小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年8月号/トピック店舗:川沿キャロットハウス(北海道)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1985年8月号)

マイコンベーシックマガジン1985年8月号(第4巻第8号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載数は112店まで戻ります。新規掲載も2店あります。

 

ナムコ

プレイシティキャロット笹塚店(東京都)

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プレイシティキャロット椎名町店(東京都)

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マイコンベーシックマガジン 1985年8月号より)

 

東京都下においては都心部にあまり店舗を構えず、少し外した学生街や衛星都市の駅周辺への出店が多かったキャロットですが、新宿の隣の笹塚、池袋の隣の椎名町と引き続きその傾向が続きます。

 

一方、先月を最後に以下3店のナムコ系店舗が掲載を終了しています。

・ゲームスペースミライヤ(東京都)

・プレイシティキャロット一番街店(東京都)

・プレイシティキャロット流川店(広島県

 

実験店舗の意味合いが強かったミライヤは別として、新宿歌舞伎町に位置している一番町、広島繁華街の流川と、5月号で終了したすすきのを含めて中心繁華街店舗での掲載終了が目立ちます。

 

1985年2月に新風営法が施行され、24時以降の営業が出来なくなったことにより繁華街型店舗の旨味が無くなったことが原因として考えられますが、繁華街への出店は後発だったナムコが新風営法の施行を契機として元々弱かった繁華街型店舗からの撤退を早々に開始したという捉え方も出来ると思います。

 

また休載が多く、6.7月号では店舗欄も設けられなかった4店(「アドベンチャー(北海道)」「レーサーランド(青森県)」「フラッシュイントヨタ(愛知県)」「ゲームプラザUFO(大阪府)」)が再び休載表記ですが店舗欄が復活。店舗からのクレームがあったのでしょうか。

 

しかしながら、大阪のゲームプラザUFOが11月号に1回だけスコアが掲載された以外は、いずれも休載が続き1985年12月号の掲載が最後となっています。休載が連続している時点で集計を継続するつもりは端からなかったということでしょう。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1985年8月】

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マイコンベーシックマガジン 1985年8月号より)

 

「ひとくちメモ」の欄に「スコアの備考欄にクレジット数、設定等を記入したものをトップとして認定する」旨が記載されています。

現在は「工場出荷設定」のみが集計対象となることが周知されていますが、この時点ではそこまでのルールは明文化されていませんでした。設定さえ記入していれば1コインであればハイスコアとして認定するということだったのでしょうか。

 

トピック店舗:川沿キャロットハウス

トピック店舗へ移ります。

引き続き北海道の初期ナムコ系掲載店より、「川沿キャロットハウス」を取り上げます。

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 (スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年3月号より) 

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2021年3月28日撮影

 

「プレイタウン赤い風車」が面している国道230号を定山渓方面へ南下するとイオン札幌藻岩店とコナミスポーツクラブがある交差点があります。国道を札幌市街地方面から見て左折し真駒内方面へ向かうと豊平川に掛かる五輪大橋がありますが、その袂に店舗があったようです。

ゼンリン住宅地図 札幌市南区1985年より)

当時の住宅地図を確認すると、3枚目写真の白いアパートが店舗の裏手にあたるため、現在のコナミスポーツクラブの駐車場の場所が該当するようです。目の前が五輪大橋のため住所だけでなく物理的にも川沿に立地していたことが分かります。

 

ここも赤い風車同様に店内で飲食が提供されていました。弁当のテイクアウトも可能だったとか。郊外の幹線道路沿道のため、赤い風車同様にドライブイン的な店舗だったようです。

1987年当時の店舗外観写真がベーマガ誌上に残っていました。

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マイコンベーシックマガジン1987年10月号、「見城こうじのゲームセンター放浪記3」より)

 

この写真を見ると「CARROT HOUSE」という名前の食堂兼弁当屋にしか見えません。赤い風車もそうですが、特に札幌市内のナムコ系店舗は店内で飲食が提供されていた場所が多く、他地域のナムコ店舗と比較すると異彩を放っていた面があります。

 

この年齢になると長時間ゲームを続けていることが難しくなるため、店内で食事や休憩が可能で長時間滞在しやすいドライブインタイプの店舗は寧ろ積極的に利用したいと思うのですが、飲食を扱うとどうしてもスタッフを厚く充てなければならず人件費が嵩むことが想定されます。

 

また特にゲームセンターは「坪単価」の概念が支配的で、飲食を併設して面積を食い店舗の坪単価が下がることは特に風営法が改正され24時間営業が出来なくなってからはあまり営業的に推奨されなかったのかもしれません。

 

ハイスコア集計は1984年3月~1987年11月まで継続しました。店舗の営業はその後も続いていたようですが、閉店時期については確認出来ていません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年7月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1985年9月号