小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)/トピック店舗:パソコンシティ2000/がらん7(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)

マイコンベーシックマガジン1990年10月号(第9巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は99で先月比-1、ついに100店を割り込んでしまいました。1987年6月以来となるため3年4か月振りとなります。新規掲載店も無く、ゲーメストが刷新で多数の新規掲載店を産んでいるのとは対照的です。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年10月】

マイコンベーシックマガジン 1990年10月号より)

 

チャレハイ編集後記に触れられている「コズモギャングズ」はナムコが1990年に発売したエレメカです。その後「ザ・ビデオ」や「ザ・パズル」でビデオゲーム化することでキャラクターが広く知られることになります。

www.youtube.com

上記動画を見ればお分かり頂けると思いますがガンシューティングに近いゲーム性で、スコアラー御用達のお店では結構ハイスコア狙いにハマる方も多かったようです。集計の要望も届いていたようで、翌11月号において遂に史上初の「エレメカでのハイスコア集計」が実施されるに至ります。

 

しかし以後同様に集計対象となったエレメカはありませんでした。それこそ後年に登場したナムコの「パニックパーク」やセガの「タッチデウノー」シリーズあたりは集計してもよさそうな気がしますが、エレメカ扱いという理由で集計されなかったと記憶しています。前例はあったんですけどね…

 

トピック店舗:パソコンシティ2000/がらん7

続いてトピック店舗です。

 

1990年前後の長野県マイナー集計店から「パソコンシティ2000」及び「がらん7」の2店をピックアップします。

 

【パソコンシティ2000】

マイコンベーシックマガジン 1987年10月号より)

2022年9月10日撮影

【がらん7】

マイコンベーシックマガジン 1989年6月号より)

2022年10月9日撮影

 

最初に取り上げる「パソコンシティ2000」ですが伊那市中心部の飯田線伊那市駅前に立地していました。

 

長野県南信地域はゲーメストへの掲載店が多く、ベーマガゲーメストとの重複掲載が多かったのですがこちらはベーマガ単独掲載店となっています。

(J.P.A.住所詳細図 伊那市1990年より)

 

当時の地図で伊那市駅に近い錦町踏切に面した線路脇に存在を確認しています。

現在は不動産業者の店舗となっていますが、1階が当初から駐車場のような構造となっているため当時の建物とは異なっていると想像されます。隣接している「パチンコ東亜会館」も含めて建て直しがなされているようです。

 

店舗の前の道を北西方向に進んだ交差点に現在も存在する「通り町第一ビル」にも「シマダヤ」の文字があり、当初ここが跡地かと思いましたが住宅地図にて特定に至りました。

 

元々シマダヤは伊那市中心部で衣料日用雑貨店を中心に営業していた老舗で、該当する場所も1階がバラエティストア・シマダヤとなっており建屋はシマダヤ所有だったことと思われますが、2階のパソコンシティについての詳細は発見出来ませんでした。店舗名称からするとゲームソフトやPC関係の取扱がメインで店舗の一部をゲームコーナーにしていたのでは、と予想しています。

 

誌面への掲載はベーマガ1987年10月からスタート。

掲載期間は短く1989年1月号を最後に誌面から姿を消していますが90年住宅地図で店舗が残っていることから、閉店ではなく掲載停止であったことがわかります。

 

ゲーメスト掲載店のがらん3と掲載期間が重複しており、最寄駅は隣ですがスコア欄を見る限りではプレイヤーが重複している形跡は感じられませんでした。

 

そして「がらん3」の名前が出たところで2軒目の「がらん7」の紹介に移ります。

 

その店舗名が示すように、既に南信地域で掲載店として展開されていた「がらんがらん」「がらん3」に次いで、遂に地域の中心都市である松本市へ店舗展開されることになります。

マイコンベーシックマガジン 1989年6月号より)

 

ベーマガ1989年6月号から誌面に登場しますが、その号には店舗欄に加えて上記の店舗地図が同時に掲載されていました。松本キャロットやウィルトークの場所をあえて記載している所に対抗意識を感じます。その割に「ただ、ひまなだけです」と初めて登場する店舗の広告にあるまじき自虐的なコピーが踊っている所に当時の業界の緩さが滲み出ています。

ゼンリン住宅地図 松本市1990年より)

そして店舗欄住所、および誌面の概略地図の場所を1990年の住宅地図で確認すると「ファミコンショップ マイコンランド」の存在が確認出来ました。「がらん7」の表記はありませんが、店舗広告の「中古ファミコンソフト売買します」の内容から中古ソフト店と併存していたことが想起されるため、この場所で間違いないと判断しています。

 

ただこの場所、ショッピングセンターのカタクラモールから近いとはいえ松本駅前の中心市街地からは徒歩15分程度とかなり距離があり、駅付近の店舗に出入りする客層を引っ張ってくるのはかなり無理があったようです。

 

実際に行ったことがある方の情報ではお店はいつも空いており、1年程度で閉店していたとのこと。そのため掲載は1989年12月号までの僅か半年間となっています。

ゲーメスト 1989年6月号より)

また他の系列2店とは異なりゲーメストへの掲載履歴はありませんでした。姉妹店のがらん3のコメントで僅かに触れられたに留まっています。

 

そして現在の写真では該当箇所は普通の住宅となっています。

写真の家屋が店舗だったとは考えにくく、しかしながら家屋や外構からはあまり新しさは感じません。閉店直後に現在の住宅が建てられたのであれば30年以上経過しているため、以前にこの場所にあった建屋に居抜きで営業を開始したものの程なく撤退し、直後に現在の宅地になった、と考えるのが自然と思われますが、情報をお持ちの方は是非ともコメント頂ければと存じます。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号