小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年10月号/トピック店舗:マイコンゲームI.B/ビデオインJOY(兵庫県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1989年10月号)

マイコンベーシックマガジン1989年10月号(第8巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総店舗数は109となり先月比+4。5店の新規掲載を確認しています。

 

タイトー

ビデオイン深江(兵庫県

 

・その他

西銀座ゲームプラザ(山梨県

 

プレイシティマンモス(三重県

 

ゲームハウスキャンディ(大阪府

 

サブカルチュア(福岡県)

マイコンベーシックマガジン 1989年10月号より)

 

今号から掲載開始された5店も、山梨県の「西銀座ゲームプラザ」以外は西日本に寄っています。

 

減少傾向とは言えナムコ系店舗は依然今号では関東1都6県だけで17店を数え、北海道東北まで加えると24店と多くを占めていたことから掲載店の入れ替えが乏しかった東日本と比べると、特に関西のナムコ系は既に今号で2店(関大前、京都)まで減少しており、その分他社店舗による新陳代謝が起きていたと言えそうです。

 

そして福岡県でモンキーハウス本館と双璧を為していた筑紫野市の「サブカルチュア」は今号から登場。ゲーメストへの掲載は1990年10月号からのため1年早く掲載が開始されていました。

 

また「ゲームハウスキャンディ」はSNKの直営店。「キャンディ筐体」と言えばSNKの汎用筐体名称のため言われてみれば、という感じです。1989年4月から掲載が開始されている尼崎市の「ゲームインウエスタン」もSNKの直営店という情報を頂いており、関西に2店舗が並行して掲載店として名乗りを上げます。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1989年10月】

マイコンベーシックマガジン 1989年10月号より)

 

タイトーの「ナイトストライカー」ですが、コース別集計を行っていたゲーメストに対してベーマガは出回りが悪いという理由で初回からのコース別集計は見送られました。

 

個人申請という手段を有していたゲーメストに対してベーマガは掲載店のみの勝負になるため、流通度の低いゲームは充分な申請が集まらなかったという事情はありそうです。一方ナムコの「ダートフォックス」は1P~4Pまでタイム集計されており、ナムコ系掲載店舗が多く申請数が多かったことが集計に有利に作用する結果となっています。(ダートフォックスがそこまで優遇される程のゲームだったのか?と言われると正直疑問ではあります。)

 

トピック店舗:マイコンゲームI.B/ビデオインJOY

トピック店舗は引き続き兵庫県の初期掲載店から「マイコンゲームI.B」及び「ビデオインJOY」の2店を取り上げます。

 

マイコンゲームI.B】

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より)

2022年6月18日撮影

 

【ビデオインJOY】

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年11月号より)

2022年5月2日撮影

 

マイコンゲームI.B」は兵庫県の最も大阪寄りである尼崎市にあり、阪急神戸線園田駅前にある商店街内に位置していました。

 

駅北口を出て真北に伸びる商店街を進むと、右手に現れるスナック等の小規模店が集まった「第3三功ビル」という雑居ビルが跡地となります。

 

1985年の住宅地図において、ビル及び店舗の存在を確認出来ています。

ゼンリン住宅地図 尼崎市北部1985年より)

 

ビル1階に「ゲームセンターI.B」の文字があります。

 

現地調査を行った際、そのものずばりのビルが存在したためそこが跡地であると疑いを持たなかったのですが、現地では北に伸びる商店街と西側から伸びる道の交差点に面してビルがあるのに対し、当時の住宅地図では交差点より更に北側にビルが描かれています。

 

また、住宅地図では第3三功ビル単独でコの字型の形状をしているのに対し、現在は第3三功ビルおよびパロ園田ビルの2つを合わせてコの字型になっているようです。

2022年6月18日撮影

 

こちらの写真は「パロ園田ビル」入口ですが、形状や店舗案内の看板は第3三功ビル側とほぼ同一であり、奥の通路で両ビルは繋がっています。

 

そのため元々は「パロ園田ビル」についても「第3三功ビル」の一部であったのが、何かしらの理由でビルの名義が分割され現在に至っている模様です。よって「パロ園田ビル」側に店舗があった可能性があることを付記しておきます。

いずれにしろ場所も含めてもう少し調査を継続する必要がありそうです。

 

誌面への登場はベーマガ1984年8月号からスタート、1985年6月からは大阪府池田市の「ゲームセンターZONE」との2店合同集計となります。

マイコンベーシックマガジン 1985年5月号より)

マイコンベーシックマガジン 1985年6月号より)

 

2店合同集計はここが初めてだったようで、合同となる前月の5月号の時点で欄外に告知がなされ、以後1988年6月の掲載終了まで合同集計は継続していました。ZONEの住所は告知の時点で掲載されたのみで、店舗欄に現れることはなかったためマップにはプロットを行っていません。

 

そして一方の「ビデオインJOY」は神戸市内初の掲載店として1984年11月から掲載がスタートしました。JR、神戸市営地下鉄の新長田駅が最寄となっています。

ゼンリン住宅地図 神戸市長田区1985年より)

 

地図の境目が入ってしまっていますが、境目付近にある「材料置場」の隣に「1Fゲームコーナー ビデオ・イン・ジョイ」の存在が確認出来ます。

 

住宅地図では付近に小型の建物が密集していますが、神戸市長田区は阪神淡路大震災の影響を最も大きく受けた場所で、復興に際し店舗のあった区画は現在「アスタプラザ」という再開発ビルへと変貌を遂げています。住宅地図左端に見える若松公園には復興のシンボルとして設置された原寸大の鉄人28号像があり、店舗跡地前の道は若松公園から南へ伸びるアーケード商店街も含めて現在は「鉄人ストリート」と命名されています。

 

そのため店舗の形跡は完全に消失しているため、写真は跡地付近と思われる箇所を掲載しています。

 

こちらは掲載期間は短く1985年8月をもってベーマガ店舗欄から姿を消しています。

 

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1989年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年9月号

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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1989年10月号