小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号/トピック店舗:WE'LL TALK TAITO騎射場店/TOPGUN(鹿児島県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年11月号)

ゲーメスト1990年11月号(第5巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。


10月号で18店の新規掲載店追加があったものの、7月号の時点では22店の掲載希望店があったと誌面に情報が展開されており数が一致しなかったのですが、今号で5店の追加がされたため合計での新規掲載は23店となっています。


・その他

ファミリーランドピノキオ(北海道)

f:id:annaka-haruna:20201004101126j:plain


プレイランドファンタジア(秋田県

f:id:annaka-haruna:20201004101153j:plain


西銀座ゲームプラザ(山梨県

f:id:annaka-haruna:20201004101217j:plain


ゲームシティダダ(島根県

f:id:annaka-haruna:20201004101236j:plain


丸久ファミリーランド小郡店(山口県

f:id:annaka-haruna:20201004101257j:plain

ゲーメスト 1990年11月号より)


この追加に伴い、掲載店総数は94まで戻しました。

以下スコア欄を掲載します。


【めざせハイスコア 1990年11月】

ゲーメスト 1990年11月号より)


今回の新規集計店募集に関しては、当初から「集計店が存在しない県を優先」と明言していたこともあり、広範囲の地域から店舗か選ばれています。

北海道の中標津、秋田の本荘、福島の会津若松、栃木の今市、福井の大野、岡山の津山、島根の出雲、長崎の島原、鹿児島の国分…


これはこの頃のゲーメスト集計店の特徴だと思っているのですが、東京都や大阪府の大都市圏や、地方でも県庁所在地レベルの掲載店が少なく、比較的地方都市に集計店が偏っていました。


この11月号において東京都の23区内の店舗は、既に有力店として知られていた巣鴨、神保町、荏原の3店以外では、集計開始当初から続いている池袋サンシャインのゲームプラザ・ザ・ゴリラ、そして中央プラザ大泉店と10月号で追加されたプレイランド池袋ラスベガスの6店しか存在しません。関東近隣でも神奈川は川崎市横浜市、千葉県千葉市や現在の埼玉県さいたま市(浦和、大宮)には集計店が無く、大阪府も吹田や寝屋川といった衛星都市はともかくとして大阪市の店舗となるとプレイシティNASA杉本町店でようやく復活したというレベルです。

「全国どこでも満遍なくスコアアタックが可能」というスタンスは問題ないと思いますが、人口比で言えば都市圏において集計店舗数が少なすぎるという弊害はあったように思います。


ただこの頃は特にメーカー系店舗において都市圏の店舗は一見さんを重視してゲームマニア排除に動いていたため、集計店としてアピールする必要がないどころかむしろ害悪とみなされ、反面郊外や地方の店舗は少ない人口から固定客を囲い込むためにゲームマニアにアピールする必要があった、という側面もありますが。


トピック店舗:WE'LL TALK TAITO騎射場店/TOPGUN

続いてトピック店舗へ移ります。


ベーマガと合わせてゲーメストも南九州の初期掲載店舗から、鹿児島市の「WE'LL TALK TAITO騎射場(きしゃば)店」と「TOPGUN」の2店をまとめてピックアップします。


【WE'LL TALK TAITO騎射場店】

ゲーメスト 1986年11月号より)

2023年11月24日撮影


【TOPGUN】

ゲーメスト 1989年6月号より)

2022年8月8日撮影

南九州地域と言えば宮崎県と鹿児島県が該当しますが、そこに中九州地域の範疇である熊本県大分県まで含めて最初にゲーメストへの掲載店となったのが最初に紹介する「WE'LL TALK TAITO 騎射場店」となります。

名前から分かるようにタイトー系店舗ですが、「めざせハイスコア!」欄にて「ウィルトーク」という名称で初めて掲載された店舗でもあります。ベーマガにおいてもウィルトークの名称は1986年11月号が初登場となっており、この時期からブランド展開が開始されたと考えて間違いなさそうです。


鹿児島市の繁華街と言えば天文館が有名ですが、ここは住所を検索すると天文館からは2㎞程度離れた鹿児島市電の騎射場停留場の目の前となります。電停の付近は繁華街というレベルではないものの、鹿児島大学に近いこともあってかパチンコ店や飲食店が立ち並んだちょっとした商業集積地域になっています。


1987年の住宅地図を確認しましたが、ちょうど見開きの場所となりコピーを取ると建物の場所がつぶれて判別不能となってしまいました。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市1987年より)


そのため2002年の住宅地図を別途確認したところ、店名は「TAITO INN 騎射場店」へ変わっているものの誌面記載の住所に存在を確認出来たため合わせて掲載します。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市北部2002年より)


前述のように初掲載こそ1986年11月号と早かったものの、次の登場は1987年8月号と大きく間隔が空いてしまいます。その後1989年1月号までは比較的コンスタントに掲載を続けましたが、再度5月号まで掲載を空けた後にフェードアウトしました。実質掲載期間は2年程度となっています。

2023年11月24日撮影


店舗は2002年の住宅地図にもあるように掲載終了後も営業を続けていたようですが閉店時期は分かっていません。現在該当箇所は居酒屋となっています。

ただ現地で見つけた商工案内図(上記写真)にはまだ表記が残っていました。商工案内は結構頻繁に更新されるイメージなので最近まで店舗は残っていたのでは?とも思わせますが2002年以降に店舗が営業されていた形跡は発見されていません。


そしてウィルトークタイトー騎射場店が掲載を終了した翌月のゲーメスト1989年6月号より新たに登場した鹿児島市の店舗が「TOPGUN」です。

この号で一気に9店の新規掲載店が登場しますがその中の1店となっています。


場所は当時の西鹿児島駅、現在の鹿児島中央駅近隣に延びる商店街「ベル通り」に面していたようです。

誌面住所を1987年の住宅地図にてチェックすると「ハイテクランド」の文字が確認出来ます。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市1987年より)

「ハイテクランド」と言えばセガ系店舗の認識ですが、80年台後半に入るとセガは既にビデオゲーム中心の小規模店舗運営から撤退を開始しており、元々セガ系だった店舗の運営元が変わった可能性が考えられそうです。隣接した場所にも特にゲームセンターらしき物件はないことから、恐らくこの場所で間違いはないと思いますが委細ご存じの方が見えましたら情報をお待ちいたしております。


しかし鹿児島県唯一のゲーメストハイスコア集計店となったのも束の間、この号単発の掲載に留まり翌号以降に再度姿を現すことはありませんでした。

まだ誌面への店舗欄掲載希望が多かった時期でもあり、また同時に掲載がスタートした他の8店はほとんどが2年以上に渡る掲載期間となっています。スコア集計初期と異なり単発で掲載を終了することはレアケースとなっており、狭き門をくぐって手に入れた掲載権利を即手放したのは何か特別な事情があったのかもしれません。


現在は当時の建物が残っておらず、更地となった場所に簡易な構造のチケットショップが建っています。閉店時期は不明なのですが、2002年の時点では既に雀荘へと姿を変えていたようです。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市北部2002年より)


ただ同じく2002年の住宅地図において、商店街を更に徒歩5分程度南下したJR鹿児島本線の陸橋(中州通り)付近にある「上杉第8マンション中央」1階に「トップガン」というゲームセンターの存在を確認しています。

ゼンリン住宅地図 鹿児島市北部2002年より)

2022年8月8日撮影


該当するマンションは残っていますが1階店舗部分はコインランドリー部分を除いて駐車場となっており店舗の形跡は何も残っていません。

場所が近いため旧トップガンからこちらへ移転したことが想像されますが真相は不明です。こちらも情報をお待ちいたしております。


【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号