小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その5

(その4より)

 

「攻略法」までは至りませんが、ゲームを進めるにあたって非常に有利になる裏技が3つ存在します。順に説明します。

 

1. 12ライン全てに何らかの役を完成させる

 

【画像①】

画像①のように、縦横斜め12ライン全てに何らかの役を完成させクリアすると、次の面でボーナスラインが発生します。

 

【画像②】

 

おみくじは2面クリアで初めて引けるため、通常では1面、2面ではボーナスラインは発生しないのですが、1面を全ライン役でクリアすることで2面からボーナスラインを出現させたのが画像②です。

 

3面以降はおみくじでボーナスラインが発生するので利用価値は下がるのですが、偶数面で条件を満たしておけばおみくじのはずれを無効化出来ます。また達成時は必ずボーナスラインが2本ないし3本発生することから、ボーナスラインが1本しか出現しないという状況を回避することが出来ます。

 

問題はオールラインを狙うと役の優劣よりもともかく役を作ることを重視しなければならないため、必然的に素点が低くなること。

そのため、確実にクリア可能となった時点からオールラインを組むことが可能かどうか思慮するようにしましょう。

 

2.琉球カードをセンターに設置する

 

琉球カードは有効ラインが4本となるフィールド中央への設置が理想とその4にて解説しましたが、設置することにより大きな副次的効果が得られます。

 

【画像➂】

琉球カードをセンターに設置してクリア

 

【画像④】

「副次的効果」が現れた次の面です。違いが分かりますか?

場所はLEFT CARD欄です。拡大します。

 

【画像⑤】

ストックカード最右列の色が微妙に異なっているのが分かると思います。

隣接部分を更に抽出します。

 

【画像⑥】

この色が変わっているストック列には琉球カードが含まれています。つまり、琉球カードをセンターに設置してクリアすることで次の面の琉球カードの所在列が分かるようになります。

ただ、分かるのは列までであり、列内のどの場所にあるかまでは判断出来ません。もっともストックは最大で14枚のため、列の最後尾が琉球カードだったとしても14枚掘れば辿り着くことが出来ます。

フィールド設置枚数は25枚ですから、最大14枚であれば毎回琉球カードを掘り出すことは十分可能です。そして掘った琉球カードを再度中央に設置すれば…

 

このネタは初めてこのゲームを1コインでクリアしたSALさんよりご教示頂きました。

この場にて改めて御礼申し上げます。

 

3.同一数字のカードを四隅に設置する

 

そして最も破壊力があるネタがこちらです。

 

【画像⑦】

フィールドの四隅に同じ数字(画像⑦の場合は10)を置いてクリアします。

 

【画像⑧】

ボーナスラインが出現しますが…

 

【画像⑨】

なんと全ライン2倍!

 

【同一数字を配置する場所】

改めて、上記図の色付けした位置を同じ数字のカードにしてクリアすると、次の面は12ライン全てがボーナスラインとなります。

偶数面で成立した場合はおみくじを引きますが、はずれを含めてどの絵柄であろうが問答無用で次の面は全ライン2倍です。

画像⑦では偶々12ライン全てに役が揃っているためこちらの条件も満たしていますが、12ライン揃っていなくても四隅の条件さえ満足していれば成立します。

 

まさに最強の裏技で、前述の2項と併せて1コイン20面クリア達成に大きく寄与することになりますが、破壊力が大きいだけに以下理由により成立が困難になっています。

 

まず、同一数字のカードが4枚現れない可能性が高いこと。

下段の2枚を設置して、3枚目までは出現したものの4枚目が最後まで出現せず成立しない、選択した数字と別の数字が4枚出現したが既に手遅れ、といった状況が頻発するためなかなか条件を達成させてもらえません。

 

また素点が下がるという問題もあります。

その4でも述べましたが、ペア系の役はストレート系と比べて素点が低くなります。そして四隅を同一数字とすることは、12ライン中6ラインで既にワンペアが成立しているため、必然的にストレート系の役を作れるラインは半数しか残っていないことになります。

そのため四隅に配置できてもそもそもステージクリアが出来なかった、ということも十分起こり得るのです。

 

ちなみに四隅に琉球カードを含めても条件が成立するかを試したことがありますが、残念ながらそれは否定されています。

 

四隅配置クリアが継続しているうちは良いのですが、途中で2倍が途切れるタイミングは間違いなくやってきます。その際でもステージクリアの可能性を探るべく、その4で説明している基本的なカード配置ノウハウを把握した上で臨むようにしましょう。

今から「このゲームをクリアしよう」という奇特な方がいらっしゃればの話ですが…

 

その6へ続きます。

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その4

(その3より)

 

今回は「攻略編」ですが、思考型パズルゲームのため攻略法やパターンといったものは存在しません。

運ゲー」と言われれば確かにそうなのですが、少しでも運の要素を排して安定して先の面に進めるようになるための基本的考え方を以下3点紹介します。

 

1.狙う役は「ストレートフラッシュ」と「フルハウス

 

ネクストカードを見つつ揃えられそうな役を手当たり次第に揃えるやり方では、5面(ノルマ10,000点)あたりから先の面に進むことが厳しくなってきます。

高次面に進むためには、見えているネクストカードから高得点役を含んだある程度の完成形を意識する必要があります。その際に目標とすべき役が「ストレートフラッシュ」と「フルハウス」の2種類です。

 

【ストレートフラッシュ】

同一スート(絵柄)で5枚連続した数字の並び。得点が2,400点のためボーナスラインで完成させれば4,800点と10,000点のノルマであれば既に半分弱をクリアできます。

この役が重要なのは「完成出来ない場合のリスク回避がし易い」こと。

ツモが悪くあと1枚で役を揃えられない場合、ストレートフラッシュ狙いであればストレート、もしくはフラッシュを揃えることである程度ロスをリカバー出来ます。

A~10で構成されるロイヤルストレートフラッシュであれば得点は2,800点になりますが、ストレートフラッシュの延長と捉えばよく、役そのものを狙う必要はありません。

 

フルハウス

スリーカード+ワンペアのセット。得点は1,800点とストレートフラッシュよりは低いですが、ペア系の役ではスリーカードの800点から一気に上乗せされるため点効率が良い役です。

フォーカードまで持っていくと2,000点となりますが、フルハウスと200点の差異しかないため、フォーカードを構成する1枚を別のラインに使用して役のレベルアップを図った方が総点数が高くなる状況は頻繁に起こります。注意すべきポイントです。

 

ポーカーのミニマム役がワンペアのため、役が揃わないリスクが先行してペア系の役を揃えたくなるのですが、ラインに1つでもペアを作った時点でストレート、フラッシュ系の役を揃える可能性が潰えます。素点が高いストレート系の役を意識することでステージクリアの可能性は飛躍的に高まります。

 

2.完成形の考え方

 

1項で「完成形を意識する」必要があると述べましたが、完成形を想像するにあたり「どのラインに何の役を揃えるのか」を見えているカードやボーナスラインの位置で判断する必要があります。

 

その際の考え方は「早く完成可能なラインは横、ツモ期待に賭けるラインは縦(斜め)に作成する」が基本です。

カードは下段から順次積み上げられるため、カード待ちで下段を空けていると徐々にカードを置ける場所の選択肢が狭まってきます。縦もしくは斜めラインであればカードをめくれる回数が増えるため役を完成できる期待値が高くなります。

 

また、特にボーナスラインが縦と横でクロスしている場合、それぞれにどの役を作るのが良いかを考える必要が出てきます。

【図①】

例として図①のようなボーナスラインの配置(赤枠:左から2行目と下から2列目)だったとします。

 

【図②】

この2ライン共にストレートフラッシュで揃えようとすると、図②のようなカード配置になります。

これを揃えることは必ずしも不可能ではありませんが、連続した同一スートが9枚以上出現し且つ目的の場所に落とすことが出来る状況は非常に稀です。

 

【図➂】

そのため、クロスしているボーナスラインを有効に活用する場合には図➂のようなストレートフラッシュとフルハウスのような組み合わせとすれば比較的組み立てやすく、また使用できるカードの幅も拡がります。

 

【図④】

また、同一数字が4枚使用出来るとどうしても一直線に並べてフォーカードを狙いたくなるのですが、上記で解説した「フォーカードを構成する1枚を別のラインに使用して役のレベルアップを図る」ひとつの例として図④を提示しておきます。無数に応用が効くので意識することでカードを効率的に使用できるようになると思います。

3.琉球カードのポジショニング

常に使用できるとは限らないオールマイティの琉球カード。

しかし使用出来れば一気に展開が楽になります。

琉球カードを使用することを前提に完成形を組むことは、出現しなかった場合に致命傷となるため基本はしませんが、面の早い段階で出現した場合は効率的に琉球カード使用することを考慮に入れなければなりません。

以下の2点を意識すれば琉球カードの置き場所はスムーズに決定できます。

 

・ボーナスラインがクロスしている箇所

ボーナスラインがクロスしている場合、例えば上記図①のようにそれぞれストレートフラッシュを作成することは容易ではありませんが、クロスしている場所に琉球カードを設置出来れば全く異なるスート、数字で2種類のストレートフラッシュを組むことも可能となってきます。

 

【図⑤】

【図⑥】

ボーナスラインでストレートフラッシュ2本は破壊力がありますが、図⑥のように組めばツーペア400点が一気にフルハウス1,800点に化けます。

理想形は大事ですが、見えているカードから確実に高得点を作り出す方法も意識するようにしましょう。

 

・有効ライン数を優先する

カードは置く場所により以下3種類の有効ライン数に分類されます。

【2ライン:16箇所】

【3ライン:8箇所】

【4ライン:1箇所】

ボーナスラインの位置を考慮しないのであれば、琉球カードは縦横2ラインしか有効とならない場所よりは3ライン有効となる斜めライン上、そして4ラインが有効となるフィールド中央への設置が理想となります。

 

その5へ続きます。

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その3

(その2より)

続いてゲーム進行において説明を要するギミックについて説明します。

 

1.琉球カード

オールマイティカード。ストック53枚の中に必ず1枚含まれています。

 

メダルゲームのドローポーカーにおけるJOKERと同じ効果で、カードを置いた場所の有効ライン全てで効果があります。最高得点役のファイブカードはこのカード込みでないと作成することが出来ません。

画像では左下隅が琉球カードですが、カードが含まれる縦ラインはAのフォーカード、横ラインはクラブのロイヤルストレートフラッシュ、斜めは同じくクラブのストレートフラッシュとして判定されていることが分かります。

カードは53枚中25枚しか使用しないため、琉球カードを25枚に含むことが出来るかどうかでステージクリアの可能性は大きく変わってきます。

 

2.ボーナスライン

ゲームを進めていると、画像のように有効ラインが点滅していることがあります。

このラインは「ボーナスライン」で、完成させた役は点数が2倍となります。

上記では、横ラインの上から2,3列目と、縦ラインの左から4列目が該当します。

 

その面にボーナスラインが現れているかどうかは、ラウンド最初のクリアーポイント表示の際に「ボーナスライン[×2]」の表示があることで確認出来ます。

特に高次面においては、ボーナスラインにいかに高得点の役を完成させるかがクリアの成否を左右します。

 

3.琉球おみくじ

偶数面をクリアすると、「琉球おみくじ」を引くことが出来ます。

選択するカーソルは自動で動いているので、ボタンを押してくじ16枚から決定。

開いた時の絵柄により次面から以下の特典が得られます。

 

【雀】

400点+ボーナスライン発生

 

【玄】

800点+ボーナスライン発生

 

【虎】

1200点+ボーナスライン発生

 

【鳳】

1600点+ボーナスライン発生

 

【龍】

2000点+ボーナスライン発生

 

上記5絵柄は、表示されたボーナス得点が次の面のクリアポイントから減点され、かつ1~3本のボーナスラインがランダムで発生します。

ボーナスラインについては以降2面分発生するのが基本(例:2面クリアでおみくじを引くと4面まで)ですが、ごくまれに次の偶数面でボーナスラインが発生しないことがあります。

また、引いた直後の面のボーナスライン本数は1~3本ですが、2面後においては最低2本は発生しており1本しか発生しないという状況は確認されていません。

くじを引いた時に現れる文字の内容で出現するボーナスラインの本数等は決まっているのかもしれませんが、そこまで調査するには至っていません。

 

【獅】

この絵柄だけが特殊となっており、効果は以下の3種類に分類されます。

 

・太鼓

1000点+ボーナスライン発生

この場合のみ次の面のボーナスラインは「全ラインor1ライン」となります。どちらが選択されるかはランダムのようです。

 

・シーサー(単独)

3000点+ボーナスライン発生

 

・シーサー(2匹)

6000点+ボーナスライン発生

 

シーサーは3000or6000点と高いノルマダウン効果が得られます。ボーナスライン発生条件は通常5絵柄と同様のようです。

 

 

【はずれ】

はずれ。ノルマ減点もボーナスラインも発生しません。

ボーナスラインが発生しない(しかも以降2面分)という状況はこのゲームにとっては致命的で、6面あたりまでの序盤であればリカバーが効くこともありますが、高次面で引いたらほぼ死刑宣告となります。

今のところ14面クリア時まで出現が目撃されています。16,18面クリア時に出現するのかどうかは不明。

また「はずれは最大2枚まで」と解説されていたブログがありましたが、3枚出現した状況を確認しているためその可能性は打ち消されています。

 

またコンティニューをした際におみくじを引くことが出来ます。この時は流石にはずれは出現しないようです。

 

次回からはゲームの基本的攻略法に移ります。

(その4へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その2

(その1より)

続いてゲーム内容の説明です。

 

1.基本ルール

トランプのカード(♠、♣、♦、♥各13枚および琉球カード1枚の合計53枚)を、フィールドの5×5マスに落とし、縦・横各5ライン、斜め2ラインの計12ラインにポーカーの役を作ります。

 

【横:5ライン】

【縦:5ライン】

【斜め:2ライン】

 

2.基本操作及びストックカー

操作は

①レバーでカーソルを動かしストック4列からカードを選択

②決定ボタンで選択したカードをピックアップ

➂再度レバーでカードを落とす列を5列から選び、決定ボタンで落とす

落としたカードは下から順に積み上げられて行きます。

 

ストック列は各3枚までネクストカードが表示されていますが、①で選択可能なカードは下記画像の赤枠で囲った最下段の4枚のみです。

【選択可能なカード】

②の動作でカードを選択すると、その列最上段に新たなネクストカードが1枚出現するので、見えているカードは列のストックを使い切らなければ常に12枚となります。

 

各ストック列の残カードは、画面右側の「LEFT CARD」にて把握することが出来ます。

【ストック数(LEFT CARD)】

既に画面に表示されている各列最下段3枚はLEFT CARDには含まれません。上の画像では2,4列目のストックが上限となっており、これで11枚+見えている3枚で列の最大は14枚、各列のストック枚数は左から12,14,13,14で合計53枚のカードが割り振られていることとなります。

 

3.得点及びクリアポイント

カードをフィールドに落とし、該当12ラインにポーカーの役が揃えば得点となります。

【カード役及び得点一覧】

5カードが3,000点と最も高得点の役となりますが、当然ながら同一数字のカードは4枚しかないためオールマイティの琉球カード込みが必須条件となります。その他は通常のポーカー役と変わりはありません。

注意してほしいのは、ストレートとフラッシュの役の強さが通常と逆となっていること。本来のポーカーではフラッシュ>ストレートなのですが、琉球においてはストレート1,400点に対してフラッシュが1,000点のためフラッシュ<ストレートとなっています。点数で覚えてしまうためゲームへの影響は少ないのですが、違和感を覚える部分ではあります。

 

こうして53枚中25枚のカードをフィールドに落として完成した12ラインの役の点数の合計がクリアポイントを上回ればステージクリアとなります。

クリアポイント、及びステージ中のトータルポイントは画面左上に表示されています。

【クリアポイント】

 

各面のクリアポイントは以下となります。

【クリアポイント一覧】

注)琉面=19面 球面=20面

 

4.タイマー及びキャンセル

画面右上にはカードを一手戻せるキャンセルの残回数、及びタイマー表示があります。

キャンセルはゲームスタート時には3回分付与されており、シーサーが残数を表しています。カードをピックアップしている状態であればピックアップしたカードが元のストックの列へ、ピックアップしていない状態ならば直前にフィールドに落としたカードが同じく元のストック列へ戻されます。

 

スコア10,000点毎に1回の回復がありますが、残数は3回を超えることはありません。

 

このキャンセルのシーサー、よく見ると「見ざる、言わざる、聞かざる」のポーズしてるんですよね。芸が細かいですが琉球日光東照宮は全く関係ないような…

 

タイマーはゲームスタートからカウントが開始され、カードを落とす/キャンセルを使用するとゲージがフルに戻ります。ゲージは1目盛につき2秒で15ゲージのため1手の持ち時間は30秒となります。

ゲージが0になると、

・カードをピックアップしている場合:選択された列にカードを落とします。

・カードをピックアップしていない場合:カーソル位置のカードをピックアップし、若干の間を置いたうえで選択された列にカードを落とします。ピックアップしてから落とすまでの間にカード落下列を動かすことが出来ます。

 

5.クリアボーナス

各面は完成させた役の点数が加算されるのみのため、クリアボーナスについて解説します。

【EXTEND BONUS】

ステージクリアした際に、クリアポイントを上回った点数について得られるボーナスです。

例)クリアポイント6,000点、ステージクリア時のトータルスコアが8,000点の場合、クリアポイント超過分2,000点がEXTEND BONUSとなります。

 

【TIME BONUS】

残り時間に対して加算されるボーナス。

画面に残り時間は表示されませんが、前述のように1手あたりの制限時間は30秒、カード設置枚数が25枚のため、30×25=750秒からステージ開始と共に減算され、クリア時の残りタイム×10点として計算されていると思われます。

全てのカードを制限時間30秒一杯で選択しクリアした際には0点となったことを確認しています。

 

【CANCEL BONUS】

残りキャンセル回数×800点が加算されます。

 

基本的な操作、得点システムの紹介は以上となります。

(その3へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その1

月刊アルカディアの休刊後、アーケードゲームのハイスコア集計はJHA(日本ハイスコア協会)のサイトにて継続されていますが、2021年10月17日付及び2023年1月15日付の集計にて全国トップを記録することが出来ました。

 

手前味噌ではありますが、トップを記念して該当タイトル「琉球」を取り上げることにします。

セガ/サクセス 1990年発売

 

最初の2021年10月17日付の集計は自身にとってゲーメスト1994年6月30日号以来、実に27年振りの全国トップとなっています。

www.jha-arcade.com

docs.google.com

ハイスコア:530,660(20面)

 

これ以前のスコアは、ゲーメスト1996年1月30日/2月15日号に掲載された「497,230(20面)」だったため、25年に渡り更新がされていなかったということになります。

ゲーメスト 1996年1月30日/2月15日号より)

 

このゲームは全20面なのですが、1996年当時のハイスコアは「20面」の表記であり「20面クリア」ないし「全面クリア」の表記はどこにもありません。そのため「20面はクリアされていない」という前提で申請しており、私のスコアも20面をクリア出来ていません。

 

その後、2022年7月18日付の集計にて、別のプレイヤーから遂に全20面をクリアしたスコアが申請されます。ハイスコア的には1990年の発売から2022年まで実に32年間「1コインクリアが達成されていない」ゲームだったのですが、その壁が打ち破られることとなりました。

個人的には初の1コイン全面クリアを目標としていたのですが、惜しくもそちらは達成ならず。せめて1コインクリア程度はと続行し、2023年1月15日付にて1コインクリア達成及びスコアの更新に至ったという経緯です。

docs.google.com

ハイスコア:581,750(全20面クリア)

 

2022年4月25日撮影

 

スコアを申請した某店には現時点で写真の状況で設置されています。まあ基板は私の持ち込みなので「もう引いて下さい」とお願いしなければ残して頂けるとは思いますが。インストは所持していなかったのですがなんと店長が入手して下さいました。感謝です。

スピーカーに付いているシーサーはリアル沖縄にて購入し、運気が上がるお守りとして取り付けております。

店舗に設置頂いた際、常連の名だたるスコアラーの方々でもこのゲームの存在をご存じなく、「初めて見た」という感想が殆どでした。アーケードゲームとしては非常にマイナーな部類に属すると思います。

 

(画像は http://blog.livedoor.jp/t198x_2/archives/40166000.html より拝借しました)

 

さてこのゲーム、内容はパズルゲームとなります。

インストラクションカードの「琉球ルール」にあるように、5×5マスのフィールドにトランプのカードを下段から積み上げて行き、縦横各5ライン、斜め2ラインの合計12ラインにポーカーの役を作ります。

実際のポーカー同様に役の難易度で素点があり、12ラインの点数合計が各面毎のクリアノルマを超えれば面クリアとなります。

操作はカード選択のレバーとカード決定及びキャンセルの2ボタン。アクションパズルではなく典型的な思考系パズルゲームのため、操作時間よりも思考時間の方が圧倒的に長く、ゲームを終了すると極度の疲労感と糖分の不足に見舞われることになります。

 

次回はゲームの遊び方について詳細をご紹介します。

(その2へ続きます)

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト(マイコンベーシックマガジン1990年12月号)

マイコンベーシックマガジン1990年12月号(第9巻第12号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は92で先月比-5と減少幅が大きくなっています。これで3か月連続で100店を割り込みかつ減少に歯止めが掛かっておらず、最終頁の空欄が非常に目立つ結果となっています。

新規掲載は先月同様に1店確認されています。

 

・サミーハウス(長崎県

マイコンベーシックマガジン 1990年12月号より)

 

ゲーメスト1990年10月号における新規掲載店の一つで、今号よりベーマガにも掲載されダブル掲載店となっています。

島原市は人口4万程度の街ですが、このお店が掲載されて以降ハイスコア文化が根付いたのか長期に渡り掲載店が存在する地域になります。

 

以下スコア欄となります。

マイコンベーシックマガジン 1990年12月号より)

 

チャレハイ通信の「タイトーイン002スタジアム」の欄に気になる記述を発見!

ダライアス3画面筐体にムーンウォーカー」というのはなかなか常人では発想することが出来ない魔改造です。ボディソニック実装が目的だったのかもしれませんが3画面筐体の意味を全く成していません…

そういえばタイトーイン002スタジアムの店長さん、このような魔改造の他にも連射装置や特殊改造のリクエストに対応出来るハードウェアのエキスパートだったとのこと。この頃からハイスコア狙いにおける装置の重要性は高まり、ハードウェアに対応できるスタッフや常連が店舗にいないとハイスコア争いの土俵に上がることが徐々に難しくなってきます。

 

トピック店舗へ移ります。

前回に引き続き長野県の掲載店より、長野市の「ゲームコーナーマカオ」をピックアップします。

マイコンベーシックマガジン 1988年1月号より)

2022年9月10日撮影

 

JR長野駅の真正面にある現在の「長野東急REIホテル」がかつての「長野ロイヤルホテル」であり、その地下1階の飲食店街に存在したようです。

ちなみに現在も「ロイヤルホテル長野」というホテルが存在していますがそちらはかつて「信州松代ロイヤルホテル」という名称であり、長野自動車道の長野インターチェンジに近く場所も異なることから全く別のホテルであると認識しています。

ゼンリン住宅地図 長野市北部1988年より)

誌面記載の「長野市石堂東1365」という住所は現在は使われていないようで、東急REIホテルの住所は「長野市南千歳1丁目28-3」となっていますが住宅地図上では同位置となり、長野ロイヤルホテルの表記もあるためこの場所で間違いないと判断しています。

 

ただ当時の地下1階テナント一覧に「ゲームコーナーマカオ」の文字がありません。

ベーシックマガジンへの掲載期間が1988年1月~10月までとなるため、1988年の住宅地図であれば店舗の掲載時期と一致するはずなのですが…もう少々調査が必要のようです。何か情報をお持ちのかたがいらっしゃればコメントをお寄せ下さい。

 

ちなみにこちらの飲食街はホテル正面左側にある3枚目写真の「地下飲食街入口」以外に長野電鉄長野駅へ直結する通路があり、改札から直接訪れることも出来ます。

この写真は長野駅改札前方向からホテル入口通路を撮影したもの。奥に立ち食い蕎麦店がありその先がホテルへと続いています。立地としては最高の店舗だったと思いますがいつまで営業がなされていたのかは不明。長野ロイヤルホテルは1998年の長野オリンピック終了後に閉業、その後ホテルサンルートとなりましたがこちらも2010年に移転し、空きビルとなっていた所に2016年11月から現在の東急REIホテルが入居し現在に至っているようです。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号

ゲーメスト1990年12月号(通算第52号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

さすがに10,11月号で23店もの新規追加があったこともあり今号は新規掲載はありません。掲載店総数は91と-3の微減。今回、プレイシティキャロット巣鴨店が掲載開始以来初めて休載されたのですが、店舗改装の影響であることが確認されています。丁度地下2階が拡大された時期でしょうか。

 

以下スコア欄となります。

ゲーメスト 1990年12月号より)

 

店舗改装といえば、ハイスコア通信欄のハイテクセガ藤井寺店の欄にも改装のため一時休業の旨が記されています。

客の立場だけで言えば、店舗改装を行えば概ね店内は綺麗になり、伴って新製品の入荷が増えることを期待する訳ですが、店舗側の立場で言えば、

 

①改装費用を掛けるので改装後は売上のアップを求められる

②休業期間を伴う大規模の改装だと人事異動も兼ねることもあり、また休業期間中の収入が途絶えることからバイトが入れ替えになることもある

 

これらの理由で運営の変更を求められたり、社員やバイトが入れ替わってしまう影響から改装を機にハイスコアの集計やコミュニケーションノートの設置を取り止めることに繋がる事例は多かったのではないかと想像されます。

 

実際ハイテクセガ藤井寺店はこの号の掲載が最後となり、改装後に再び店舗欄は現れませんでした。そして改装の影響は前述した「プレイシティキャロット巣鴨店」にも…

 

続いてトピック店舗です。

静岡県初期のゲーメスト掲載店より、「ニチイ浜松店」「豊田商店」の2店をピックアップします。

 

・ニチイ浜松店

ゲーメスト 1986年5月号より)

2021年9月25日撮影

 

・豊田商店

ゲーメスト 1986年5月号より)

2022年10月10日撮影

 

双方とも所在は静岡県浜松市で、且つゲーメスト創刊号である1986年5月号のみにしか掲載されなかった店舗という共通点があります。

 

「ニチイ浜松店」ですが、店舗欄には電話番号が掲載されているのみで住所情報が記載されていないのですが、名前の通り総合スーパーのニチイ内に存在したと推定しています。住所は浜松市千歳町91(現在は浜松市中区千歳町91)となり、写真は現在の住所の場所となっています。

 

ニチイは浜松市中心市街地の核店舗として1969年9月30日に開店、バブル崩壊や大型店同士の出店攻勢の影響で1991年2月に撤退しており、現在同じ場所に立っているのは2015年にリフォームされた「遠鉄モール街ビル」です。内外観は綺麗になっていますが建屋はニチイ時代のものがそのまま使用されているようです。

 

一方の「豊田商店」は浜松の中心市街地から北西方向へ2㎞程度離れた郊外に存在を確認しています。

ゼンリン住宅地図 浜松市南部1984年より)

誌面に掲載される2年前の1984年の住宅地図ですが、店名しか確認出来ないこともあり業態や取扱商品は全く持って不明です。ゲーム機が設置されていたとなると想像されるのは生活雑貨店、駄菓子屋、玩具店あたりが想像できますが玩具店玩具店とはっきり明記する場合が多く、また周囲は殆どが住宅地のため駄菓子屋系のお店だったのではと想像することしか出来なくなっています。

 

お店の前の道は舘山寺温泉方面へ通じる県道ですが現在はバイパスが通じているためこちらは旧道の位置づけで、通行する車はそれ程多くありません。該当する住所も写真のように現在は美容院となっており、店舗が存在した形跡は全く確認出来なくなっています。

 

 

前述したようにこの両店はゲーメスト創刊号のみの単発掲載に留まりました。

既にベーシックマガジンに掲載されていた「ビデオインパズル」から3㎞程度、またこちらもベーマガ単発掲載となってしまった「ナムコランド浜松西店」からも比較的近く、ハイスコア集計黎明期には多数の掲載店を市内に抱えていた浜松ですが、同じ県内の静岡市が3軒のキャロットを擁し以後コンスタントに掲載店を輩出していたのに対し、浜松市は87年には掲載店が姿を消して以降集計店には恵まれず、90年台後半まで掲載店の出現が空いてしまうことになります。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

マイコンベーシックマガジン1990年11月号(第9巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は97となり100店を割り込んだ先月から更に-2の減少となっています。

流石に減り幅が目立ってしまった影響か、7月号以来4か月振りに新規掲載店が登場しています。

 

・その他

プレイランドチャンプ(青森県

マイコンベーシックマガジン 1990年11月号より)

 

またしても青森県五所川原市の掲載店です。ベーマガ掲載店が青森市弘前市よりも先に人口5万人の五所川原に2店存在した時期がありました。

既に掲載されていたハイテクセガ五所川原店への対抗もあったのかもしれませんが、地方都市でもゲームセンターが多数あり、かつスコア狙いが一般的だった時代を象徴しています。

 

以下スコア欄となります。

マイコンベーシックマガジン 1990年11月号より)

 

掲載店が減少すると店舗欄の最終頁に挿絵が入るのですが、掲載店が減少傾向になると毎号のように挿絵が登場します。さらに今月は編集後記との間に3店分のスペースがまるまる空いており、そのような誌面を世に出すことは編集として決して望ましくはなかったのでしょうが、スコアを送付してこない店舗があるためコントロールが効かない難しさを抱えていたのではないかと思います。

その点ゲーメストはスコア欄に空欄が発生していたという状況をほとんど見掛けなかったため、編集で上手く調整が出来ていたのかもしれません。

 

トピック店舗へ移ります。

長野県は東信地域の集計店から、上田市の「ゲームプラザニュー日の出」をピックアップします。

マイコンベーシックマガジン 1986年4月号より)

2022年9月10日撮影

 

真田氏の城下町として知られる上田市

上田駅の付近に元城下町らしい細い路地の市街地が広がっていますが、その中に存在したパチンコ店「ニュー日の出」の2階がゲームセンターとなっていました。

かつて多く見られたパチンコ店共存型の店舗だったようです。

ゼンリン住宅地図 上田市1991年より)

 

住宅地図はベーマガへの掲載開始から少々時間が経過した1991年のものですが、パチンコニュー日の出の箇所に「2Fゲームプラザ」の文字が確認出来ます。

 

2022年時点では住所の場所は写真のようにキャバクラになっていますが、建屋はパチンコ店のものがそのまま使用されている模様です。スモークが貼ってあるため分かりませんが右側の入口が2階へ通じていたのではないでしょうか。2階がフルでゲームセンターとして使用されていれば当時としてはかなり広い部類の店舗だったのかもしれません。

地図を見ると近隣には「モナコ会館」というパチンコ店もあり、こちらの2階もゲームセンターとなっていたことがわかります。現在も残る映画館「上田映劇」も含めかつては歓楽街が構成されていたようですが、現在は夜にならないと営業されない店舗ばかりのようで昼間は写真のように人通りもまばらになっています。

 

誌面への掲載は長野県では松本キャロットに次いで2番目となるベーマガ1986年4月号からスタート、1996年6月号が最後の掲載となったため10年以上の長期掲載店となりました。

ゲーメストにはなかなかエントリーされなかったのですが、2部集計店としてようやく掲載された履歴があります。

ゲーメスト 1996年5月15日号より)

 

こちらもベーマガとほぼ同一の1996年5月15日号が最後の掲載。スコア集計終了と記載されているため閉店ではなかったようですが、いつまで営業が続いていたのかは確認出来ていません。私がセガワールド上田に赴任した2002年には既に店舗は無かったと記憶しています。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

ゲーメスト1990年11月号(通算第51号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

10月号で18店の新規掲載店追加があったものの、7月号の時点では22店の掲載希望店があったと誌面に情報が展開されており数が一致しなかったのですが、今号で5店の追加がされたため合計での新規掲載は23店となっています。

 

・その他

ファミリーランドピノキオ(北海道)

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プレイランドファンタジア(秋田県

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西銀座ゲームプラザ(山梨県

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ゲームシティダダ(島根県

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丸久ファミリーランド小郡店(山口県

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ゲーメスト 1990年11月号より)


この追加に伴い、掲載店総数は94まで戻しました。

以下スコア欄となります。

ゲーメスト 1990年11月号より)

 

今回の新規集計店募集に関しては、当初から「集計店が存在しない県を優先」と明言していたこともあり、広範囲の地域から店舗か選ばれています。

北海道の中標津、秋田の本荘、福島の会津若松、栃木の今市、福井の大野、岡山の津山、島根の出雲、長崎の島原、鹿児島の国分…

 

これはこの頃のゲーメスト集計店の特徴だと思っているのですが、東京都や大阪府の大都市圏や、地方でも県庁所在地レベルの掲載店が少なく、比較的地方都市に集計店が偏っていました。

この11月号において東京都の23区内の店舗は、既に有力店として知られていた巣鴨、神保町、荏原の3店以外では、集計開始当初から続いている池袋サンシャインのゲームプラザ・ザ・ゴリラ、そして中央プラザ大泉店と10月号で追加されたプレイランド池袋ラスベガスの6店しか存在しません。関東近隣でも神奈川は川崎市横浜市、千葉県千葉市や現在の埼玉県さいたま市(浦和、大宮)には集計店が無く、大阪府も吹田や寝屋川といった衛星都市はともかくとして大阪市の店舗となるとプレイシティNASA杉本町店でようやく復活したというレベルです。

「全国どこでも満遍なくスコアアタックが可能」というスタンスは問題ないと思いますが、人口比で言えば都市圏において集計店舗数が少なすぎるという弊害はあったように思います。

 

ただこの頃は特にメーカー系店舗において都市圏の店舗は一見さんを重視してゲームマニア排除に動いていたため、集計店としてアピールする必要がないどころかむしろ害悪とみなされ、反面郊外や地方の店舗は少ない人口から固定客を囲い込むためにゲームマニアにアピールする必要があった、という側面もありますが。

 

続いてトピック店舗へ移ります。

前回に引き続き愛知県の初期ゲーメスト掲載店から「岐阜遊園ゲームコーナー」を取り上げます。

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(ゲーメスⅦト 1987年8月号より)

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2020年9月13日撮影

 

名前は「岐阜遊園ゲームコーナー」ですが、所在地は岐阜県ではなく愛知県一宮市。この当時ゲーメストにはまだ岐阜県の集計店は存在していませんでした。

 

JR(尾張一宮駅)、名鉄名鉄一宮駅)の駅東口から徒歩5分程度の場所に、現在も建屋は残っている「ルボテンサンビル」があり、そのテナントだった模様です。

ゼンリン住宅地図 一宮市1987年より)

1987年の住宅地図には「テンサンビル」の表記で地下1階にゲームコーナーの存在が確認出来ます。

現在はマンションになってしまっていますが、住宅地図でもわかるようにかつてはこの建屋の隣に地元大型スーパーの「グランドタマコシ」があり、また一宮七夕祭りで有名な本町商店街のアーケード入口が建屋の道路を挟んで反対側に控えているため、かつては相当な賑わいを見せていたと想像されます。

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建屋と道路を挟んで反対側に面する本町商店街アーケード入口。

しかし、これは隣の岐阜市にも言えることですが、街の基幹産業であった繊維産業が衰退。また一宮は名古屋までJRの快速で約10分という利便性もむしろ災いし、立派なアーケードとは裏腹に商店街内はシャッターを下ろしている店舗が非常に目立ちます。

ルボデンサンビルも元々はタマコシの別館テナントビルのような位置づけだったようですが、タマコシ閉店・建て替えで建屋だけ取り残されるような恰好になってしまっています。

 

そのルボデンサンビル、通りに面している1階はまだいくつかテナントが営業を続けていますが、1階以外はその建屋の大きさに比してテナントはまばら。地下1階に降りてみるとフロア内は既にかび臭い匂いが充満しており、残念ながら一般の方が気軽に入れる空間ではありませんでした。


そしてゲーメストへの掲載は1987年8月号から11月号までのわずか4か月間に留まりました。しかしながら後に名古屋市の「イエローハット」にてご活躍される方々のネームが多数見受けられ、愛知県は尾張地区の有力スコアラーが集まった時期もあったようです。こちらは一足早く名古屋へ吸収されてしまったということでしょうか...

 

店舗が建屋内のどこで営業され、またどのくらいまで存在したのかは現地から探ることは出来ませんでした。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)

マイコンベーシックマガジン1990年10月号(第9巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は99で先月比-1、ついに100店を割り込んでしまいました。1987年6月以来となるため3年4か月振りとなります。新規掲載店も無く、ゲーメストが刷新で多数の新規掲載店を産んでいるのとは対照的です。

 

以下スコア欄となります。

マイコンベーシックマガジン 1990年10月号より)

 

チャレハイ編集後記に触れられている「コズモギャングズ」はナムコが1990年に発売したエレメカです。その後「ザ・ビデオ」や「ザ・パズル」でビデオゲーム化することでキャラクターが広く知られることになります。

www.youtube.com

上記動画を見ればお分かり頂けると思いますがガンシューティングに近いゲーム性で、スコアラー御用達のお店では結構ハイスコア狙いにハマる方も多かったようです。集計の要望も届いていたようで、翌11月号において遂に史上初の「エレメカでのハイスコア集計」が実施されるに至ります。

 

しかし以後同様に集計対象となったエレメカはありませんでした。それこそ後年に登場したナムコの「パニックパーク」やセガの「タッチデウノー」シリーズあたりは集計してもよさそうな気がしますが、エレメカ扱いという理由で集計されなかったと記憶しています。前例はあったんですけどね…

 

続いてトピック店舗です。

ベーマガオリジナル26店のうちの一つにして長野県に存在した唯一のキャロット系店舗「BIG CARROT松本→プレイシティキャロット松本店」を取り上げます。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

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2020年7月23日撮影

 

長野県第二の都市松本市、その玄関である松本駅を出て正面にある繁華街に立地していました。長野県はここ以外には「キャロット」の名前を冠するナムコ直営店舗が誌面上に登場しなかったこともあり、県内を代表するハイスコア集計店として存在感があったお店です。

 

写真ビルの地下1階で現在はカラオケ店のフロアになっています。

90年台後半に一度行ったことがあるのですが、階段で地下へ降りた先にあったと記憶しているため、4枚目写真のシャッターが降りている階段が出入口跡かと思いましたが、

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(季刊NG4号より。@Area51_zek 氏のtwitterより転載)

この写真を見るとビル正面右側に地下に直接入れる出入口があったように見えるため、カラオケ店に改装した際にアーチも含めた地下への入口を撤去している可能性が高いと思われます。

 

オープンは1979年とのことで相当に歴史のある店舗です。

1984年1月のベーマガ掲載開始後、追ってゲーメストが創刊されるとそちらにも掲載がされます。

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ゲーメスト 1986年9月号より)

ゲーメスト初回掲載時は「プレイシティ松本店」と表記されていますが、次回以降は訂正されています。

 

その後しばらくはダブル掲載店となっていましたが、1989年2月号でそれまで一度も店舗欄を欠くことがなかったベーマガへの掲載が突如として止まり、ゲーメスト単独の掲載となります。しかし1991年8月号からは掲載を復活させ1997年7月号まで継続しました。

一方のゲーメストは休刊前最後の掲載となる1999年9月30日号まで継続、休刊で掲載は途絶えたもののアルカディアへ舞台を移し、閉店に伴い2001年12月号にて掲載が終了するという履歴が残っています。閉店日は2001年9月24日とのことです。

 

そのためゲーメストからアルカディアへの移行に伴う空白期間を含めると、ハイスコア掲載主要3誌に1984年1月から2001年12月まで実に17年間に渡ってスコアを刻み続けて来たことになります。掲載期間が長期になると常連の推移や店舗の運営方針によって掲載が止まってしまう例が多々ありますが、上手く世代交代が進んでいたことが裏付けられています。

 

私は仕事で2002年に長野県は上田市に赴任したのですがその際には既に閉店後だったため、長野赴任後に訪れることは叶いませんでした。しかしここの元常連の方に上田で声を掛けて頂きメンバーとの飲み会に加えてもらい、その後も毎年1回は飲んでいる縁が続いているため、不思議と無関係とは思えない店舗となっています。

 

現在の松本駅前は、キャロット閉店後に残っていたパチンコ店併設のゲームセンターも撤退し、20万都市の代表駅前にゲームセンターが1軒もないという状況になっています。(ここでいうゲームセンターはこのブログをお読みいただいている方々が定義しうるゲームセンターという意味です。)