小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1986年4月号/トピック店舗:亀戸キャロットハウス(東京都)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1986年4月号)

マイコンベーシックマガジン1986年4月号(第5巻第4号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載店舗数は113。マックスの114に1店足りず欄末尾に空白がありますが、掲載予定店舗の抜けがあったのでしょうか。いずれにしろほぼ上限の掲載数となっています。

そして先月に引き続き掲載店募集の効果か、15店もの新規掲載があります。

 

ナムコ

西野ナムコランド(北海道)

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水戸サントピアナムコランド(茨城県

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上福岡ビッグキャロット(埼玉県)

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・その他

今市ゲームセンター(栃木県)

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ゲームセンタープレイシャトー(神奈川県)

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Pit Inn 湖北台店(千葉県)

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ゲームプラザニュー日の出(長野県)

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ダイエーレジャーランド藤ノ森店(京都府

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オートスナック・パーク(和歌山県

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PLAY SPOT KING(広島県

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高知プレイハウスウィン(高知県

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サクセス香椎店(福岡県)

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ゲームキャロット住吉(長崎県

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ゲームスポット大橋(長崎県

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旭サービス都城店6Fプレイランド(宮崎県)

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マイコンベーシックマガジン1986年4月号より)

キャロット系店舗が占めていたナムコ系集計店ですが、今号で初めて「ナムコランド」の冠を持つ店舗が登場します。

 

もともと商業施設内のゲームコーナーに強かったナムコは、ビデオゲームメインの都市型店舗「キャロット」よりも、百貨店やショッピングセンターインストアの「ナムコランド」の方に店舗展開のウエイトを置いていたと思われます。

しかし80年台にビデオゲームが隆盛し「ナムコランド」にも設置が増えた結果、キャロットとの境界が徐々に小さくなり、特にゲームセンターの少ない地方においてナムコランドがキャロットの代替機能を持つようになっていきます。


ハイスコアの集計や雑誌掲載にまで至るインストア店舗はそこまで多くはなかったようですが、ショッピングセンター内のゲームコーナーが地域ゲーマーの拠点となっていた場所は、ナムコ系やダイエーレジャーランド系に特に多く存在していました。

 

現在、ショッピングセンター内のゲームコーナーはどこも家族連れに寄せた機種構成のため我々のような昔のゲーマーが店舗へ向かう動機はほぼ皆無なのですが、それでも僅かに期待をしてしまうのは「ゲーマーの拠点」だった頃の時代を知っているからなのかもしれません。

 

今回から掲載開始の店舗のうち、「プレイハウスイン高知店」は次号から「高知プレイハウスウィン」と記載されているため、後者を正式名称として扱います。

また、長崎市の「ゲームキャロット住吉」は名前だけ見るとナムコ系店舗にしか見えませんが、過去のナムコ店舗リストに記載されていないためナムコ系ではないという扱いにしています。また「ゲームキャロット住吉」と「ゲームスポット大橋」は系列店であったとの情報を頂いています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1986年4月】

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 (マイコンベーシックマガジン1986年4月号より)

 

先月と今月が新規掲載店増加のピークで、両月合わせて27店もの店舗が新たに登録されています。コーナー設立から2年を経過しプレイヤーへの認知も広がり、この直後にゲーメストも創刊されることでハイスコア集計は黄金期へと突入します。

 

トピック店舗:亀戸キャロットハウス

トピック店舗へ移ります。

東京都下のナムコ系キャロットは城西、城南地区への出店が殆どでしたが、希少な城東地区の店舗だった「亀戸キャロットハウス」をピックアップします。

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(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年9月号より) 

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2021年5月29日撮影

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(TOKYO CARROT MAP ⦅昭和63年4月⦆を転載)

 

前回の椎名町の時もアップした、昭和63年(1988年)4月時点の東京キャロットマップですが、店舗の大半は山手線より西側に位置しているのに対し、最も東側にポツンと存在するのが江東区の亀戸キャロットです。

 

ゲームセンターは繁華街や学生街に立地することが多かったため、新宿・渋谷・池袋といった副都心を抱え、大学の立地も多かった山の手側と比較すると、どちらかと言えばオフィス街である新橋や神田、まだ純然たる電気街だった秋葉原を擁する東京の東側は山の手側と比較すると恐らく店舗の絶対数が少なく、また主な客層がサラリーマンであったこともありハイスコア集計店の数も少なかった傾向が見えます。

その中で、駅前バスターミナルに隣接しアプローチも良かった亀戸キャロットは、東京都の東側、あるいはキャロットが無かった千葉方面のスコアラーが集まっていた印象があります。

 

その後千葉方面のプレイヤーは、市川のゲームスポットや津田沼のサンペデックナムコランドが集計店となってそちらへ流れたようで、城東地区唯一の集計店として奮闘していたものの対戦ブームより前の1988年10月号が掲載としては最後となっています。

ゼンリン住宅地図 江東区1987年より)


当時の住宅地図を見ると、入居しているビルの名称が「松岡ビル」となっていますが、現在その名称のビルは存在しません。恐らく写真の「東州ビル」1階のセブンイレブンの場所が該当すると思われますが、相違があればご指摘を頂きたくお願い申し上げます。

 

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