける距離ではないのですが、付近に聖心寮というトヨタ自動車の大型社員寮があるためその入居者が主要客層だったのではないかと予想しています。

 

私は1984年から1991年まで豊田市に在住していましたが、当時の自宅からは10㎞以上ありかつ駅からも遠かったこともあって、この場所を訪れたのは調査に向かった今回が初めてでした。

 

ゼンリン住宅地図 豊田市1984年より)

「松美ビル」という建屋は写真のように現存しており、1984年の住宅地図でも存在を確認しています。当時のテナント配置を見ると、3枚目写真のシャッターが下りている部分が該当するのではないかと思われます。

 

1984年中は毎月スコア欄が掲載されていましたが、1985年に入ると欄が無い号が現れ最後にスコア掲載があったのは1985年3月号。その後4,5,8,9月号は店舗欄はあるものの休載表記のため実質半年程度の掲載に留まりました。閉店時期は判明していません。

 

一方の「ゲームコーナーU.F.O」はプレイシティキャロット豊橋店に次いで豊橋市2店目の掲載店となりました。

キャロットは豊橋駅前に位置していましたが、こちらは中心市街地からは大きく外れており、正面の道路をもう少し東へ向かうと静岡県に入ってしまいます。県境付近は1987年まで「多米峠道路」という有料道路でした。

ゼンリン住宅地図 豊橋市1985年より)

 

隣にある「喫茶LUCK」は現在も「LUCK CAFE」として営業が続いており、隣地は空き地となっています。最初は現在の税理士事務所の建物が跡地かと思いましたが、当時の住宅地図では駐車場の後方に建屋が存在していないため、既に当時の建屋は無くなっているものと思われます。

 

1984年9月号から掲載開始され、11月からは店名が「レジャーの広場U.F.O」へと変化、1985年に入っても掲載は続きましたが、85年11,12月と休載表記が続いた後にフェードアウトしました。閉店時期はこちらも不明です。

 

豊橋、豊川付近はドライブイン的ゲームコーナーが多かった地域ですが、渥美半島方面に「オートレストランUFO」という店舗が最近までありました。

plaza.rakuten.co.jp

場所や店舗名からしてこちらと関係がありそうですが、なにかご存知の方がいらっしゃれば情報をお待ちいたしております。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年10月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年12号号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年10月号/トピック店舗:Pasadena茨木店(大阪府)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1989年10月号)

ゲーメスト1989年10月号(第4巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は98と先月比+1となっていますが、新規掲載店はありません。

ただ、翌11月号の「ハイスコア通信」に以下の記載を見つけています。

ゲーメスト 1989年11月号より)

 

ウィルトークタイトー高松店は確かに今月から掲載されていますが、1987年9月~1989年1月まで既に掲載実績があり、新規掲載ではありません。

 

中断期間中は店舗でのスコア集計自体を行っていなかったのか、誌面への掲載を中止していただけなのかは興味深い所ではあります。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1989年10月】

ゲーメスト 1989年10月号より)

今号で掲載を終了したのが「ダイエーレジャーランド郡山店」。

 

ゲーメスト初期ではアウトランの全国トップを多数輩出したことで、東北地方の代表的集計店としてその名を知られるようになりましたがベーマガは1989年5月号にて、追ってゲーメストも今号で掲載を終了し掲載店の歴史に幕を閉じています。

 

そして「ヒットゲームBEST10」を眺めると、既にデビューから半年以上が経過しているにも拘わらず依然としてトップはテトリスで、このゲームの貢献度を物語っていますが他のラインアップを見るとゲームタイトルとしては「端境期」の感が否めません。

 

鳴り物入りで登場したセガの「スーパーモナコグランプリ」ですが、F1に勢いがあった当時ですらランキングトップを飾るには至らず。既に「体感ゲーム」のジャンルはピークアウトしており、特にスコア集計を実施しているような中小規模店舗では価格や店舗面積の関係で大型筐体を積極的に導入出来ないという事情もありました。現在では評価の高いタイトーの「ナイトストライカー」も流通に阻まれた結果、ゲーメストのランキングには一度も登場していません。

 

他のランクインしている基板タイトルを眺めても、後日を含めて高く評価されている作品は乏しく、テトリスが君臨し続けた状況も止むなきかなという印象です。

 

トピック店舗:Pasadena茨木店

トピック店舗は関西初期のゲーメスト掲載店へと移ります。

 

まずはゲーメスト創刊号から掲載された「Pasadena茨木店」をピックアップします。

ゲーメスト 1986年5月号より)

2022年3月19日撮影

 

ゲーメスト創刊号のハイスコアコーナー「目指せゲーメスト」のに掲載された21店の中の一つです。

 

大阪府茨木市阪急京都線茨木市駅JR京都線茨木駅がありますが、両駅間は1㎞程度離れているためそれぞれの駅付近に商店街が形成されています。こちらはJR茨木駅付近に存在しました。

 

住所欄の「ソアラ―ビル」は、テナントは変わっているものの写真のようにまだ現存しています。

ゼンリン住宅地図 茨木市1988年より)

1988年の住宅地図では1階に店舗の存在を確認出来ます。

また、5軒となりの「マツヤビル」には、ベーシックマガジン1984年9月~1985年11月まで店舗欄を有したタイトー系列店「ゲームプラザUFO(→ウィルトークタイトー)」があり、近接して2軒のハイスコア集計店が存在していたことになります。

 

「ゲームプラザUFO」については以下記事にエントリーしています。

www.inu-inu-yeti.com

そして「パサデナ」という店舗にてハイスコア集計が行われたのはゲーメスト創刊号が最初ではありませんでした。

 

ゲーメストの前身ともいえる日本で初めての業務用ゲーム専門誌「アミューズメントライフ」誌に掲載されていた「今月のハイスコア」コーナーにて、系列店となる池田店が1983年11月号の時点で誌面に登場しています。

アミューズメントライフ 1983年11月号より)

1984年3月号にて追って茨木店も掲載されました。茨木店としては初めての掲載となっています。

アミューズメントライフ 1984年3月号より)

 

1984年6月号では茨木、池田店が並立表記され実質合同集計の体裁となっています。

アミューズメントライフ 1984年6月号より)

AMライフ休刊後はゲーメストへ掲載をシフトさせるのですが、池田店はその後誌面へは出現しませんでした。

そしてゲーメスト創刊号にて掲載された21店のうち、半数以上が次回掲載である1986年9月号において姿を消す中、1987年8月号まで店舗欄は継続されています。

ベーマガへは永らく掲載がなかったのですが、ゲーメスト掲載終了後半年程経過した1988年2月号に初めて店舗欄が登場しています。

マイコンベーシックマガジン 1988年2月号より)

ただこちらも1988年6月号まで継続したもののそこで一旦掲載は途切れ、間をおいて1989年3月号に単発で掲載されたのを最後に姿を消しています。掲載店としては老舗の部類になるのではないかと思いますが、掲載誌を短期間で変えている傾向があり店舗のスコア運営に紆余曲折を感じます。閉店時期は分かっていません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年10月号

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