小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1991年1月号/トピック店舗:ハイテクセガ延岡店/ワンダーランド(宮崎県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1991年1月号)

ゲーメスト1991年1月号(第6巻第1号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は95となり先月比+5。

新規掲載店ですが、こちらは新規というよりも合同集計化という方が相応しいのではないかと思います。

 

・その他

フリーウェイ小樽店(北海道)

ゲーメスト 1991年1月号より)

 

札幌市にて掲載されていた「ゲームポイント・フリーウェイ」の小樽店が新規にオープンして掲載店となりました。店舗名および住所は小樽店が記載されていますが手稲店のスコアも記載されていることから合同集計の体となっています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1991年1月】

ゲーメスト 1991年1月号より)

 

ゲーメストはハイスコア欄の最後に「てあたりしだいゲームリスト」と称した直近でのリリース予定タイトルリストが掲載されていましたが、今号は以下のラインアップとなっています。

ゲーメスト 1991年1月号より)

編集は1990年末に行われている関係でまだ90年11月以降発売予定ゲームとなっていますが、この時点ではまだ「件のタイトル」の表記はありません。

 

直近の目玉商品はナムコの「ドラゴンセイバー」で、ドラゴンスピリットの後継としてリリースされましたが前作程のヒットには至らなかったと認識しています。

 

トピック店舗:ハイテクセガ延岡店/ワンダーランド

トピック店舗です。南九州地域の掲載店紹介を継続します。

 

宮崎県のセガ系店舗から「ハイテクセガ延岡店」をピックアップします。

ゲーメスト 1988年1月号より)

2022年8月10日撮影

宮崎県北部の延岡市は人口約12万(令和5年度)を擁し、宮崎・都城に次いで宮崎県第3位。旭化成企業城下町として有名で、市内の至る所に旭化成関係の工場や施設を見ることが出来ます。

 

ハイテクセガ延岡店は市の代表駅であり繁華街にも近いJR延岡駅前に位置していました。

ゼンリン住宅地図 延岡市1989年より)

1989年の住宅地図にて誌面記載住所の「島津ビル」を確認、「Hi-TECH SEGA」の文字も見えます。

 

現在は「島津ビル」を含んだ街区がまるまる再開発の対象となり、写真の「延岡駅西口街区ビル」が建っているため店舗の形跡は全く残っていません。新ビルのテナントを見ると4,5階は旭化成延岡駅前オフィスが入居しており、否が応でも延岡という街における旭化成の影響力を感じずにはいられません。

 

写真はビル全体と、島津ビルが存在したであろう場所に合わせて撮影しています。

 

現地に残っている商工案内図では、延岡駅西口街区ビルが建つ前のものが残っていました。

2022年8月10日撮影

 

「県道延岡停車場線」の文字の下となる「高田万十」「はやた歯科」等が存在する区画が現在の西口街区ビルの場所になりますが、1989年当時とテナントの内容が全く一致せず、また建物名称までは記載されていないことから島津ビルが再開発直前まで存在していたのかどうかの確認には至りませんでした。

 

誌面への掲載はゲーメスト1988年1月号よりスタート。

そして1989年10月号から、同じ宮崎県内の「ハイテクセガ宮崎店」と合同集計となります。

ゲーメスト 1989年10月号より)

 

「ハイテクセガ宮崎店」ですが、合同集計期間中の店舗住所欄は全て延岡となっており、店舗所在位置が不明となっています。そのため地図へのプロットの対象とはなっていません。また店舗の詳細な場所をご存じの方は是非とも情報をお寄せ下さい。

 

その後約3年半に渡って合同集計が継続しますが、1993年6月号のスコア欄にて1993年3月末にて延岡店閉店の報が掲載されます。

ゲーメスト 1993年6月号より)

 

しかし「店は残るので」とのコメントの通り、翌7月号からは同一住所にて店名を「ワンダーランド」と変え誌面への掲載は継続しました。

ゲーメスト 1993年7月号より)

 

90年台に入るとセガは80年台に展開したハイテクセガ系の小規模店舗を大幅に整理するのですが、延岡も対象となったものの営業は継続されたようです。建物のオーナーがセガから離れて直接運営する場合や、店舗社員が独立する時に退職金代わりとして機器や什器を含めて店舗一式の営業権を譲渡したという話を聞きます。

セガの運営から離れたことから、宮崎店との合同集計もこの時に打ち切られています。

 

ワンダーランドとしての掲載はその後1998年2月28日号まで継続しました。ハイテクセガ時代から通算すると10年を超える長期掲載店となっています。

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1991年1月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1991年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1991年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1991年1月号/トピック店舗:神宮前キャロットハウス(宮崎県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1991年1月号)

マイコンベーシックマガジン1991年1月号(第10巻第1号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

1991年へ突入しました。

1991年と言えば、ビデオゲームジャンルにパラダイムシフトを起こしたあるタイトルが登場した年ですが、2月末に開催されたAOU全日本アミューズメント施設営業者協会連合会)ショーで初めて披露されるため、誌面への登場はもう少々後の話となります。

 

掲載店総数は90となり先月比-2。新規掲載はありません。

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1991年1月】

マイコンベーシックマガジン 1991年1月号より)

 

今月は東京都内の代表的ナムコ直営店舗のひとつ「プレイシティキャロット新宿店」が掲載終了となっています。今号におけるナムコ系店舗の掲載数は31店と全盛期の半数まで減少し、新宿店のような著名店舗も含めてゲームマニア排除の方向は着実に進行していました。

 

トピック店舗:神宮前キャロットハウス

続いてトピック店舗へ移ります。

 

南九州の初期ナムコ系店舗も3回目、宮崎市の「神宮前キャロットハウス」をピックアップします。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

2022年8月10日撮影

神宮前の「神宮」とは宮崎神宮のことを指します。

広大な境内の前には路線バスの待機、転回所を含めたロータリーがありますが、ロータリーに隣接する「神宮プラザビル」1階がキャロットとなっていました。

 

宮崎市中心市街地からは直線距離で2㎞以上は離れています。

JR日豊線宮崎神宮駅がありますが、こちらも徒歩10分程度は掛かるため近隣に駅はありません。神社正面から宮崎市街地方面に参道が伸びていますが商店が林立しているという雰囲気ではなく、ロータリーに隣接してポツンと佇んでいるような立地となっています。

ゼンリン住宅地図 宮崎市北部1986年より)


1986年の住宅地図ですが、当時から近隣は店舗よりも住宅の方が多く、徒歩圏内にある文化公園も含めて周囲は文教地区といった佇まいです。駐車場も無かったようなので、この場所にゲームセンターを出店した動機が少々掴みにくい店舗ではあります。

 

1990年頃に一度店舗を訪問したことがあるのですが、バスを降りたら目の前にあったような記憶が残っていました。30年振りくらいで現地を再訪してその記憶が間違っていなかったことは確認出来たのですが、肝心の店内の印象が残っていません。何かゲームもプレイしていたはずなんですが…

 

誌面への掲載は同じ九州内の店舗として既に紹介している「プレイシティキャロットパーツボックス」「分大キャロットハウス」と並んでベーマガオリジナル26店に名を連ねています。そしてゲーメストにも1987年1月号から掲載されダブル掲載店となります。

ゲーメスト 1987年1月号より)

 

ゲーメスト掲載開始時の店長は女性の方だったようです。当時の写真やコメントからアットホームなお店の雰囲気が伝わってきます。(敢えて写真は伏せずにアップしています。)

この頃のナムコ直営店の雰囲気に魅了されたゲーマーは非常に多かったのではないでしょうか。

 

そしてナムコ系ハイスコア掲載店が誌面から次々と姿を消す中、確認している時点ではゲーメストは1997年5月30日/6月15日号、ベーマガは1997年9月号までの掲載を確認しており、ベーマガオリジナル26店の中では13年以上と最も長期に渡って掲載が続けられました。

また、他の「キャロットハウス」の名称でスタートした店舗の殆どが追って「プレイシティキャロット」への名称変更を経ているのに対し、ここだけは掲載期間の最後までキャロットハウスの名称が貫き通されたことも特筆すべきポイントなのではないかと思います。

 

閉店時期は不明ですが、ナムコ広報誌「NOURS」No.36 2002年春号の「全国ナムコ店舗ガイド 九州・沖縄編」には店舗の記載がないため、それ以前には閉店していたようです。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1991年2月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1991年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号/トピック店舗:ジャスコ大分店ナムコランド(大分県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年12月号)

ゲーメスト1990年12月号(第5巻第12号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

さすがに10,11月号で23店もの新規追加があったこともあり今号は新規掲載はありません。掲載店総数は91と-3の微減。今回、プレイシティキャロット巣鴨店が掲載開始以来初めて休載されたのですが、店舗改装の影響であることが確認されています。丁度地下2階が拡大された時期でしょうか。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年12月】

ゲーメスト 1990年12月号より)

 

店舗改装といえば、ハイスコア通信欄のハイテクセガ藤井寺店の欄にも改装のため一時休業の旨が記されています。

客の立場だけで言えば、店舗改装を行えば概ね店内は綺麗になり、伴って新製品の入荷が増えることを期待する訳ですが、店舗側の立場で言えば、

 

①改装費用を掛けるので改装後は売上のアップを求められる

②休業期間を伴う大規模の改装だと人事異動も兼ねることもあり、また休業期間中の収入が途絶えることからバイトが入れ替えになることもある

 

これらの理由で運営の変更を求められたり、社員やバイトが入れ替わってしまう影響から改装を機にハイスコアの集計やコミュニケーションノートの設置を取り止めることに繋がる事例は多かったのではないかと想像されます。

 

実際ハイテクセガ藤井寺店はこの号の掲載が最後となり、改装後に再び店舗欄は現れませんでした。そして改装の影響は前述した「プレイシティキャロット巣鴨店」にも…

 

トピック店舗:ジャスコ大分店ナムコランド

続いてトピック店舗です。

 

ベーシックマガジンにて「分大キャロットハウス」を取り上げたのでゲーメスト大分県ナムコ系店舗から、「ジャスコ大分店ナムコランド」をピックアップします。

ゲーメスト 1987年1月号より)

2022年8月10日撮影

 

百貨店や大型スーパー内の遊戯施設が強かったナムコですが、まだビデオゲームが華やかな80年台のナムコ系店舗はショッピングセンター内店舗においてもゲーム好きの客層を積極的に取り込もうという施策がされていた時期で、キャロットのない地域の代替を果たしていました。

 

こちらはその中でもハイスコア集計まで至った店舗です。ゲーメスト1987年1月号が最初の掲載となりましたが、同じようなショッピングセンター系ナムコ店舗が同時に8店も誌面に登場しています。

 

場所はJR大分駅に程近く、駅前から延びる中央通りと中央町商店街アーケードに囲まれた絶好の立地です。

ゼンリン住宅地図 大分市1985年より)

 

1985年の住宅地図ですが、現在も存在する地場百貨店のトキハに加え、既に撤退しているパルコや長崎屋の文字も見えます。テナント一覧や当時のフロアガイドが発見出来なかったため、ナムコが何階に存在したのかは判明しませんでした。

 

ジャスコは1973年(昭和48年)にオープンしていますが、1993年の時点で業態変更を行い、ファッション関係テナントが中心の「大分フォーラス」へと変貌しています。この時点ではジャスコ時代の建物がそのまま使用されていたようです。

ja.wikipedia.org

 

wikipedia内にフォーラスの主なテナント一覧が記載されていますが、ナムコやゲームコーナーの表記はありません。

 

誌面へのスコア掲載期間を確認すると1993年4月号が最終となっており、フォーラスへの転換時期と一致することから転換と合わせてナムコは撤退したということで間違いないと思われます。中心市街地のインストア店舗としては6年以上の長期に渡って掲載が続けられ、同じ大分市内の分大キャロットハウスが掲載を終了した後も店舗欄を維持しました。ベーマガへの掲載履歴はありませんでした。

 

そして2017年にフォーラスとしての営業も終了、跡地にはイオングループの食を中心とした商業施設「大分opa」が新たに建てられており、建屋を含めてジャスコ時代の面影は完全に消失に至っています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1991年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1991年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号/トピック店舗:分大キャロットハウス(大分県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年12月号)

マイコンベーシックマガジン1990年12月号(第9巻第12号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は92で先月比-5と減少幅が大きくなっています。これで3か月連続で100店を割り込みかつ減少に歯止めが掛かっておらず、最終頁の空欄が非常に目立つ結果となっています。

 

新規掲載は先月同様に1店確認されています。

 

・その他

サミーハウス(長崎県

マイコンベーシックマガジン 1990年12月号より)

 

ゲーメスト1990年10月号における新規掲載店の一つで、今号よりベーマガにも掲載されダブル掲載店となっています。

島原市は人口4万程度の街ですが、このお店が掲載されて以降ハイスコア文化が根付いたのか長期に渡り掲載店が存在する地域になります。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年12月】

マイコンベーシックマガジン 1990年12月号より)

 

チャレハイ通信の「タイトーイン002スタジアム」の欄に気になる記述を発見!

 

ダライアス3画面筐体にムーンウォーカー」というのはなかなか常人では発想することが出来ない魔改造です。ボディソニック実装が目的だったのかもしれませんが3画面筐体の意味を全く成していません…

 

そういえばタイトーイン002スタジアムの店長さん、このような魔改造の他にも連射装置や特殊改造のリクエストに対応出来るハードウェアのエキスパートだったとのこと。この頃からハイスコア狙いにおける装置の重要性は高まり、ハードウェアに対応できるスタッフや常連が店舗にいないとハイスコア争いの土俵に上がることが徐々に難しくなってきます。

 

トピック店舗:分大キャロットハウス

続いてトピック店舗です。

 

前回に引き続き九州の初期ナムコ系店舗から「分大キャロットハウス」をピックアップします。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

2022年8月10日撮影

1984年1月号及び2月号のチャレンジハイスコア欄では、店名が「大分キャロットハウス」と表記されています。
「分大」は大分大学の略称で、大分の誤植と解釈されてしまったのかもしれませんが、「分大キャロットハウス」が正式名称となります。

 

ハイスコアコーナー開始告知における店舗リストでは分大と記載がされており、また1984年3月号以降では店舗名が訂正されています。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1983年12月号より)

 

そしてその店舗名の通り、近隣には大分大学が立地しています。

ただ大分の市街地からは相当距離が離れており、大学以外には店舗付近が学生向け物件も含め新興住宅街となっているものの周囲は郊外の山の中という印象で、基本的には学生目当てのお店と言えそうです。

ゼンリン住宅地図 大分市1985年より)

店舗向かいの「大分県職員研修所」は「大分県自治人材育成センター」として健在。大分大学の敷地は見えませんが地図範囲の北西方向に拡がっています。

また、JR豊肥本線の線路が地図の接続部から西側で消えてしまっていますが、もちろん連続しています。

 

現在は豊肥線に「大分大学前」駅がありますが、1985年当時はまだ駅がありませんでした。駅が開業したのは2002年のため、店舗へのアプローチは路線バスしかなかったことになります。

2022年8月10日撮影

 

写真は大分大学入口付近から大分大学前駅方面、及び大分大学前駅舎を撮影したもの。周囲は殆どが山林となっていることが分かります。

 

2022年8月10日撮影

 

そして駅を過ぎて写真の登り坂を上がった場所にキャロット跡地があります。ここを登って店舗に向かうのはなかなかの苦行です。分大生でなければ車やバイクを所持していないとここに行くというモチベーションは湧きにくいと思います。

 

こちらもベーマガオリジナル26店に名を連ねています。

ゲーメストへも1987年に1回だけですが掲載された履歴が残っています。

ゲーメスト 1987年10月号より)

ベーマガの方は特に大きな休載も無くコンスタントに掲載を続けていましたが、1990年2月号の掲載を最後に姿を消しています。90~91年頃に閉店したとの情報があるため、閉店による掲載終了の可能性が大きいと思われます。大学近隣店舗とは言え付近に駅も無かったこの立地では流石に集客が厳しかったのかもしれません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1991年1月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号/トピック店舗:WE'LL TALK TAITO騎射場店/TOPGUN(鹿児島県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年11月号)

ゲーメスト1990年11月号(第5巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。


10月号で18店の新規掲載店追加があったものの、7月号の時点では22店の掲載希望店があったと誌面に情報が展開されており数が一致しなかったのですが、今号で5店の追加がされたため合計での新規掲載は23店となっています。


・その他

ファミリーランドピノキオ(北海道)

f:id:annaka-haruna:20201004101126j:plain


プレイランドファンタジア(秋田県

f:id:annaka-haruna:20201004101153j:plain


西銀座ゲームプラザ(山梨県

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ゲームシティダダ(島根県

f:id:annaka-haruna:20201004101236j:plain


丸久ファミリーランド小郡店(山口県

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ゲーメスト 1990年11月号より)


この追加に伴い、掲載店総数は94まで戻しました。

以下スコア欄を掲載します。


【めざせハイスコア 1990年11月】

ゲーメスト 1990年11月号より)


今回の新規集計店募集に関しては、当初から「集計店が存在しない県を優先」と明言していたこともあり、広範囲の地域から店舗か選ばれています。

北海道の中標津、秋田の本荘、福島の会津若松、栃木の今市、福井の大野、岡山の津山、島根の出雲、長崎の島原、鹿児島の国分…


これはこの頃のゲーメスト集計店の特徴だと思っているのですが、東京都や大阪府の大都市圏や、地方でも県庁所在地レベルの掲載店が少なく、比較的地方都市に集計店が偏っていました。


この11月号において東京都の23区内の店舗は、既に有力店として知られていた巣鴨、神保町、荏原の3店以外では、集計開始当初から続いている池袋サンシャインのゲームプラザ・ザ・ゴリラ、そして中央プラザ大泉店と10月号で追加されたプレイランド池袋ラスベガスの6店しか存在しません。関東近隣でも神奈川は川崎市横浜市、千葉県千葉市や現在の埼玉県さいたま市(浦和、大宮)には集計店が無く、大阪府も吹田や寝屋川といった衛星都市はともかくとして大阪市の店舗となるとプレイシティNASA杉本町店でようやく復活したというレベルです。

「全国どこでも満遍なくスコアアタックが可能」というスタンスは問題ないと思いますが、人口比で言えば都市圏において集計店舗数が少なすぎるという弊害はあったように思います。


ただこの頃は特にメーカー系店舗において都市圏の店舗は一見さんを重視してゲームマニア排除に動いていたため、集計店としてアピールする必要がないどころかむしろ害悪とみなされ、反面郊外や地方の店舗は少ない人口から固定客を囲い込むためにゲームマニアにアピールする必要があった、という側面もありますが。


トピック店舗:WE'LL TALK TAITO騎射場店/TOPGUN

続いてトピック店舗へ移ります。


ベーマガと合わせてゲーメストも南九州の初期掲載店舗から、鹿児島市の「WE'LL TALK TAITO騎射場(きしゃば)店」と「TOPGUN」の2店をまとめてピックアップします。


【WE'LL TALK TAITO騎射場店】

ゲーメスト 1986年11月号より)

2023年11月24日撮影


【TOPGUN】

ゲーメスト 1989年6月号より)

2022年8月8日撮影

南九州地域と言えば宮崎県と鹿児島県が該当しますが、そこに中九州地域の範疇である熊本県大分県まで含めて最初にゲーメストへの掲載店となったのが最初に紹介する「WE'LL TALK TAITO 騎射場店」となります。

名前から分かるようにタイトー系店舗ですが、「めざせハイスコア!」欄にて「ウィルトーク」という名称で初めて掲載された店舗でもあります。ベーマガにおいてもウィルトークの名称は1986年11月号が初登場となっており、この時期からブランド展開が開始されたと考えて間違いなさそうです。


鹿児島市の繁華街と言えば天文館が有名ですが、ここは住所を検索すると天文館からは2㎞程度離れた鹿児島市電の騎射場停留場の目の前となります。電停の付近は繁華街というレベルではないものの、鹿児島大学に近いこともあってかパチンコ店や飲食店が立ち並んだちょっとした商業集積地域になっています。


1987年の住宅地図を確認しましたが、ちょうど見開きの場所となりコピーを取ると建物の場所がつぶれて判別不能となってしまいました。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市1987年より)


そのため2002年の住宅地図を別途確認したところ、店名は「TAITO INN 騎射場店」へ変わっているものの誌面記載の住所に存在を確認出来たため合わせて掲載します。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市北部2002年より)


前述のように初掲載こそ1986年11月号と早かったものの、次の登場は1987年8月号と大きく間隔が空いてしまいます。その後1989年1月号までは比較的コンスタントに掲載を続けましたが、再度5月号まで掲載を空けた後にフェードアウトしました。実質掲載期間は2年程度となっています。

2023年11月24日撮影


店舗は2002年の住宅地図にもあるように掲載終了後も営業を続けていたようですが閉店時期は分かっていません。現在該当箇所は居酒屋となっています。

ただ現地で見つけた商工案内図(上記写真)にはまだ表記が残っていました。商工案内は結構頻繁に更新されるイメージなので最近まで店舗は残っていたのでは?とも思わせますが2002年以降に店舗が営業されていた形跡は発見されていません。


そしてウィルトークタイトー騎射場店が掲載を終了した翌月のゲーメスト1989年6月号より新たに登場した鹿児島市の店舗が「TOPGUN」です。

この号で一気に9店の新規掲載店が登場しますがその中の1店となっています。


場所は当時の西鹿児島駅、現在の鹿児島中央駅近隣に延びる商店街「ベル通り」に面していたようです。

誌面住所を1987年の住宅地図にてチェックすると「ハイテクランド」の文字が確認出来ます。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市1987年より)

「ハイテクランド」と言えばセガ系店舗の認識ですが、80年台後半に入るとセガは既にビデオゲーム中心の小規模店舗運営から撤退を開始しており、元々セガ系だった店舗の運営元が変わった可能性が考えられそうです。隣接した場所にも特にゲームセンターらしき物件はないことから、恐らくこの場所で間違いはないと思いますが委細ご存じの方が見えましたら情報をお待ちいたしております。


しかし鹿児島県唯一のゲーメストハイスコア集計店となったのも束の間、この号単発の掲載に留まり翌号以降に再度姿を現すことはありませんでした。

まだ誌面への店舗欄掲載希望が多かった時期でもあり、また同時に掲載がスタートした他の8店はほとんどが2年以上に渡る掲載期間となっています。スコア集計初期と異なり単発で掲載を終了することはレアケースとなっており、狭き門をくぐって手に入れた掲載権利を即手放したのは何か特別な事情があったのかもしれません。


現在は当時の建物が残っておらず、更地となった場所に簡易な構造のチケットショップが建っています。閉店時期は不明なのですが、2002年の時点では既に雀荘へと姿を変えていたようです。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市北部2002年より)


ただ同じく2002年の住宅地図において、商店街を更に徒歩5分程度南下したJR鹿児島本線の陸橋(中州通り)付近にある「上杉第8マンション中央」1階に「トップガン」というゲームセンターの存在を確認しています。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市北部2002年より)

2022年8月8日撮影


該当するマンションは残っていますが1階店舗部分はコインランドリー部分を除いて駐車場となっており店舗の形跡は何も残っていません。

場所が近いため旧トップガンからこちらへ移転したことが想像されますが真相は不明です。こちらも情報をお待ちいたしております。


【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号/トピック店舗:プレイシティキャロットパーツボックス(熊本県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年11月号)

マイコンベーシックマガジン1990年11月号(第9巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は97となり100店を割り込んだ先月から更に-2の減少となっています。

流石に減り幅が目立ってしまった影響か、7月号以来4か月振りに新規掲載店が登場しています。

 

・その他

プレイランドチャンプ(青森県

マイコンベーシックマガジン 1990年11月号より)

 

またしても青森県五所川原市の掲載店です。ベーマガ掲載店が青森市弘前市よりも先に人口5万人の五所川原に2店存在した時期がありました。

 

既に掲載されていたハイテクセガ五所川原店への対抗もあったのかもしれませんが、地方都市でもゲームセンターが多数あり、かつスコア狙いが一般的だった時代を象徴しています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年11月】

マイコンベーシックマガジン 1990年11月号より)

 

掲載店が減少すると店舗欄の最終頁に挿絵が入るのですが、掲載店が減少傾向になると毎号のように挿絵が登場します。さらに今月は編集後記との間に3店分のスペースがまるまる空いており、そのような誌面を世に出すことは編集として決して望ましくはなかったのでしょうが、スコアを送付してこない店舗があるためコントロールが効かない難しさを抱えていたのではないかと思います。

 

その点ゲーメストはスコア欄に空欄が発生していたという状況をほとんど見掛けなかったため、編集で上手く調整が出来ていたのかもしれません。

 

トピック店舗:プレイシティキャロットパーツボックス

続いてトピック店舗へ移ります。舞台を九州へ移します。

 

南九州方面のベーマガ初期のナムコ系掲載店舗から「プレイシティキャロットパーツボックス」をピックアップします。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

2022年8月9日撮影

熊本市最大の商店街である下通アーケードを抜け、路面電車の走る通町筋へ出で向かって左側に「大劇会館」という複合レジャー施設があり、その中に存在しました。

 

熊本の地場百貨店である鶴屋や熊本市役所からも近く、建物の目の前が路面電車の停留所となっており立地は抜群と言えます。

ゼンリン住宅地図 熊本市西部1984年より)

 

1984年の住宅地図ですが、中央を横切る下通アーケード街の出口左手に大劇会館の文字が確認出来ます。

 

パチンコ店をキーテナントとし、映画館やゲームセンターを含んだ複合レジャービルで、ゲームセンター部分をナムコが担っていたと思われます。キャロットは2階での営業だったようです。

 

ビルは1969年に建築されているとのことですが、2016年の熊本地震で被災し、復旧に当たってリニューアル工事を行い建築時の外観を復元しているようです。90年台に一度外観を変更しているようなので、現在の写真の外観はむしろキャロットが入居していた時期に近いのかもしれません。

taigekikaikan.com

2022年3月末まではこのビル1階でパチンコ店の営業が続いていたようですが、4月からは休業しており8月時点でテナントは3階から5階に入居しているボウリング場だけとなっています。写真は昼間なのでそれ程目立ちませんが、夜間は1階が殆どシャッターが降りている状況だったためリニューアル後にしては淋しい印象でした。テナントを大々的に募集しているようなのでナムコさんもう一回ここでキャロット始めません?(近隣の桜町バスターミナル内に店舗構えたみたいだから無理か)

 

ハイスコア掲載はベーマガオリジナル26店の一つであり、1987年まではコンスタントにスコアの掲載がされていましたが、1988年に入ると掲載と休載を繰り返すようになり、1989年8月号の掲載が確認している時点では最後となっています。店舗は1996年頃まで存続をしていたようですが、正確な閉店時期は判明していません。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号/トピック店舗:WE'LL TALK TAITO砺波店/オレンジハットとなみ店(富山県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年10月号)

ゲーメスト1990年10月号(第5巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

4月号から告知がされていた通り、この50号で新規掲載店舗の大きな追加がありました。その数合計18店舗。この大幅追加で掲載店総数は92まで戻します。

以下、今回追加された店舗一覧です。

 

セガ

ハイテクランドセガ大船(神奈川県)

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タイトー

ジョイランドタイトー草津滋賀県

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・その他
アミューズメントハウスタックル★V(北海道)

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ファミリーランドカーニバル(福島県

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今市ゲームセンター(栃木県)

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JOYCOM'S多賀店(茨城県

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プレイランドスカイシアター(埼玉県)

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八千代プレイランドカーニバル(千葉県)

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プレイランド池袋ラスベガス(東京都)

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オレンジハットとなみ店(富山県

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ゲームセンター大野プレイランド(福井県

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PLAY CITY NASA杉本町店(大阪府

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タウンスポットプレイランド(大阪府

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川島玩具店兵庫県

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イーストランドファミリーガーデン(岡山県

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サブカルチュア(福岡県)

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サミーハウス(長崎県

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ゲームピアチャンス国分店(鹿児島県)

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ゲーメスト1990年10月号より)

 

今回、埼玉のプレイランドスカイシアター、千葉の八千代プレイランドカーニバル、大阪のプレイシティNASA杉本町店、タウンスポットプレイランド、そして福岡のサブカルチュアと、90年台のハイスコアシーンを盛り上げた店舗が顔を揃えています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年10月】

ゲーメスト 1990年10月号より)

 

流石に今回をもって掲載を終了した店舗はないかと思いきや、ハイテクセガ太田(群馬県)が単独掲載店舗としては終了。次号は隣町のハイテクセガ桐生と合同集計となるため、掲載終了という表現は相応しくないかもしれません。

 

また、ハイスコア欄最後にこのような囲み記事がありました。

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掲載を中止した店舗は、掲載終了ではなく休載という扱いになっていたようです。

閉店したり店長が変わって店舗運営方針が変更されるという可能性はあるものの、20店を超える店舗がほぼ同時にその状況になることは考えにくく、中には直接手を挙げた店舗もあったかもしれませんがある程度は編集部から店舗へ掲載終了への打診があったのではないでしょうか。どのような基準で該当店舗が選ばれたのかは今となってはあまり追及する必要はないのかもしれませんが、気になるところではあります。

上記囲み記事は、掲載終了店舗へのフォロー的意味合いが多分に含まれていたのではないかと思われます。

 

トピック店舗:WE'LL TALK TAITO砺波店/オレンジハットとなみ店

続いてトピック店舗です。

 

富山県砺波市からエントリーされた「WE'LL TALK TAITO砺波店」及び「オレンジハットとなみ店」の2店をピックアップします。

 

【WE'LL TALK TAITO砺波店】

ゲーメスト 1987年10月号より)

2021年7月22日撮影

【オレンジハットとなみ店】

ゲーメスト 1990年10月号より)

2021年7月22日撮影

散居村とチューリップで有名な富山県砺波平野の中心砺波市

現在の人口は5万人弱ですが、この地にゲーメストへのハイスコア掲載履歴がある店舗が2軒存在します。

 

最初に紹介するのが「ウィルトークタイトー砺波店」、その名称の通りタイトー系列店となります。

 

店舗の住所が指し示す場所は国道156号沿いの高岡市との市境に近い場所で、砺波市の中心部であるJR砺波駅からはかなり離れています。当初からロードサイド型の店舗を志向していたようです。

ゼンリン住宅地図 砺波市1988年より)

しかし1988年の住宅地図には誌面掲載の住所「砺波市千代135-1」該当する場所に店舗の存在を確認出来ませんでした。この時点ではバイクショップとなっています。

 

1992年の地図も念のため確認しましたが、今度はコンビニのホットスパーへと変わっています。そして隣接する敷地にワシントン靴店が出来ていることがわかります。

ゼンリン住宅地図 砺波市1992年より)

現在の写真では「千代135」に該当する場所が海鮮丼店となっており、隣接するスポーツ用品店等と合わせて小規模な商業施設となっています。1990年前後と現在を比較すると敷地に面する国道156号は4車線へ拡幅されており、それに合わせて敷地の建物構成も大きく変化していることが予想されます。

 

1988年以前の住宅地図は確認できておらず、住所は一致するもののこの場所が跡地であるという確証はまだありません。情報をお持ちの方は是非ともお寄せ下さい。

 

誌面への掲載は富山県の店舗としては既に紹介した「ゲームインセガ高岡」に次いで2番目となりますが、掲載期間は短く僅か7か月後の1988年4月号を最後に誌面から姿を消しています。

 

そしてウィルトーク掲載終了の2年半後、ちょうど今号であるゲーメスト1990年10月号から再度砺波市の掲載店として登場したのが「オレンジハットとなみ店」となります。

 

こちらはウィルトークタイトー砺波店と同様に立地は国道156号沿いですが砺波市の中心地に近く、現在の砺波市役所の付近となっています。

ゼンリン住宅地図 砺波市1992年より)

こちらは1992年の住宅地図にて存在を確認。

自販機コーナーが併設されていることが地図上でも表記されているため、ドライブイン形式の店舗であったことがわかります。

 

「オレンジハット」と言えば、北関東や甲信地方に現在も営業が続くドライブインが有名ですが、店舗のマーク等が違っており運営母体は異なっているようです。

ここ以外にも同じ砺波市内の「オレンジハットとなみインター店」や、富山県内に複数の店舗を展開していたことを確認しています。

 

ハイスコア掲載はゲーメストが休載となる1999年9月30日号まで丸9年に渡って継続し、長期掲載店となっていました。ただアルカディア誌がハイスコア掲載を再開した際には復活せず、またベーシックマガジンへの掲載履歴はありません。

 

そしてこの店舗名を聞くと咄嗟に「恐ろしいレベルで私物化されたハイスコア店舗欄」を思いつく方もいらっしゃるかもしれません。

 

その月の店舗ハイスコア申請が乏しい時や、ネタとしてスコアネームや備考欄で遊んでいる店舗は良く見受けられましたが、1991年後半あたりから始まった店舗欄への書き込みはだんだんとエスカレートし、93年付近は以下のようなおおよそスコアとは無関係な文章を毎月のように曝していました。

ゲーメスト 1993年4月号より)

 

流石に目に余ったのか1994年に入ると恐らく文章が書き込まれていた箇所が白抜きになり、その後普通の店舗欄へと戻ることとなります。何らかの怒られ事案が発生したのかもしれません。

 

スコアの掲載はゲーメスト休載と同時に終了したものの店舗は比較的最近の2011年まで営業されていたようです。

営業時の店舗外観が掲載されているサイトがありました。

2dera.net

 

現在は写真のように敷地全体がすき家となっていますが、建屋は敷地内の道路に面した場所に新たに建てられており元々のオレンジハット建屋があったであろう場所は駐車場と化しています。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)/トピック店舗:パソコンシティ2000/がらん7(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)

マイコンベーシックマガジン1990年10月号(第9巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は99で先月比-1、ついに100店を割り込んでしまいました。1987年6月以来となるため3年4か月振りとなります。新規掲載店も無く、ゲーメストが刷新で多数の新規掲載店を産んでいるのとは対照的です。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年10月】

マイコンベーシックマガジン 1990年10月号より)

 

チャレハイ編集後記に触れられている「コズモギャングズ」はナムコが1990年に発売したエレメカです。その後「ザ・ビデオ」や「ザ・パズル」でビデオゲーム化することでキャラクターが広く知られることになります。

www.youtube.com

上記動画を見ればお分かり頂けると思いますがガンシューティングに近いゲーム性で、スコアラー御用達のお店では結構ハイスコア狙いにハマる方も多かったようです。集計の要望も届いていたようで、翌11月号において遂に史上初の「エレメカでのハイスコア集計」が実施されるに至ります。

 

しかし以後同様に集計対象となったエレメカはありませんでした。それこそ後年に登場したナムコの「パニックパーク」やセガの「タッチデウノー」シリーズあたりは集計してもよさそうな気がしますが、エレメカ扱いという理由で集計されなかったと記憶しています。前例はあったんですけどね…

 

トピック店舗:パソコンシティ2000/がらん7

続いてトピック店舗です。

 

1990年前後の長野県マイナー集計店から「パソコンシティ2000」及び「がらん7」の2店をピックアップします。

 

【パソコンシティ2000】

マイコンベーシックマガジン 1987年10月号より)

2022年9月10日撮影

【がらん7】

マイコンベーシックマガジン 1989年6月号より)

2022年10月9日撮影

 

最初に取り上げる「パソコンシティ2000」ですが伊那市中心部の飯田線伊那市駅前に立地していました。

 

長野県南信地域はゲーメストへの掲載店が多く、ベーマガゲーメストとの重複掲載が多かったのですがこちらはベーマガ単独掲載店となっています。

(J.P.A.住所詳細図 伊那市1990年より)

 

当時の地図で伊那市駅に近い錦町踏切に面した線路脇に存在を確認しています。

現在は不動産業者の店舗となっていますが、1階が当初から駐車場のような構造となっているため当時の建物とは異なっていると想像されます。隣接している「パチンコ東亜会館」も含めて建て直しがなされているようです。

 

店舗の前の道を北西方向に進んだ交差点に現在も存在する「通り町第一ビル」にも「シマダヤ」の文字があり、当初ここが跡地かと思いましたが住宅地図にて特定に至りました。

 

元々シマダヤは伊那市中心部で衣料日用雑貨店を中心に営業していた老舗で、該当する場所も1階がバラエティストア・シマダヤとなっており建屋はシマダヤ所有だったことと思われますが、2階のパソコンシティについての詳細は発見出来ませんでした。店舗名称からするとゲームソフトやPC関係の取扱がメインで店舗の一部をゲームコーナーにしていたのでは、と予想しています。

 

誌面への掲載はベーマガ1987年10月からスタート。

掲載期間は短く1989年1月号を最後に誌面から姿を消していますが90年住宅地図で店舗が残っていることから、閉店ではなく掲載停止であったことがわかります。

 

ゲーメスト掲載店のがらん3と掲載期間が重複しており、最寄駅は隣ですがスコア欄を見る限りではプレイヤーが重複している形跡は感じられませんでした。

 

そして「がらん3」の名前が出たところで2軒目の「がらん7」の紹介に移ります。

 

その店舗名が示すように、既に南信地域で掲載店として展開されていた「がらんがらん」「がらん3」に次いで、遂に地域の中心都市である松本市へ店舗展開されることになります。

マイコンベーシックマガジン 1989年6月号より)

 

ベーマガ1989年6月号から誌面に登場しますが、その号には店舗欄に加えて上記の店舗地図が同時に掲載されていました。松本キャロットやウィルトークの場所をあえて記載している所に対抗意識を感じます。その割に「ただ、ひまなだけです」と初めて登場する店舗の広告にあるまじき自虐的なコピーが踊っている所に当時の業界の緩さが滲み出ています。

ゼンリン住宅地図 松本市1990年より)

そして店舗欄住所、および誌面の概略地図の場所を1990年の住宅地図で確認すると「ファミコンショップ マイコンランド」の存在が確認出来ました。「がらん7」の表記はありませんが、店舗広告の「中古ファミコンソフト売買します」の内容から中古ソフト店と併存していたことが想起されるため、この場所で間違いないと判断しています。

 

ただこの場所、ショッピングセンターのカタクラモールから近いとはいえ松本駅前の中心市街地からは徒歩15分程度とかなり距離があり、駅付近の店舗に出入りする客層を引っ張ってくるのはかなり無理があったようです。

 

実際に行ったことがある方の情報ではお店はいつも空いており、1年程度で閉店していたとのこと。そのため掲載は1989年12月号までの僅か半年間となっています。

ゲーメスト 1989年6月号より)

また他の系列2店とは異なりゲーメストへの掲載履歴はありませんでした。姉妹店のがらん3のコメントで僅かに触れられたに留まっています。

 

そして現在の写真では該当箇所は普通の住宅となっています。

写真の家屋が店舗だったとは考えにくく、しかしながら家屋や外構からはあまり新しさは感じません。閉店直後に現在の住宅が建てられたのであれば30年以上経過しているため、以前にこの場所にあった建屋に居抜きで営業を開始したものの程なく撤退し、直後に現在の宅地になった、と考えるのが自然と思われますが、情報をお持ちの方は是非ともコメント頂ければと存じます。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号/トピック店舗:ゲームインセガ高岡(富山県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年9月号)

ゲーメスト1990年9月号(第5巻第9号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

翌50号の掲載店大幅入れ替えを控え、また7,8月号にて掲載を終了した店舗が多数発生した影響で、総掲載店数は82と前月比-9まで落ち込みました。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年9月】

ゲーメスト 1990年9月号より)

 

流石に今号の新規掲載店は0。

そして先々月、先月からさらに引き続いて以下の店舗が今号を最後に掲載店から姿を消しています。

 

ナムコ

サンペディックナムコランド(千葉県)

プレイシティキャロット琴似店(北海道)

プレイシティキャロット佐世保店(北海道)

プレイシティキャロット仙台店(宮城県

秋田キャロットハウス(秋田県

プレイシティキャロット島大前店(島根県

 

タイトー

ウィルトークタイトー高崎2号店(群馬県

 

・その他

アミューズメントマリオ(岡山県

 

ナムコ系ロケーションの大量離脱が目立ちます。

しかもサンペデックナムコランドやプレイシティキャロット琴似、仙台といった一時は地域の代表格だった店舗が含まれています。

琴似店はコーナー末尾の「ハイスコア通信」に店舗改装のコメントを入れている位なので、とても今号で掲載が終了するという雰囲気ではありません。

 

そして今回ゲーメストへの掲載は停止したものの、ベーシックマガジンには引き続き掲載を継続していた店舗がいくつか含まれているため、主にベーマガと重複掲載となっているナムコ系店舗に対して店舗枠確保のために掲載終了依頼がされたのではないかと推測しています。

 

またこの頃はナムコ黄金時代が終焉しつつあり、加えて当時のナムコロケーションは小規模店舗の整理(特に都市部及びその周辺のキャロット系店舗)とゲームファン向け店舗からの業態変化(平たく言えばゲームマニアの排除)を図っていたこともあって、スコアの掲載終了に店舗が同意しやすい時期だったのかもしれません。

 

トピック店舗:ゲームインセガ高岡

続いてトピック店舗です。

 

前回に続き北陸地区の初期ゲーメスト掲載店から、富山県の「ゲームインセガ高岡」をピックアップします。

ゲーメスト 1987年8月号より)

2021年7月22日撮影

 

富山県初のゲーメスト掲載店となります。

 

場所は高岡駅中心市街地である駅北口前の路地を入った場所です。

1984年8月~1987年12月まで、ベーマガでは「ダイエーレジャーランド高岡店」がノミネートされていましたが、そちらとは反対方向となります。

ゲーメスト 1987年4月号より)

 

ハイスコア掲載開始は1987年8月号からなのですが、ゲーメスト誌上で地域のゲームセンターを紹介する「ランダムピックアップ」コーナーの北陸特集で、1987年4月号にて先に店舗が紹介されています。当時の店内光景写真が貴重です。

 

記事内にて場所が「高岡駅前・ユニーのお隣」と記されています。

当時の住宅地図を確認したところ、ユニーに隣接している「伊勢ビル」が該当するのではないかと思われます。

ゼンリン住宅地図 高岡市1988年より)

 

建物2階に「ゲーム ファンタジー」と記されていますが、「ゲームインセガ高岡」の文字はありません。「元畑」という字名が地図上では現れていませんが末広町50-1という場所は一致しており、またユニー付近に他にゲームセンターが確認で出来なかったことから、こちらの「伊勢ビル」を所在地として判断しています。

 

ゲーメスト誌面が店舗紹介記事を掲載する場合は大抵簡略な地図が入っているのですが、この高岡の紹介では地図が存在せず、また建物2階との記載もないため、この記事の内容と住宅地図をもってしても伊勢ビルが100%正確な位置とは言い切れなくなっています。情報をお持ちの方は是非ともコメントを頂きたくお願い申し上げます。

 

現在はビルのオーナーが変わったのか写真のようにビル名称は「ハイエストビル」に変わっており、テナントは全て飲食店です。隣接していたユニーは撤退し、既に建屋もなく立体駐車場になっており付近に人影はまばらで、地方都市の駅前を象徴するような光景が展開されていました。

 

そして誌面へのスコア掲載は1987年8月号から1994年1月号までの6年半に及び、比較的長期の部類に属します。ベーマガへの掲載は行われませんでした。

掲載終了は閉店によるもので、ハイスコア通信欄にその旨が記載されています。

ゲーメスト 1994年1月号より)

同時期のセガ系店舗の殆どは「ハイテク(ランド)セガ」の店舗名称だったのに対し、こちらは最後までゲームインセガの名称が変わることがなかったのも特徴的で、隣県の金沢市に存在した同じくセガ系の「ゲームインカナザワ」と共通点が多いと思われます。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年8月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号/トピック店舗:ゲームコーナーマカオ(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年9月号)

マイコンベーシックマガジン1990年9月号(第9巻第9号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は100ちょうどとなり、先月比-7と今月も大きく数字を減らしています。2ヵ月前の113から2ヵ月で一気に約1割が減少したことになります。また新規掲載は今月も無しとなっています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年9月】

マイコンベーシックマガジン 1990年9月号より)

 

チャレハイ通信欄に「UFOキャッチャー入荷」のコメントがあります。最初のUFOキャッチャーブームはセガの「NEW UFO CATCHER」が販売された1991年以降と認識しているので、この頃はまだ本格的なブーム前であり設置機種は初代UFO CATCHERであろうと思われます。

 

大型筐体ものに目新しさが無くなり、テトリスのブームも沈静化したこの頃のビデオゲーム市場は少々頭打ちな感もあり、ビデオゲーム以外の収益を確保するためにプライズゲームが着目され始めた時期です。

 

当時のプライズゲームは店頭に1,2台設置されるだけで、まだビデオゲームがゲームセンターの主流であることに変わりはありませんでしたが、高い収益とメーカーのゲームセンター客層転換の意向も絡んでプライズゲームに店舗は着々と浸食されていくことになります。最もこれが無ければもっと早くにゲームセンターは滅んでいたのかもしれませんが。

 

トピック店舗:ゲームコーナーマカオ

続いてトピック店舗へ移ります。

 

前回に引き続き長野県の掲載店より、長野市の「ゲームコーナーマカオ」をピックアップします。

マイコンベーシックマガジン 1988年1月号より)

2022年9月10日撮影

 

JR長野駅の真正面にある現在の「長野東急REIホテル」がかつての「長野ロイヤルホテル」であり、その地下1階の飲食店街に存在したようです。

 

ちなみに現在も「ロイヤルホテル長野」というホテルが存在していますがそちらはかつて「信州松代ロイヤルホテル」という名称であり、長野自動車道の長野インターチェンジに近く場所も異なることから全く別のホテルであると認識しています。

ゼンリン住宅地図 長野市北部1988年より)

 

誌面記載の「長野市石堂東1365」という住所は現在は使われていないようで、東急REIホテルの住所は「長野市南千歳1丁目28-3」となっていますが住宅地図上では同位置となり、長野ロイヤルホテルの表記もあるためこの場所で間違いないと判断しています。

 

ただ当時の地下1階テナント一覧に「ゲームコーナーマカオ」の文字がありません。

ベーシックマガジンへの掲載期間が1988年1月~10月までとなるため、1988年の住宅地図であれば店舗の掲載時期と一致するはずなのですが…もう少々調査が必要のようです。何か情報をお持ちのかたがいらっしゃればコメントをお寄せ下さい。

 

ちなみにこちらの飲食街はホテル正面左側にある3枚目写真の「地下飲食街入口」以外に長野電鉄長野駅へ直結する通路があり、改札から直接訪れることも出来ます。

 

 

この写真は長野駅改札前方向からホテル入口通路を撮影したもの。奥に立ち食い蕎麦店がありその先がホテルへと続いています。立地としては最高の店舗だったと思いますがいつまで営業がなされていたのかは不明。長野ロイヤルホテルは1998年の長野オリンピック終了後に閉業、その後ホテルサンルートとなりましたがこちらも2010年に移転し、空きビルとなっていた所に2016年11月から現在の東急REIホテルが入居し現在に至っているようです。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年8月号

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