小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年7月号/トピック店舗:プレイタウン赤い風車(北海道)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年7月号)

マイコンベーシックマガジン1985年7月号(第4巻第7号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は先月から更に減少して102。休載表記は0店で、先月に引き続き休載の多い店舗の欄を一切設けていないため総数が少なく推移しています。特に今号は何故か横浜市の集計店4店(プレイシティキャロット伊勢佐木町店、プレイランド赤い風船、パソピック、ビデオインイセザキ)がまとめて掲載されなかったことが総数減少に大きく寄与してしまいました。

 

一方、新規掲載店は2件存在しています。

 

・その他

アミューズメントファンシティローレンⅠ(和歌山県

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ビデオゲームレーダー店(大阪府

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マイコンベーシックマガジン1985年7月号より)

 

和歌山県の掲載店はゲーメストを含めても珍しい存在。また東大阪市の店舗は近鉄長瀬駅前、いわゆる「近大前」であり「あうとばあん」に代表されるゲームセンター密集地域だったのですが、殊にハイスコア掲載店となるとキャロットからの流れが続いていた関大前と比較してあまり恵まれなかった場所ではないかとと思います。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年7月】

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マイコンベーシックマガジン1985年7月号より)

 

今回、ナムコメトロクロス」の発売に伴いストーリー漫画が掲載されている関係でいつもと装丁が異なっています。

このストーリー漫画、何故か誌面を逆読みする形で進行しており、チャレンジハイスコア欄以前に更に5ページが続いていますが、ハイスコアとは無関係のため掲載は省略します。

 

トピック店舗:プレイタウン赤い風車

トピック店舗ですが、前回のプレイシティキャロット琴似店と並ぶ札幌市の老舗「プレイタウン赤い風車」をピックアップします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2021年3月28日撮影

 

すすきのから札幌市交通局路面電車に乗って20分程度、札幌市域を見渡せる藻岩山のロープウェイ乗り場にも比較的近い「石山通」停留所から国道230号を南下して徒歩5分程度で店舗跡地に辿り着きます。

ゼンリン住宅地図 札幌市中央区1985年より)

1985年当時の店舗向かいにあるグラウンドは、2021年時点で住宅展示場となっています。

 

札幌市の郊外で周囲は住宅地となっており、あまり商店が林立している場所ではありません。片側2車線の比較的交通量の多い国道沿いで、写真にもある店舗裏手も含めて駐車場を多数確保していたこと、また当時のメーカー系店舗では非常に珍しく店内で飲食を提供していたということもあり、どちらかと言えばドライブインの性格が強い店舗だったようです。ピラフ系の食事が非常に充実していたとの情報を頂きました。

 

また、元電気グルーヴの「まりん」がここでバイトをしていた時期があったようです。

seesaawiki.jp

地元の古のゲーマーの方々にとっては結構有名な話のようですが、公式情報では一切出てこないので私もこの事実を今回初めて知るに至りました。

 

ベーマガではハイスコア集計のオリジナル26店に名を連ねましたが、「キャロット」の名称が含まれなかったのはこことゲームスペースミライヤ、そしてゲームブティック高田馬場の3店のみ。しかしスコア掲載期間はそれ程長くなく、1986年8月号を最後にスコア欄から姿を消しています。ゲーメストへは一度もスコア掲載はされなかったものの、札幌の店舗紹介記事内で取り上げられています。

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 (ゲーメスト 1988年5月号より)

 

また、現役当時のカラー写真がナムコのNG誌にも掲載されていたようなので以下も追加で引用させて頂きます。

 

店舗は1990年台後半まで営業が続いていたようです。現在の写真と見比べると建屋は当時のままですが、風車の撤去も含めて内外装は全く面影を留めていません。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年6月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年6月号/トピック店舗:プレイシティキャロット琴似店(北海道)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年6月号)

マイコンベーシックマガジン1985年6月号(第4巻第6号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

今号は、初期の2ヵ月連続同一掲載店舗だった時期を除くと、初めて新規掲載店が0となります。また掲載店総数も105と一気に9店も減少しています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年6月】

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マイコンベーシックマガジン 1985年6月号より)

 

掲載店数が少ない割に休載表記は「ダイエーレジャーランド高岡店」の1店しかありません。休載が多い店舗欄は設けず、空いた枠をまとめることで店舗紹介や通信欄に充てています。

 

通信欄にはデータイーストの「B-ウイング」についての例が述べられていますが、「難易度や残機の設定は工場出荷設定のみを集計の対象とする」「永久パターンを使用したスコアは認めない」等、追って一般化する集計ルールがまた確立していないため、対応が手探りであったことが窺えます。

 

集計ルールが確立していないことは申請する店舗側も同様で、設定や到達面数等を備考欄に記入していなかったことからスコアが上回っていてもトップの扱いをされなかったり、永久パターンを使用したスコアや、今見ると明らかに達成不可能なスコアが掲載され全国トップとなっている例が散見されます。

 

集計ルールについては、ゲーメストが創刊されハイスコア集計がベーマガと二本立てになる1986年以降から、双方の担当者の努力によって徐々に明文化されて行きますが、それ以前のハイスコアについてはオフィシャル的に最終スコアが明確にされていないタイトルが殆どなのではないかと思います。

 

トピック店舗:プレイシティキャロット琴似店

トピック店舗に移ります。

今回は80年台後半の北海道ハイスコア集計店の代表ともいえる「プレイシティキャロット琴似店」を取り上げます。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2021年3月28日撮影

 

札幌市の郊外、JR函館本線札幌市営地下鉄東西線にそれぞれ琴似駅がありますが、両者は500m以上離れており、両駅を繋ぐ琴似・栄町通り沿いに商店街が形成されています。その沿道にあった商業ビル「琴似グリーンビル」の1階に店舗を構えていました。

ゼンリン住宅地図 札幌市西区1985年より)

キャロットが入っていた建屋は5階建てのスナックを中心とした雑居ビルでしたが、現在は写真のようなマンションへと変わっています。両隣のお茶屋と飲食店の建物は昔と変わっていないようです。

 

スーパーソフトマガジンの初回掲載26店に名を連ね、1984年1月号から掲載が開始されます。追ってゲーメストへも掲載されダブル掲載店となり、ナムコグッズ販売も直営店の中で真っ先に開始されたことも手伝って、北海道のハイスコア集計店で最もポピュラーな存在として全国のゲーマーにその名を知られることになります。

 

「琴似」という地名もこの店から知り得た方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

 

業界紙「ゲームマシン」においては、1986年8月1日号の「全国市街地ゲーム場」のコーナーで琴似界隈が取り上げられました。

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(ゲームマシンアーカイブ 1986年8月1日号より)

 

店内写真がありますが、テーブル筐体主体だった光景に時代を感じます。正面に多数のギャラリーが出来ていますが、何か新製品にでも群がっているのでしょうか。

 

またナムコが最初にキャロットを構えた琴似という場所の魅力に他社も気が付いたのか、セガが新規出店を行った直後のようで、追ってタイトーも出店し大手3社のロケが出揃う場所となる反面、それ以前には旧態依然のゲームコーナーがいくつか営業されていたことが確認出来ます。

 

そして約2年後のゲーメストで札幌の店舗紹介記事が組まれますが、その際にも琴似界隈が取り上げられています。

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ゲーメスト 1988年5月号より)

ウィルトークがオープンしている一方で、2店存在した個人店は紹介されていません。この頃が最も琴似界隈が充実していた時期だったのでしょうか。

 

そして更に時を経た1990年9月号の掲載を持ってゲーメストへのスコア掲載が終了。この時は掲載店入れ替えに伴い多数のナムコ系店舗がゲーメストの集計店から姿を消しており、何らかの意向が働いていたのかもしれません。

 

ベーシックマガジンへの掲載は引き続き1996年3月まで継続。1996年4月号のベーマガ「チャレハイ通信」欄に以下のメッセージが残されています。閉店までスコア集計が継続されていました。

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マイコンベーシックマガジン 1996年4月号より)

 

札幌市内に多数存在したナムコ系のハイスコア掲載店はここの閉店を持って全て誌面から消失しその歴史に幕を閉じています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年5月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年7月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年5月号/トピック店舗:プレイシティキャロットハローススキノ店(北海道)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年5月号)

マイコンベーシックマガジン1985年5月号(第4巻第5号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

店舗数は114と先月に引き続き上限を維持。

新規掲載店が1店あります。

 

ナムコ

室蘭キャロットハウス(北海道)

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マイコンベーシックマガジン 1985年5月号より)

 

札幌市内に集計店を含めた多数の店舗展開をしていた当時のナムコですが、北海道内の地方都市にも既に掲載が始まっている小樽、函館に加えて室蘭が加わります。

また、ゲーメストに掲載された店舗を含めると苫小牧、釧路、旭川が追加され、道内に広範囲に店舗展開を行っていたことが窺えます。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年5月】

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マイコンベーシックマガジン1985年5月号より)

 

新規掲載が開始される一方で掲載中止の店舗も発生しています。

 

ナムコ系では室蘭キャロットの掲載が増えた北海道ですが、一方「プレイシティキャロットハローススキノ店」が今号が最後の掲載となりました。

 

また、今号で3号連続で休載表記だった東京都板橋区の「ゲームセンターUFO」、そして大阪駅前第3ビルの「センターロイヤル」は次号以降店舗欄から姿を消します。

 

https://twitter.com/royalgamecenter?s=20

掲載店から姿を消したセンターロイヤルですが、2021年4月現在も大阪駅前第3ビル地下1階で営業が続く「ロイヤルゲームセンター」として健在です。80~90年台のゲームセンターの光景を現在に残している貴重な店舗となっています。

 

また、兵庫県尼崎市の「マイコンゲームI.B」について、姉妹店として大阪府池田市の「ZONE(ゲームセンター・ゾーン)」でハイスコア登録が可能の旨が欄外に記されています。複数店舗の合同集計となった初めての例となります。

こちらは住所も記載されておりマップ上にプロットすることも可能なのですが、「店舗欄に記載された住所のみプロットの対象とする」ことを掲載ルールとしているため、マップ上には記載しないことにします。以後の合同集計店舗についても同一とします。

 

トピック店舗:プレイシティキャロットハローススキノ店

トピック店舗ですが、今回最終の掲載となった「プレイシティキャロットハローススキノ店」を取り上げることにします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年3月号より)

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2021年3月28日撮影

すすきのといえば札幌はおろか国内屈指の繁華街ですが、その真ん中にナムコのキャロットが存在した、といってもピンと来ないゲーマーの方も多いと思います。かくいう私もそうでした。

 

1983年12月号の別冊スーパーソフトマガジンにてハイスコア集計の開始が予告された際、当初掲載店27店のうちの1店としてノミネートされましたが、実際に掲載が開始されたのは1984年3月号から、そして今回の1985年5月号を最後に掲載店から姿を消すため掲載期間はわずか1年程度。それでは店舗の認識度が著しく低くなっていたことも頷けます。

ゼンリン住宅地図 札幌市中央区1985年より)

 

1985年の住宅地図ですが、すすきのと言ってもアーケード内に店舗が軒を連ねる狸小路側ではなく、周囲は居酒屋やスナックが中心。キャロットが入っていたビルも2階から5階までを居酒屋が占めており、飲みに来たサラリーマンの時間つぶしなどの需要を当て込んだ立地だったのかもしれませんが、当時の10代ゲーマーにとっては非常に近寄りずらい場所だったのではないかと想像できます。

アミューズメントライフ No.11(昭和58年10月20日号)より)

 

ベーマガのハイスコア集計やゲーメスト創刊以前の、日本で最初にアーケードゲームを中心に取り上げた商業誌「アミューズメントライフ(AMライフ)」誌上にすすきののゲームセンター特集記事があり、営業当時の貴重な写真が掲載されていました。

 

ナムコの店舗っぽくない入口のアーチや、店内にラウンジが設けられていたとの記述があり、場所柄完全にアダルトな客層を見越しているのですが、それ以上に注目なのが「3時(15時)~翌朝6時」という営業時間。

まだ改正風営法の施行前のため営業時間の制限がなかったことからこのような運営が可能だったのでしょうが、いろいろな意味でナムコロケらしくない店舗だったようです。

 

そして業界紙「ゲームマシン」を検索すると、全国縦断ゲーム場ルポとして1982年のすすきのが取り上げられていました。

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(ゲームマシンアーカイブ、1982年7月1日号より)

 

この時点ではキャロットと同じ住所の富士会館に「ゲームプラザ・ハロウィーン」が入居しており、キャロットになる以前からゲームセンターが存在したことが分かります。

 

つまりキャロットは「ゲームプラザ・ハロウィーン」の居抜きの可能性が高いのですが、ハロウィーン時代の詳細な運営や営業時間等は誌面からは確認出来ませんでした。

 

そして時を経て1986年に再度すすきのが特集されるのですが…

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(ゲームマシンアーカイブ、1986年7月15日号より)

 

1986年7月ではキャロットはおろか富士会館の位置にゲームセンターの表記が無く、この時点で既にキャロットは撤退済であったことが確認出来ます。

 

風営法が1985年2月13日から施行開始されゲームセンターの午前0時以降の営業に規制が掛かると、この立地で0時までに短縮された営業時間では苦戦することは必至だったのではないでしょうか。

短命だったこともあり、AMライフ誌及びベーマガのスコア欄以外では殆どその足跡を辿ることが出来ない店舗となっています。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年4月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年6月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年4月号/トピック店舗:ビッグキャロット静岡東店→プレイシティキャロットアピア店(静岡)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年4月号)

マイコンベーシックマガジン1985年4月号(第4巻第4号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は114店となり、過去最大となりました。

新規掲載店は1店のみとなっています。

 

・その他

ファンフル(群馬県

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マイコンベーシックマガジン 1985年4月号より)

 

群馬県の集計店と言えば過去に高崎市が複数の集計店が存在し脈々と受け継がれていくのですが、一方隣の県都前橋市は集計店が稀少な場所となってしまいました。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年4月】

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マイコンベーシックマガジン 1985年4月号より)

 

今号は7ページの枠内に隙間なく店舗欄があります。

1ページ目6店、2ページ目以降18店×6ページ=108店の合計114店のため、枠内では114という掲載店数が限界であることがわかります。

114を下回るとレポートや挿絵が挿入されて誌面が構成されています。

また今号追加の群馬県「ファンフル」ですが、北海道から順番に掲載されているのに対して札幌市と盛岡市の店舗の間に欄が設けられていますが、この欄は前号まで旭川市の「アドベンチャー」が掲載されていた場所であり、今号から掲載されなくなったためその代替で「ファンフル」が急遽掲載されたことが想像されます。

 

トピック店舗:ビッグキャロット静岡東店→プレイシティキャロットアピア

トピック店舗ですが静岡市内キャロットシリーズとして最後となる「ビッグキャロット静岡東」をピックアップします。

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 (スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年3月号より)

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2021年2月20日撮影

静岡市草薙駅東静岡駅の間、東名高速道路国道1号が交差する場所に「プラザアピア」というパチンコ店のマルハンが運営する大型複合施設があり、その中にキャロットが存在していました。

 

ゼンリン住宅地図 静岡市北部1986年より)

 

1986年の住宅地図を見ると、当時から敷地にパチンコマルハンがありますがフレンドプラザアピアの方が建屋が大きく、こちらが主要施設であったことが分かります。

 

施設は現在も営業していますが、2018年に一度閉鎖して全面建て替えを行っており、2020年5月に再オープンしたばかり。そのためキャロットが存在していた頃とは全く別の施設になっています。

静岡店、両替町店とは異なりここだけは駅から遠かったため現役時代に訪問が叶いませんでした。

 

1984年3月号からハイスコアの掲載が開始されますが、1985年2,3月号と店舗欄が存在せず、今号の1985年4月号は休載表記。翌月の1985年5月号からは店名が「プレイシティキャロットアピア店」に変更されます。

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 (マイコンベーシックマガジン 1985年5月号より)

 

店舗が改装され一時休業し、名称変更と共に再掲載になったと考えれば辻褄が合いますが、誌面に特に改装オープン等の旨は記載されておらず経緯は不明です。

その後ベーシックマガジン1988年10月号まで掲載がされますが、未掲載期間を挟んで1989年5月号に店舗欄復活。その後同じ静岡市内のPCC静岡店との合同集計期間を経て最終的にはゲーメストへの掲載店となりました。

 (ゲーメスト 1998年6月30日号より)

 

確認出来た時点では1998年6月30日号を最後に以降の掲載はベーマガゲーメストを含めてされていないようです。ただ店舗の営業は続いており、前回紹介したナムコPR誌NOURSの「全国ナムコ店舗ガイド」には店舗写真が掲載されています。

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(NOURSバックナンバー No.30 2000年9月号「全国ナムコ店舗ガイド 静岡編」より)

 

また、「プラザアピア」内にはキャロットの他に、「セガ・チャーリーワン」というセガ系店舗も存在していました。1986年の地図に「アメリカンローラー チャーリーワン」という恐らくローラースケート場と思われる施設があり、90年台にそちらを改装してオープンしているようなので、一時期同一施設内にセガナムコの店舗が共存していたようです。そしてその前後でキャロットは店舗面積を縮小している経緯があることをこちらもSPREAM-FKS氏からお伺いしています。

 

90年台にはマルハンセガと組んで、マルハンの複合施設にゲームセンターを複数出店。静岡県ではチャーリーワン以外にも藤枝市セガワールド藤枝駅南が該当しましたが、マルハンの直営店となった後に閉店しており現存しません。

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2021年2月20日撮影

 

現在はパチンコ棟2階にゲーム機が設置されていますが、写真のようにほぼプライズ機のファミリー向け構成となっています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年3月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年5月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年3月号/トピック店舗:プレイシティキャロット両替町店(静岡)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年3月号)

マイコンベーシックマガジン1985年3月号(第4巻第3号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

店舗数は112まで戻りました。新規掲載店は3店あります。

 

ナムコ

ブックセンタースクラム宮城県

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ビッグキャロットTOC店(東京都)

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・その他

サンレジャー荒川沖店(茨城県

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 (マイコンベーシックマガジン 1985年3月号より)

 

TOCとは、五反田駅から徒歩10分弱の場所にある「東京卸売センター」の略。

卸売業者が集まっているビルの1階及び地下1階に店舗や飲食街があり地下1階にナムコがテナントとして存在していました。電波新聞社からは最も近いナムコの店舗だったと思われますが、ハイスコア集計店として当初からエントリーされなかったのは、「卸売業者の集まっているビル内」という店舗の特殊性があったからなのかもしれません。

 

宮城県の「ブックセンタースクラム」の住所である泉市は、現在仙台市に吸収され仙台市泉区となっています。名称からは書店併設のゲームコーナーが連想されますが、店舗名称で検索すると現在のイオングループ障碍者支援事業に行き着きます。

 

また「サンレジャー荒川沖店」は、常磐線荒川沖駅前に存在した長崎屋店内のゲームコーナーだったと思われます。店舗とは無関係ですが長崎屋荒川沖店と言えば2008年の連続通り魔事件が目の前で起きた場所でもあり、事件当時報道機関の映像で長崎屋の建屋が映されていたことが思い返されます。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年3月】

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マイコンベーシックマガジン 1985年3月号より)

 

今月で開催終了となったのは北海道は旭川市の「アドベンチャー」。

1985年1,2月号と店舗欄が無く、今月で再掲載されましたが以後掲載はされませんでした。

 

また、「キャロット・スタンプハイクIN TOKYO」の告知がされています。

都内及び神奈川県の該当店舗を廻ってスタンプを集めると、参加賞や抽選でグッズが当たるというもの。スタンプやシート等のツールが用意されたと思われますが、こういったイベントが当時既に実施出来たのがナムコロケの強味であったと思います。

また対象店舗が19店と記載がありますが、掲載店でそれらしき店舗をカウントしても16店しかありません。誌面に掲載されていない店舗が3店はあったということでしょう。

 

トピック店舗:プレイシティキャロット両替町

トピック店舗ですが、前回に続いて静岡シリーズ。

「プレイシティキャロット両替町店」をピックアップします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より) f:id:annaka-haruna:20210320111323p:plain

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2021年2月20日撮影

 

前回の「プレイシティキャロット静岡店」が面する呉服橋通りの2本隣、両替町通りに面しており両店間の距離は500m程度。徒歩でも10分は掛かりません。

ゼンリン住宅地図 静岡市北部1986年より)

 

1986年の住宅地図ですが、ビル名称は当時から変わっていないことが確認出来ます。

呉服橋通りは商店街で昼間から人通りの多いメインストリートですが、両替町通りは飲み屋街となっておりむしろ夜間に人通りの増える繁華街。ターゲットの客層も異なっていたのでしょうが、近隣のナムコ系店舗でどちらもハイスコア集計を行っていたこともあり、セットとして認識されていたように思います。実際に追ってベーシックマガジン誌上では2店合同集計となった時期もあります。

 

場所は写真のビルの1階、現在居酒屋になっている場所が該当します。一度訪問したことがあり白い建屋だった記憶が残っていたのですが、1階部分はエントランスも含めて改装されており最初はこのビルだと認識できませんでした。2階の飲み屋の住所が一致したため場所を特定出来ています。店内は1フロアのみでしたのでそこまで広くは無かった覚えがあります。

 

ハイスコア集計は確認した時点では1994年2月号まで掲載がされていますが、店舗はその後も営業は続いていました。

ナムコPR誌「NOURS」のバックナンバーに店内写真が掲載されています。

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(NOURSバックナンバー No.30 2000年9月号「全国ナムコ店舗ガイド 静岡編」より)

 

また、以前に店舗の建物2階で火災があり報道されたのですが、その映像で店舗がばっちりと映ったことがあり、たまたまそのニュース映像を見ていたため個人的にはより印象に残っている店舗となっています。(FKS様貴重な情報をありがとうございました)

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年2月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年4月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年2月号/トピック店舗:プレイシティキャロット静岡店(静岡)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年2月号)

マイコンベーシックマガジン1985年2月号(第4巻第2号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総店舗数は107と1店減少。新規掲載も1店に留まります。

 

ナムコ

花小金井キャロットハウス(東京都)

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マイコンベーシックマガジン 1985年1月号より)

 

花小金井西武新宿線高田馬場駅から急行で30分弱、東京都郊外多摩地区の小平市に位置しています。

花小金井駅がある西武新宿線及び池袋線、そしてJR中央線の沿線エリア(新宿区、豊島区、練馬区、中野区、杉並区と多摩地区周辺自治体)は、黎明期から現在に至るまでハイスコア集計店に縁があるエリアで、ベーマガ初回掲載26店に都心部ナムコ系店舗として新宿及び高田馬場、そして西荻窪が登場しますが、追って東久留米(西武池袋線)、今回の花小金井、そして椎名町西武池袋線)とナムコ系店舗の掲載が続きます。

 

面白いのは、新宿や高田馬場のような山手線沿線以外ではどの店舗も微妙に主要駅を外していること。

西荻窪は吉祥寺と荻窪の間ですし、花小金井は田無と小平の間です。東久留米は市の中心駅とは言え隣接する保谷清瀬の方が乗降客数は多く、椎名町は池袋の次の駅です。

学校が近くにある、という訳でもなさそうで、どのような基準でナムコが出店場所を選定していたのかは興味がある所です。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年2月】

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マイコンベーシックマガジン 1985年1月号より)

 

コーナー末尾に「ナムコグッズ販売のお知らせ」の告知があります。

追って全国のナムコ直営店舗で販売され、私も名古屋の星ヶ丘キャロットハウスで手にすることになるナムコグッズの数々ですが、この時期から展開され始めたようです。最初は6店のみの扱いでしたが、ナムコゲーム全盛期における人気とベーマガ誌上における「キャロット」という店舗名の認知向上も相まって全国に販売店が波及することになります。メーカーもゲームファン向けのビジネスに積極的だった時期と言えます。

 

また、休載表記になっている品川区の「ゲームプラザ荏原店」は今号が最後の掲載となりました。1984年8月号からのスタートなので半年程度の掲載期間となります。

こちらの「ゲームプラザ荏原店」の最寄り駅は東急大井町線荏原町駅。追ってハイスコア集計店として全国区の知名度となる「荏原ゲームコーナー」は隣の旗の台駅となっています。一方住所としての「品川区荏原」には「ゲームコーナーニューオリンピア」が存在していますがこちらは武蔵小山駅付近となり、店舗名と位置関係が非常にややこしくなっています。

 

トピック店舗:プレイシティキャロット静岡店

 トピック店舗ですが、引き続きオリジナル26店より静岡県静岡市の「プレイシティキャロット静岡店」を取り上げることにします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より) 

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2021年2月20日撮影

 

JR静岡駅から、静岡市中心街へ通じている呉服橋通りの途中に店舗はありました。

私が以前愛知県に住んでいた時には埼玉へ帰る際に青春18きっぷを多用していたのですが、駅から近かったこともあり途中下車して何回か立ち寄っています。

 

ゼンリン住宅地図 静岡市北部1986年より)

1986年の住宅地図ですが、現在の写真にも写る「金清軒ビル」に隣接していることから、金清軒ビルと駿河屋に挟まれた写真中央の3階が雀荘になっている建屋が該当することが確認出来ます。1,2階フロアがキャロットとして営業されていました。

写真からも分かりますが店舗正面の間口が狭く、その分奥行きが長い店舗でグッズ販売も行っていたカウンターが2階にあったように記憶しています。

現在のビルには3つの店舗入口が存在していますが、キャロット時代は雀荘とキャロットの2つの入口しか無く、キャロット閉店後に2階が別の店舗となり入口が新たに設けられたようです。

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2021年2月20日撮影

 

また店舗正面の通りには地下道も設けられているのですが、地下道から直接キャロットの1階フロアに上がることの出来る階段が設けられていたのが特徴的でした。

 

ゼンリン住宅地図 静岡市北部1986年より)

 

こちらは地下街の見取図ですが、キャロットの場所が明記されています。

現在は100円ショップの更に奥にある居酒屋「徳川さん」の場所が該当しますが、看板で封鎖されておりそこに階段があった形跡を窺い知ることは出来なくなっています。

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階段の該当箇所。こちらの写真はSPREAM-FKS氏からくぼやん氏を通じてご提供頂きました。お二方にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年1月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年3月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年1月号/トピック店舗:ビッグキャロット新橋店(東京)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年1月号)

マイコンベーシックマガジン1985年1月号(第4巻第1号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

これまで「スーパーソフトマガジン」という別冊内にて展開されていたチャレンジハイスコアのコーナーですが、1985年からベーシックマガジン本誌へ吸収されて掲載されるようになりました。

吸収された理由が、当時の書店で「別冊だけ引き抜かれる」行為が多発したためと確か「ALL ABOUT ベーマガ」のイベント内にて語られていたと思います。さもありなん。

 

掲載店総数は108と4店減少しました。新規掲載店は2店あります。

 

・その他

ゲームプラザぱっくんらんど(東京都)

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ゲームプラザとよなか(大阪府

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マイコンベーシックマガジン1985年1月号より)

 

1984年にリリースされたナムコの「パックランド」を彷彿させる東京都北区の「ゲームプラザぱっくんらんど」ですが、UPLが製造販売していたメダルゲームに同一名称のタイトルがあります。

blog.livedoor.jp

UPLは直営ゲームセンターをいくつか運営していたとの情報もあるのですが、場所や店名については資料を得られていません。この店舗がUPLの直営店であるという資料や根拠をご存知の方がいらっしゃれば是非コメントをお寄せ下さい。

 

また豊中市の「ゲームプラザとよなか」ですが、追って名称変更され90年台にはハイスコア界の著名店舗となります。名称変更後の店名を根拠にタイトー系店舗へ分類しています。

ただ初めて誌面に掲載された今号は単発の掲載に留まり、再度誌面に姿を現すのは3年以上先の1988年3月号となっています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年1月】

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マイコンベーシックマガジン1985年1月号より)

 

2ページ目枠外に「ネットワークインタイトー」及び「プレイシティキャロット八戸店」休載の案内があるのですが、両店共にスコアはきちんと掲載されています。店舗名の誤植が疑われます。ちなみに先月掲載されたものの今月休載となっている店舗は旭川市の「アドベンチャー」及び八戸市の「レーサーランド」ですが、次号以降に特に訂正の旨はありませんでした。

 

また、前号及び前々号と店舗欄が存在しなかった「高崎キャロットハウス」。

今月休載表記とは言え店舗欄が復活しますが、結局掲載はこの号が最後となりました。ナムコ系ロケーションとしては4件目、オリジナル26店では初の掲載ストップとなっています。

 

トピック店舗:ビッグキャロット新橋店

トピックは前回の新宿に引き続き、東京都区内のベーマガ初回掲載26店の中から、「ビッグキャロット新橋店」を取り上げます。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2021年3月13日撮影

 

新橋という場所でイメージされるのは、駅前のSL広場前でテレビのインタビューを受けるサラリーマンの姿ですが、そのSL広場に面した通りを挟んで真向かいにナムコのキャロットがあった、といってもキャロットの持っている店舗の雰囲気や客層が新橋という場所とあまりマッチしないのが80年台ゲーマーの感想なのではないでしょうか。

ゼンリン住宅地図 東京都港区1985年より)

1985年の住宅地図ですが、「サンスタービル」という名称は確認出来ないもののキャロットの表記があることを確認しています。写真のプロントの位置で、中2階及び地下1階がキャロットのフロアだったようです。

 

プロント店内を窺うと、自動ドアから連続して店内が数段高くなっており、また地下への階段も確認出来るため、プロントの場所そのままで間違いないようです。

 

「ゲームマシン」誌の1985年10月15日号に、当時の店内写真の掲載がありました。

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(ビッグキャロット新橋店 地下1階の当時の様子)

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(こちらは中2階の様子 ゲームマシンアーカイブ 1985年10月15日号より)

 

当時の写真でも店内のサラリーマン風な客層の姿が目立ちます。

誌面上では当時の店長のインタビューも掲載されており、当初からコンセプトはサラリーマンがメインのアダルト志向で、以前はメダルゲームも設置されていたが今後再設置も検討する主旨の回答がなされています。ハイスコア集計店として掲載はされていたものの、立地的な特性からあまり当時のゲームファン層に対して積極的に訴求する店舗ではなかったと思われます。

そのため、ハイスコア掲載は1986年3月号までの2年程度でストップしました。1988年の東京CARROT MAPには店舗が掲載されているため、営業は集計中止後も継続していたようです。

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2021年3月13日撮影

 

そして新橋のゲームセンターと言えば忘れてはならないのが「ニュー新橋ビル」の存在。以前紹介した大阪駅前第〇ビルと同様の等価交換による再開発ビルで、こちらもビル内に多数のゲームセンターが存在していたことで有名でした。

 

ゲームマシン誌上の新橋特集記事では、全盛期に近い頃のビル内ゲームセンター密集具合を窺うことが出来ます。

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(ゲームマシンアーカイブ 1985年10月15日号より)

 

キャロットと高架下の1店以外は全てビル内に集中しています。

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2021年3月13日撮影

 

しかし2021年現在残っている店舗は2店のみ。しかも建て替え計画があるためビル自体の余命も迫っています。ゲームセンターの閉店も続出しているため目に焼き付けておきたい方は早めの訪問をお薦めします。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年12月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年12月号/トピック店舗:プレイシティキャロット新宿店、一番街店(東京)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1984年12月号)

スーパーソフトマガジン(ベーシックマガジン別冊付録)1984年12月号(第3巻第12号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店舗数は112と10月号の数字に戻したのですが、新規掲載店は以下1店に留まっています。

 

ナムコ

プレイシティキャロットなんば店(大阪府

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年12月号より)

 

既に掲載店となっている「なんばCITYビッグキャロット」とはその距離500m程度。「プレイシティキャロット道頓堀店」からは更に近い300m程度に位置していたことがマップからわかります。当時はまだナムコも都市型店舗として「キャロット」を積極的に展開していた時期だったと想像出来ます。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1984年12月】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年12月号より)

 

ナムコ系店舗においては予告された「ビッグキャロットすみのえ」以外に掲載停止は出ていませんでしたが、長崎県の「ゲームスペースサンデー」が今号を持って掲載が終了、及び鹿児島の「ヤング・タウン」は今号休載表記で次号以降復活せずフェードアウト。ナムコ系での掲載離脱は合計3店となりました。しかしゲームスペースサンデーはゲーメスト創刊号にてスコア集計が開始されるとそちらで掲載が再開されるに至ります。

 

またメーカー系列に属さない集計店で最初に掲載された2店のうち、葛飾区堀切の「ゲームセンターフェニックス」は今号で最後となりました。これまで休載は一度も無く、また最初に手を挙げているということは誌面への掲載に意欲的なお店だったと思われるのですが…
また広島の「鯉城」は10月号以降今号まで3回連続で休載となり次月から姿を消します。こちらは掲載停止は寧ろ時間の問題だったと言えます。

それにしても「鯉城」という店舗名、広島らしいと言えばそうですがゲームセンターの名称までカープになるんですね。

 

トピック店舗:プレイシティキャロット新宿店・一番街店

トピック店舗ですが、初回掲載26店に戻って「プレイシティキャロット新宿店」「プレイシティキャロット一番街店」の双方をまとめてピックアップします。

 

【プレイシティキャロット新宿店】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2021年1月10日撮影

 

【プレイシティキャロット一番街店】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2021年1月10日撮影

 

両店の地図は同位置同縮尺なのですがその距離は200m足らず。靖国通りを挟んで新宿東口に2件のキャロットが存在していました。両店ともベーシックマガジン初回ハイスコア集計から名を連ねた歴史ある店舗です。

ゼンリン住宅地図 新宿区1985年より)

 

2店の距離感はこんな感じです。

流石に東京都心部はビルが多すぎて住宅地図と言えども全ては網羅されておらず、テナント一覧が無いため住所からプロットしています。一番街店の「アツミビル」名称は確認出来ますね。

 

業界紙「ゲームマシン」において、1985年当時の店舗外観や店内の様子を写した記事がありましたので、以下2店分を抜粋します。

 

「プレイシティキャロット新宿店」 

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店舗外装及び1階フロアの様子。2階のダッキーダックは昔から変わっていないようです。

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地下1階フロア内部。

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マップ及び周辺店舗データ

(いずれもゲームマシンアーカイブ 1985年5月15日号より)

 

「プレイシティキャロット一番街店」

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 店内の様子。こちらは外観写真はありませんでした。1,2階を店舗が占めていたようです。

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マップ及び周辺店舗データ

(いずれもゲームマシンアーカイブ 1985年4月1日号より)

 

新宿という場所柄、繁華街型店舗としてヤングアダルト層をメインターゲットとしており、周辺に林立する他店との差別化のため白を基調とした明るい内装と、ハイスコア集計のようなゲームファン向けサービスを推進していたことが伺えます。

 

ただ傾向が類似した店舗を近隣で2店並立して運営することが難しかったのか、一番街店については1985年7月号で店舗欄の掲載はストップ。新宿店にリソースを集中させる方策を取ったのでしょうか。

その後新宿店はゲームブティック高田馬場やプレイシティキャロット巣鴨店と並んで80年台における東京地域の代表的ナムコロケとしてゲームファンの間で語り継がれることになります。

igcc.jp

「ゲーム文化保存研究所」サイト内の記事「ゲームセンター聖地巡礼」にも新宿キャロットが取り上げられています。新製品のロケテストなども実施されていたようです。

 

しかし90年台に突入し、ナムコのゲームファンに対するスタンスが変化してきた影響を受けたのか、ベーシックマガジンへのハイスコア集計は1991年1月号を最後にストップしました。店舗はその後も営業は続けられていましたが、聖地的なカリスマ性のある店舗からは遠ざかってしまったようです。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年11月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年11月号/トピック店舗:ゲームコーナーロン(北海道)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1984年11月号)

スーパーソフトマガジン(ベーシックマガジン別冊付録)1984年11月号(第3巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は110。コーナー開始以来増加が続いていた店舗数が初めて減少しました。

スコア欄を確認すると判りますが、チャレンジハイスコアの紙面は装丁に変更が無ければこの頃は7ページと尺が決まっていたようで、その枠内に収めることが可能な店舗数が最大とならざるを得なかったことが窺えます。雑誌媒体の宿命ですね。

 

新規掲載店は4店あります。

 

ナムコ

カミーノ古町プレイハウス(新潟県

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・その他

ゲームコーナーロン(北海道)

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バンダナ元町店(福井県

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ビデオインJOY(兵庫県

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年11月号より)

 

新潟市のカミーノ古町プレイハウスは、中心商業地の複合商業ビル内の店舗だったようです。名称からはナムコ系と判別出来ないのですが、店内でNG(ナムコミニコミ誌)が配布されていたという情報を根拠にナムコ系店舗へ分類しました。

ゲームスペースミライヤもそうですが、この時期のナムコは商業施設内店舗には「キャロット」の名称を極力付さないルールがあったように思います。

 

また、新規掲載店についてはこれまでが関東、関西の大都市圏に集中していることを是正するため、地方店舗の掲載が増加してきます。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1984年11月】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年11月号より)

 

通信欄である「GAME OVERコーナー」は、この名称にて掲載されたのは今回で最後となっています。全国各地の店舗からミニコミ誌やお便りが編集部に多数届けられていたことに時代を感じます。

 

トピック店舗:ゲームコーナーロン

そして今月のトピック店舗はいきなり北海道へ。

今号から掲載が開始された札幌市の「ゲームコーナーロン」を取り上げます。

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 (スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年11月号より)

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2020年9月21日撮影

 

ハイスコア集計店の跡地を巡っていると、「本当にこの場所で間違いない?」と思う場所に出くわすことが結構ありますが、こちらもなかなかにその条件を満たしています。

住所は新琴似ですが、JR札沼線新琴似駅から徒歩で向かうと20分位は掛かると思います。地下鉄麻布駅からバスで行くのが最も確実ですが、目の前にあるバス停に直接辿り着ける路線は1時間に2本程度しかありません。

碁盤目状に整備された旧屯田兵村が由来の住宅地の真ん中にあり、住所の場所は今や完全に普通の住宅で、ここに以前ゲームセンターが存在していたとはとても思えない閑静な場所となっています。

ゼンリン住宅地図 札幌市北区1985年より)

1985年の地図を見ても、バス停付近に若干の店舗が存在する以外は周囲は殆どが宅地であることが分かります。

 

ベーシックマガジンには今号(1984年11月号)から掲載が開始されました。追ってゲーメストにも集計2回目の1986年11月号から登場しダブル掲載店舗となります。

ゲーメストの店舗紹介ページ(シールハイク)に、当時の写真が掲載された記事が残っていました。

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ゲーメスト 1988年5月号より)

 

場所や客層は完全に駄菓子屋チックだったようですが、ダライアスも含めて大型筐体も設置されていたようで、駄菓子屋ゲーセンと呼ぶには失礼な製品ラインアップや店内の様子が写真から伺えます。

 

ちょうど今年3月まで小樽文学館で開催されている「札幌・小樽ゲーセン物語展」と連動した「札幌・小樽ゲーセン情報リスト」にリストアップされているので転載します。

seesaawiki.jp

 

掲載は1989年10月号まで約5年継続しました。チャレンジハイスコアのチャレハイ通信欄に以下のメッセージが残っており、純粋に閉店による掲載終了だったようです。

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マイコンベーシックマガジン 1989年10月号より)


ゲーメストのスコア集計も同じく1989年10月号にて終了していることを確認しています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年10月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年10月号/トピック店舗:ゲームスペースミライヤ(東京)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1984年10月号)

スーパーソフトマガジン(ベーシックマガジン別冊付録)1984年10月号(第3巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載店数は112店となりました。9月号の108店から微増し増加傾向は継続したものの、以後の掲載店総数はおおよそ100~110前後で推移するため、この辺りで掲載店数はほぼ上限に達したようです。

 

新規掲載店は以下となります。

 

ナムコ

プレイシティキャロット巣鴨店(東京都)

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・その他

Y・Pエンゼル(岐阜県

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ビデオインマツヤ丸太町店(京都府

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年10月号より)

 

80年台後半以降、全国のハイスコア集計店におけるいわば「頂点」として君臨したプレイシティキャロット巣鴨店がこの号で初めて誌面に登場しました。

巣鴨と聞くと一般の方は、地蔵通り商店街に代表される「おばあちゃんの原宿」をイメージすると思いますが、この店舗の存在によって古のゲーマーにとっては「ハイスコアラーの聖地」として記憶されることになります。

  

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1984年10月】

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年10月号より)

 

掲載店舗の増加に比例して休載表記や店舗欄未掲載が垣間見えるようになります。

当号では埼玉県の「マックスゲームセンター」および「セントラルパークPART-2」の2店が休載の後、翌11月号以降は掲載がされなくなります。

やはり休載が多い店舗は管理が行き届いていないためなのか、早々に掲載店から姿を消す傾向が強いようです。

 

トピック店舗:ゲームスペースミライヤ

トピック店舗ですが、チャレンジハイスコア初回掲載26店から、大田区蒲田の「ゲームスペースミライヤ」をピックアップします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2021年1月17日撮影

 

蒲田と言えば、当時のナムコ本社は蒲田から東急目蒲線(現在の東急多摩川線)で隣の駅、矢口渡が最寄りでいわば「お膝元」の場所です。

東急のホームがある蒲田駅西口を出ると、北側に1枚目写真のドン・キホーテ蒲田駅前店が営業していますが、かつてこの建物は丸井蒲田店でした。その丸井の地下1階にナムコがオープンさせたゲームセンターがこの「ゲームスペースミライヤ」です。

ゼンリン住宅地図 東京都大田区1985年より)

1985年当時の地図では丸井が確認出来ますが、テナント一覧は記載がなかったためミライヤの名称は確認出来ませんでした。

 

当時のナムコは、商業施設内店舗の「ナムコランド」と、都市型単独店舗の「キャロット」の2つのブランド名でゲームセンター展開を行っていましたが、それに次ぐロケーション形態の試金石としてミライヤを位置付けていたようです。近未来型の内装を施して従来店舗と差別化を図っていました。

当時の入口や店内の様子が紹介されています。逆L字型の入口看板にわずかに当時の面影を残しています。また地下への階段にはエスカレーターが設置されていたことが確認できますが現在は撤去されており、階段部の天井が不自然に半分だけ高さが異なっているのはエスカレーターの名残のようです。

 

階段を降りると現在は正面に居酒屋のテング酒場、右側にサイゼリヤが入居していますが、テング酒場の場所がミライヤであったことが確認出来ます。

実験店舗だけあって店舗オリジナルのパンフレットも用意されていたようです。

 

オープン当時はナムコゲームの黄金期であったことも手伝いかなり話題となっていました。私もそうですが、実際にミライヤへ行ったことはなくとも店舗名だけは知っていたというゲーマーも多かったのではないでしょうか。

 

しかしナムコはこのミライヤのパッケージを全国展開することはしませんでした。

元々試験店舗という割り切りだったのでしょうか、オープンから3年程度の1985年7月には店舗をクローズしていたようで、ベーシックマガジンへのハイスコア掲載もそこでストップしています。場所も良かったので通常のキャロットへ転換して営業を続けるという方法もあったと思いますが、敢えてそうしなかったのは何か理由があってのことだったのでしょう。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1984年9月号

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