ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1993年6月号)
マイコンベーシックマガジン1993年6月号(第12巻第6号)のハイスコア集計店マップとなります。
掲載店総数は87となり先月比-6と大幅減となってしまいました。
新規掲載が1店あります。
・その他
(マイコンベーシックマガジン 1993年6月号より)
80年台に多数のゲーメスト掲載店が存在した岡山市の中心街である表町ですが、90年台に入ると今度はベーマガにて掲載店が復活してきます。
93年4月号でかつてゲーメスト掲載店であった「ハイテクセガ表町」が復活掲載されたのに続き、セガから至近距離で新たに掲載が開始されたのがこちらの「ゲームスポットパスカル」です。
以下スコア欄を掲載します。
【チャレンジハイスコア 1993年6月】
(マイコンベーシックマガジン 1993年6月号より)
今号は1990年8月号から掲載が止まっていた山梨県甲府市の「朝日町キャロットハウス」がほぼ3年振りに突如と復活するのですが、結局単発の掲載に留まりました。
ベーマガではこのような「過去の掲載履歴のある店舗が間隔をあけて唐突に復活するが、その後掲載は長続きしない」事例が時折見られるのですが、掲載履歴があれば任意で再掲載が可能ということだったのでしょうか。
トピック店舗:ゲームインウエスタン/ゲームハウスキャンディ
トピック店舗ですが、兵庫県尼崎市の「ゲームインウエスタン」、及び大阪府東大阪市の「ゲームハウスキャンディ」の2店をピックアップします。
【ゲームインウエスタン】
(マイコンベーシックマガジン 1989年4月号より)
2022年6月18日撮影
【ゲームハウスキャンディ】
(マイコンベーシックマガジン 1989年10月号より)
2024年1月5日撮影
同じ関西とはいえ県も異なる今回の2店はどちらも「SNK直営店」という共通点があります。
最初に紹介するのは尼崎市の「ゲームインウエスタン」で、阪神尼崎の次の駅である出屋敷駅が最寄駅となります。
尼崎市の中心商店街は阪神尼崎駅からこの出屋敷駅付近にかけて広がっており、駅前から伸び店舗跡地の前を通る「出屋敷線」は商店街の端部になります。かつては相当の賑わいがあった場所のようですが、90年台に阪神本線が高架化されて以降再開発が進み、古くからの商店はシャッターを下ろしている所が目立っています。
そして「ゲームインウエスタン」の跡地と思しき場所は更地となり駐車場と化していました。90年の住宅地図で隣接している「吉田ミシン商会」の看板が残る建物が存続していたため、この場所で間違いないと認識しています。
この「ゲームインウエスタン」はSNK初の直営店だったようです。
比較的ゲーマーには寛容なお店だったようで、当時ここの常連だったスコアラーの方で発売前のSNKタイトルのテストプレイヤーとしてお声が掛かったという証言もいただいています。
ベーマガへのスコア掲載もゲーマー向けサービスの一環だったようですが、誌面掲載は1989年4月~1990年6月までの1年程度に留まっています。
そしてもう一方の「ゲームハウスキャンディ」は場所も変わって大阪府東大阪市、有名な花園ラグビー場の最寄駅である近鉄奈良線の東花園駅前に存在しました。
(精密住宅地図 東大阪市中部1991年より)
東花園駅ロータリーから東側に「ホワイトシャトー」という店舗兼マンションが2024年時点でも存在していますが、1991年の住宅地図にてそのビル1階に「キャンディ NEOGEOシステム」の文字を確認しています。NEOGEOがリリースされた直後だったこともあり、店舗名称でもアピールをしていたのかもしれません。また2階には「S・N・K(新日本企画)」の文字もあり、事務所として使用されていた形跡があります。
現在は写真のように1階が美容院、2階は学習塾に使用されています。
駅は出屋敷駅同様に2014年から高架駅となり変化していますが、ホワイトシャトーの両隣は1991年時点でも更地だったようで、1,2階のテナントが変わった以外は当時と大きく変化はないのかもしれません。
こちらはゲームインウエスタンから遅れること半年の1989年10月号から誌面へ登場し2店並列掲載となるのですが、1990年6月号にてウエスタンと共に掲載をストップしたため期間は1年に及びませんでした。同時に掲載を中止したことから、店舗個々の事情ではなく会社の意向だった可能性が高いのですが、スコア欄やチャレハイ通信にはその旨の記載はなく実態については把握できていません。
(ゲームマシン 1986年12月1日号より)
東花園店ではありませんが、同じ大阪府内にSNKが初めて「キャンディ」ブランドで直営店を出店した際の記事がゲームマシン1986年12月1日号に掲載されていました。
(ゲームマシン 1987年8月15日号より)
当時SNKは自社新筐体ブランドに「キャンディ」の愛称を付しており、店舗ブランドと合わせて展開しようと目論んでいたのかもしれません。筐体の方は追ってNEOGEOの普及で全国的に広がったこともあり、目にした方も多いのではないかと思います。
そしてゲームマシンの記事中に、今後既存店舗についてもキャンディブランドへ改装する予定の旨が記されていますが、東花園店は実施されたものの尼崎店は店舗名がウエスタンのままだったことからブランド変更は実施されなかったようです。
その後はNEOGEOの発売、展開と合わせて戦略が変更となったのでしょうか、キャンディブランドの店舗は大きく展開されず直営店は「ネオジオランド」の出店へと舵を切っていくことになります。スコア掲載の中止もその戦略変更から行われたものと推察しています。
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ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1993年5月号
ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1993年5月号
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