ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1987年6月号)
ゲーメスト1987年6月号(第2巻第5号)のハイスコア集計店マップです。
月刊化が軌道に乗ってきたのか、集計店舗数も拡大の方向は変わらず、トータル掲載店舗数は5月の74から88へと増加しました。
当月の新規掲載店は以下の通りです。
・ナムコ系
・セガ系
ハイテクセガ平岸(北海道)
・その他
ファミリーランドアルパ(岩手県)
コスモランド・ムサシ(石川県)
(ゲーメスト1987年6月号より)
新規掲載店ですが、ただでさえ集計店密集地の岡山に更に増加した「プレイランドナムコ」は倉敷市のジャスコ内店舗。当時としては珍しい中心市街地ではなく郊外バイパス沿いのショッピングセンター内店舗ですが、スコアラーが集まりにくかったのか翌月には掲載店から姿を消します。
札幌市の「ハイテクセガ平岸」はスーパーハングオンハイスコアのイメージが強烈に残っています。
新潟市の「ハイテクセガ万代」は著名ハイスコアサークルの拠点だったと記憶。
「ハイテクセガ青森」は弘前市に後れを取りながらも県庁所在地集計店として登場します。
その他では、岩手県は大船渡市の「ファミリーランドアルパ」。県庁所在地の盛岡市には全く集計店が現れない反面、人口の希薄な三陸地方に大槌町の「子供ゲームセンター」と並んで2店目の集計店が出現します。ただ「子供ゲームセンター」はこの号で掲載が止まってしまうのですが。
兵庫県は、神戸市の「ギャル元町」が1回のみの掲載で姿を消しましたが、明石市の「ゲームプラザピノキオ」で集計店が復活。
石川県の「コスモランド・ムサシ」は金沢市内3店目の掲載店。岡山程ではありませんが金沢市中心部は集計店が密集するエリアとなって行くこととなります。
以下スコア欄を掲載します。
【めざせハイスコア 1987年6月】
(ゲーメスト1987年6月号より)
ゲームのハイスコアを語る際に切っても切れない問題として「嘘スコア」があります。
各地のゲームセンターで輩出されたスコアからトップを決めるということになると、当然ながらその認定についてルールが根拠が必要という話となり、ただ単に点数が高いということだけではなく「永久パターンの使用禁止(発覚の場合は集計打ち切り)」「ゲームの設定は工場出荷時に限る」といった、以後ある程度普遍的に認知されるルールが確立していきますが、合わせて嘘スコアへの対処が問題となります。
そしてゲーメストでは今号から4回(実質3回)に渡って「君こそダーメスト!めざせウソスコア」と銘打って、ウソスコアの実態紹介と啓蒙活動を開始。初回の今月号では具体的な例をもって、嘘スコアは見る人が見ればわかることを伝えています。
トピック店舗:プレイシティキャロット旭川店
続いてトピック店舗です。
北海道のゲーメスト単独掲載ナムコ系店舗は5店を数えますが、今回が最後の紹介となります。「プレイシティキャロット旭川店」を取り上げます。
(ゲーメスト 1987年3月号より)
2020年9月19日撮影
旭川市の繁華街はJR旭川駅付近に拡がっていますが、駅前から東へ徒歩15~20分程度向かうと旭川銀座弁天神社を中心とした「旭川銀座商店街」があります。
商店街中心であり歩行者専用となっている仲見世通りと、3・4条仲通りが交わる角にある「銀ビル」2階にキャロットが存在しました。
旭川駅からはかなり距離があるため観光客の姿は少なく、並んでいる商店も市場を中心とした地元の方々の台所と言った風情です。夜になると付近の商店は全て閉まってしまうため人気が殆ど無くなってしまします。
2017年7月25日撮影
キャロットのあったビル2階は現在「銀座通内科クリニック」となっています。
ゲーメストへの掲載は1987年3月号からですが、同月号内に以下の店舗紹介記事が掲載されていました。
(ゲーメスト 1987年3月号より)
記事内に「正面エスカレータを2階へ昇って行く」とあるように、1階から2階へ上がるエスカレータが設置されており、私も旅行中に伺った際にはそのエスカレータを使って入店した記憶があります。エスカレータは1本しかなかったため閉店前以外は昇り専用となっており、退店は5枚目写真の階段を使用していました。
2020年9月19日撮影
現在1階は写真のカフェになっています。
恐らくカフェ入口付近にエスカレータが存在していたものと思われますが現在は撤去されており、上記ゲーメスト記事内にある入口写真部分がビルのどこに存在したのか外観上は分からなくなっています。店内にもエスカレータがあったような形跡はありません。
カフェの店員さんに「このビルに昔エスカレータありませんでしたか?」と聞いてみた所、「随分昔にあったような覚えがある」との回答を頂きました。カフェのレシート住所が誌面記載の住所と異なっています。
また、店内にレンタルスタジオ及び喫茶コーナーがある旨の記載があります。「コンビニエンス・キャロット」を謳っているように新業態に挑戦した店舗だったようです。
北海道のナムコ系店舗は札幌市の「赤い風車」や「川沿キャロット」もそうですが飲食併設の店舗が多く、特に冬場の店舗滞在時間を延ばすための施策のようです。ただスタジオも喫茶コーナーも私が伺った際の印象には殆ど残っておらず、積極的にアピールはされていなかったように思います。
掲載は1993年5月号まで継続しました。閉店による掲載終了となっています。
ゲーメストの「ハイスコア通信」欄に閉店の告知がされています。
(ゲーメスト 1993年5月号より)
掲載開始の1987年前後にオープンした店舗と思われるので、営業期間は実質6年程度となるのではないでしょうか。比較的短命な店舗となってしまったようです。駅前繁華街から離れていることもあり正直集客には苦慮していたことが想像されます。
【前記事】
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1987年5月号
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1987年6月号
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