小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1986年9月号/トピック店舗:ビッグキャロットTOC店→プレイシティキャロットTOC店(東京都)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1986年9月号)

マイコンベーシックマガジン1986年9月号(第5巻第9号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

店舗数は108となり、7,8月号では別枠を設けて確保した店舗欄は本来の7ページに戻りました。総数は減少したものの新規店は中部地区から2店追加されています。

 

・その他

レジャックIN-UFO(岐阜県

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天野スポーツゲームコーナー(愛知県)

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マイコンベーシックマガジン1986年9月号より)

 

天野スポーツゲームコーナーは、「天野ゲーム博物館」として現在も存続し全国に名前が知られているお店ですが、ここで初めて誌面に登場しました。

当時三河在住だった私は一度お邪魔したものの、西尾市という場所は微妙に交通の便が悪いため「博物館」になるつい最近まで再訪することが無かったのですが、後々にここまで有名な店舗になるとは当時は思いもよりませんでした。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1986年9月】

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マイコンベーシックマガジン1986年9月号より)

 

最終頁に掲載された広告枠と、その上部の微妙な空欄から「本来ここも店舗欄となる予定だった」感が溢れています。

ちなみに先月で掲載が終了した店舗は以下3店です。

 

セガパソピアードイセザキ店(神奈川県)

・ゲームコーナーニューオリンピア(東京都)

・GAME SPOT 21(東京都)

 

掲載終了店舗が目立って多い訳ではないため、偶々掲載店からの集計用紙の到着が少なかったのでしょうか。

 

セガパソピアードイセザキ店」は7月号のエントリーで紹介した2店のうち「横浜市中区伊勢佐木町2-18-2」の方で、「ビデオインイセザキ」として掲載が始まった「横浜市中区伊勢佐木町2-11-11」の方はまだ掲載が続いています。(今月は店舗欄がありませんが…)

また、2021年1月に惜しまれながら閉店した新宿の「GAME SPOT 21」もスコアの掲載を終了。姉妹店の国分寺店の掲載はまだ継続しています。バーチャファイターのお店としてのイメージが強すぎるのもありますが、掲載終了から35年も経過していればハイスコア集計店のイメージが薄いのもやむを得ないという所でしょうか。

 

トピック店舗:ビッグキャロットTOC店→プレイシティキャロットTOC

続いてトピック店舗です。

五反田のランドマーク、TOCビル内にあった「ビッグキャロットTOC店→プレイシティキャロットTOC店」を取り上げます。

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マイコンベーシックマガジン1985年3月号より)

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2021年8月23日撮影

 

山手線五反田駅から第二京浜国道1号)を歩くこと10分程度の場所に、卸売業者が集まった施設である東京卸売センター(TOC)ビルがあります。

このTOCビルの地下1階には飲食店や小売業者が集積しているのですが、その中にゲームセンターとしてナムコのキャロットが存在していました。 

 

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ゼンリン住宅地図 品川区1987年より)

 

ベーシックマガジンへの掲載開始は当時の東京都内のキャロットにしては後発の1985年3月。オープンは1973年とのことでインベーダーブームよりも遥か前となり非常に歴史ある店舗なのですが、卸売業者専門のビル内という特殊な環境のためか、五反田に本社を構える電波新聞社から最も近い場所であったにも関わらず、チャレンジハイスコアのスタートからハイスコア集計店として登録されるまでに1年以上を要していました。

 

スコアの掲載は1993年5月号が確認された時点では最後となります。

当初は東京の特に城南地区のスコアラーに支持を得ていたようですが、90年台に入る頃に徐々に勢いが落ち、最後は寂しいスコア欄となっていたのは東京周辺の他のキャロットと同様でした。

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(NOURSバックナンバー No.29 2000年8月号「全国ナムコ店舗ガイド 東京編」より) 

こちらもスコア掲載終了後も営業は継続しており、2000年のナムコ店舗ガイドにも掲載されています。この時点で30年近く営業が続いていたことになります。

 

私は勤務先の都合で2013~2014年の1年程度TOCに通勤していた時期があるのですが、その際にはキャロットは既に撤退していたものの地下1階にゲームコーナーが営業しており、ミスタードリラーのホリススムの装飾が施してあったことからキャロット撤退後に居抜きで別の業者が営業を続けていたようです。

結局その居抜き店舗も2014年頃には閉店し、シャッターが降りたままとなっていました。末期はプライズ機とパチスロ機程度しか設置されていなかったと思います。

www.interior-plus.jp

2013年当時のTOC地下1階テナント案内図が映ったサイトがありました。

キャロットの位置に「ゲームファンタジー」という店舗の存在が確認出来ます。

現在は文具店となっていますが、ゲームファンタジー閉店後に新たにテナントとしてこの場所へ入居したのではないかと思われます。

 

そしてTOCビルそのものも1970年の竣工から既に50年以上を経過し、かねてから耐震性に問題があることを指摘されていましたが、2023年に解体され、2027年に新TOCビルとして竣工することが決定したようです。ニュー新橋ビル共々、古くからの地域のランドマークも着々と再開発が進行し、この建物を拝める時間もあと2年程度に迫っています。

 

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