小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ゲームセンター回顧録 デイトナⅢよ永遠なれ! その1

写真は全て2023年3月3,25.26日撮影

 

2023年3月26日、とあるゲームセンターがその歴史に終止符を打ちました。

その店舗の名は「デイトナⅢ」。

直近まで私がホームとしていたお店です。

 

 

閉店は2023年3月1日に突如と告知され、私と同じく店舗の常連であったD助氏のツイートからゲーセン閉店botに捕捉され広く周知されることとなりました。

 

まだ閉店から時間が経過しておらず喪失感に溢れており、回顧録など書きたくないのが本心なのですが、ここでこのお店の記録を残すことが自分の責務と思いエントリーすることとしました。

蕨駅東口駅舎です。

店舗住所は埼玉県川口市ですが、最寄駅が蕨駅のためほぼ全てのプレイヤーが「蕨デイトナ」と呼んでいました。

 

駅前通りを進むと写真の六叉路にあたるのですが、この交差点を斜めに横切る道が蕨市川口市の市境となっており、店舗は交差点を渡った先にあったため川口市でした。

 

そして程なく現れるこちらの「星野ビル」地下1階が店舗です。

ビル正面左側に専用の入り口が設けられています。

 

そして店舗入口部分。

ビル自体も年季が入っているのですが、こちらの入口も看板や装飾に時代を感じさせます。

ちなみに看板やアーチ部分にはネオン管や装飾用の電球が付いているのですが…

 

最末期はご覧のようにアーチ部の電球1個を除いて全て切れていました。

この店舗がいつオープンしたのか、正確な情報は把握していません。

ただハイスコア集計店として、ゲーメスト誌へ1999年7月15日号から掲載されたことを確認しているため、少なくとも20年以上は営業が続けられていたことになります。

ゲーメスト 1999年7月15日号より)

 

晴れてハイスコア掲載店としてデビューしたのも束の間、1999年9月30日号をもってゲーメスト誌が休刊となってしまうため、この時には僅か3回の掲載に留まりました。

その後ゲーメストの後継誌として創刊された月刊アルカディア誌によってハイスコア掲載は再開されますが、再開時には掲載は無く1年程度経過した2001年11月号から掲載が開始されています。

アルカディア 2001年11月号より)

 

ゲーメスト誌への掲載以前に近隣には「GAME INN SAM 蕨店」という店舗がベーマガ末期にハイスコア掲載店として名乗りを上げており、スコアラーはSAM、対戦や音ゲーデイトナと客層がある程度分かれていたようです。しかしSAMの閉店後はスコアラーもデイトナに流れ、追ってこちらもハイスコア掲載店として認知されることとなりました。

 

その頃私は関東におらず、またハイスコアからも若干距離を置いていた時期なのですが、当時店員有志で作成されていたデイトナⅢのホームページが存在していたことを確認しています。

そこは当時の設置機械の情報や店内写真の他にも、オフィシャルページでないことを良いことに常連スコアラーが当時店内に設置されていたメダルの競馬ゲーム(蕨競馬場とページ内で呼称されていました)の結果やメダル払い出し音ばかり気にしているとか非公式だからこそ書ける面白いネタが転がっており、よくページだけ眺めて笑っていた覚えがあります。

ページを閲覧出来れば当時の雰囲気を感じられる貴重な資料だったのですが現在はキャッシュさえも残っていないようで、残念でなりません。

 

その後店舗オーナーの変更やメダルゲームの撤去など紆余曲折があったようですが、スコアラーが集うお店としてはアルカディア2006年1月号にて個別店舗のハイスコア欄が廃止されて以降は若干沈静化していたようです。

 

そして以降この店舗は「ぷよぷよ通」の強豪プレイヤーが集う店として一躍全国区の知名度を誇ることになります。

igcc.jp

 

上記2018年の「ゲーム文化保存研究所」の記事に、当時のデイトナⅢの店内写真が数点掲載されています。

私がデイトナへ通い始めたのはこの頃ですが、ぷよぷよ通の対戦台が2セット常設されており、週末に対戦会が実施される時は更に増台されて多数のぷよらーが対戦に興じていました。

対戦台の付近には元コンパイル社長の仁井谷氏の色紙や対戦会実施時のタイムスケジュール等も掲示されており、上記igccの記事内にも薄っすらとその場所が写っています。

 

またぷよぷよ通以外でも、ときめきメモリアル対戦ぱずるだまや、対戦格闘系ゲームでも複数のタイトルで対戦会が行われていました。

 

プレイの録画や配信も可能で、筐体は時間制のレンタル、人数が多ければ増台対応も行ってくれたこの店舗の対応は、様々なプレイヤーのコミュニティを惹き付けて止まず、スコアラーのみならず多方面からその閉店を惜しむ声が上がったのも当然だったのです。

 

その2へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その6

その5より)

 

アーケードゲームとしては非常にマイナーな「琉球」ですが、元々このゲームはアスキー社の「ログインソフトウェアコンテスト」入賞作であり、パソコン版がアスキーから発売されたのがルーツとなっています。

そのため1990年当時としては珍しいパソコン→アーケードへの逆移植タイトルとなります。

タイトル画面に「Original video-game produced by ASCII CORPORATION」の文字が含まれているのはその逆移植の経緯によるものです。

 

https://www.gamepres.org/pc88/library/frame1.htm

https://www.gamepres.org/pc88/library/1989/1989_8.htm#ryukyu

 

上記「PC8801ゲームライブラリ」によれば、PC8801版の発売が1989年8月。その他PC用としてはPC9801,X68000,MSX2版も発売されている模様。

またPCエンジンゲームギアにて家庭用ハードでも販売された実績があります。

gamemanual.midnightmeattrain.com

 

上記「レトロゲームの説明書保管庫」にPCエンジン版の説明書画像がありますが、比較するとアーケード版ではかなりゲームシステムに手が加えられていることが確認出来ます。

オリジナルのPC版についてはシステム詳細が判明せず、またハードウェア毎にゲームルールが異なっている可能性がありますが、業務用が異なっている部分はおおよそ以下の内容となるのではないかと思われます。

 

①面数

②タイマー及びキャンセルの追加

➂EXTEND BONUSの扱いの相違(家庭用はクリア時にノルマ超過した点数は次の面から超過分のノルマが減算されるのに対し、業務用は点数が入るのみ)

琉球おみくじの追加(EXTEND BONUSが無いことへの救済?)

⑤ボーナスラインの扱いの相違(家庭用は斜めラインのみ固定なのに対し業務用はランダム要素を追加)

 

②のタイマーの追加は当然としても、➂についてはアーケード版でもシステムを継承して良かったような気がしますが…思考型パズルゲームはどうしてもプレイ時間が長くなりがちなので、一般のプレイヤーには6面辺りで終了するように難易度を調整した結果なのかもしれません。

結果的に高次面は高難易度となり、1コインクリアに30年以上を要するというタイトルになった訳ですが、当時の開発スタッフが1コインクリアを想定していたのかどうかは機会があれば是非尋ねてみたいところです。

 

さて、最後に私の20面クリアの動画をアップさせて頂き琉球編は終了とさせていただきます。お付き合い頂きましてありがとうございました!

 

youtu.be

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その5

その4より)

 

「攻略法」までは至りませんが、ゲームを進めるにあたって非常に有利になる裏技が3つ存在します。順に説明します。

 

1. 12ライン全てに何らかの役を完成させる

 

【画像①】

画像①のように、縦横斜め12ライン全てに何らかの役を完成させクリアすると、次の面でボーナスラインが発生します。

 

【画像②】

 

おみくじは2面クリアで初めて引けるため、通常では1面、2面ではボーナスラインは発生しないのですが、1面を全ライン役でクリアすることで2面からボーナスラインを出現させたのが画像②です。

 

3面以降はおみくじでボーナスラインが発生するので利用価値は下がるのですが、偶数面で条件を満たしておけばおみくじのはずれを無効化出来ます。また達成時は必ずボーナスラインが2本ないし3本発生することから、ボーナスラインが1本しか出現しないという状況を回避することが出来ます。

 

問題はオールラインを狙うと役の優劣よりもともかく役を作ることを重視しなければならないため、必然的に素点が低くなること。

そのため、確実にクリア可能となった時点からオールラインを組むことが可能かどうか思慮するようにしましょう。

 

2.琉球カードをセンターに設置する

 

琉球カードは有効ラインが4本となるフィールド中央への設置が理想とその4にて解説しましたが、設置することにより大きな副次的効果が得られます。

 

【画像➂】

琉球カードをセンターに設置してクリア

 

【画像④】

「副次的効果」が現れた次の面です。違いが分かりますか?

場所はLEFT CARD欄です。拡大します。

 

【画像⑤】

ストックカード最右列の色が微妙に異なっているのが分かると思います。

隣接部分を更に抽出します。

 

【画像⑥】

この色が変わっているストック列には琉球カードが含まれています。つまり、琉球カードをセンターに設置してクリアすることで次の面の琉球カードの所在列が分かるようになります。

ただ、分かるのは列までであり、列内のどの場所にあるかまでは判断出来ません。もっともストックは最大で14枚のため、列の最後尾が琉球カードだったとしても14枚掘れば辿り着くことが出来ます。

フィールド設置枚数は25枚ですから、最大14枚であれば毎回琉球カードを掘り出すことは十分可能です。そして掘った琉球カードを再度中央に設置すれば…

 

このネタは初めてこのゲームを1コインでクリアしたSALさんよりご教示頂きました。

この場にて改めて御礼申し上げます。

 

3.同一数字のカードを四隅に設置する

 

そして最も破壊力があるネタがこちらです。

 

【画像⑦】

フィールドの四隅に同じ数字(画像⑦の場合は10)を置いてクリアします。

 

【画像⑧】

ボーナスラインが出現しますが…

 

【画像⑨】

なんと全ライン2倍!

 

【同一数字を配置する場所】

改めて、上記図の色付けした位置を同じ数字のカードにしてクリアすると、次の面は12ライン全てがボーナスラインとなります。

偶数面で成立した場合はおみくじを引きますが、はずれを含めてどの絵柄であろうが問答無用で次の面は全ライン2倍です。

画像⑦では偶々12ライン全てに役が揃っているためこちらの条件も満たしていますが、12ライン揃っていなくても四隅の条件さえ満足していれば成立します。

 

まさに最強の裏技で、前述の2項と併せて1コイン20面クリア達成に大きく寄与することになりますが、破壊力が大きいだけに以下理由により成立が困難になっています。

 

まず、同一数字のカードが4枚現れない可能性が高いこと。

下段の2枚を設置して、3枚目までは出現したものの4枚目が最後まで出現せず成立しない、選択した数字と別の数字が4枚出現したが既に手遅れ、といった状況が頻発するためなかなか条件を達成させてもらえません。

 

また素点が下がるという問題もあります。

その4でも述べましたが、ペア系の役はストレート系と比べて素点が低くなります。そして四隅を同一数字とすることは、12ライン中6ラインで既にワンペアが成立しているため、必然的にストレート系の役を作れるラインは半数しか残っていないことになります。

そのため四隅に配置できてもそもそもステージクリアが出来なかった、ということも十分起こり得るのです。

 

ちなみに四隅に琉球カードを含めても条件が成立するかを試したことがありますが、残念ながらそれは否定されています。

 

四隅配置クリアが継続しているうちは良いのですが、途中で2倍が途切れるタイミングは間違いなくやってきます。その際でもステージクリアの可能性を探るべく、その4で説明している基本的なカード配置ノウハウを把握した上で臨むようにしましょう。

今から「このゲームをクリアしよう」という奇特な方がいらっしゃればの話ですが…

 

その6へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その4

その3より)

 

今回は「攻略編」ですが、思考型パズルゲームのため攻略法やパターンといったものは存在しません。

運ゲー」と言われれば確かにそうなのですが、少しでも運の要素を排して安定して先の面に進めるようになるための基本的考え方を以下3点紹介します。

 

1.狙う役は「ストレートフラッシュ」と「フルハウス

 

ネクストカードを見つつ揃えられそうな役を手当たり次第に揃えるやり方では、5面(ノルマ10,000点)あたりから先の面に進むことが厳しくなってきます。

高次面に進むためには、見えているネクストカードから高得点役を含んだある程度の完成形を意識する必要があります。その際に目標とすべき役が「ストレートフラッシュ」と「フルハウス」の2種類です。

 

【ストレートフラッシュ】

同一スート(絵柄)で5枚連続した数字の並び。得点が2,400点のためボーナスラインで完成させれば4,800点と10,000点のノルマであれば既に半分弱をクリアできます。

この役が重要なのは「完成出来ない場合のリスク回避がし易い」こと。

ツモが悪くあと1枚で役を揃えられない場合、ストレートフラッシュ狙いであればストレート、もしくはフラッシュを揃えることである程度ロスをリカバー出来ます。

A~10で構成されるロイヤルストレートフラッシュであれば得点は2,800点になりますが、ストレートフラッシュの延長と捉えばよく、役そのものを狙う必要はありません。

 

フルハウス

スリーカード+ワンペアのセット。得点は1,800点とストレートフラッシュよりは低いですが、ペア系の役ではスリーカードの800点から一気に上乗せされるため点効率が良い役です。

フォーカードまで持っていくと2,000点となりますが、フルハウスと200点の差異しかないため、フォーカードを構成する1枚を別のラインに使用して役のレベルアップを図った方が総点数が高くなる状況は頻繁に起こります。注意すべきポイントです。

 

ポーカーのミニマム役がワンペアのため、役が揃わないリスクが先行してペア系の役を揃えたくなるのですが、ラインに1つでもペアを作った時点でストレート、フラッシュ系の役を揃える可能性が潰えます。素点が高いストレート系の役を意識することでステージクリアの可能性は飛躍的に高まります。

 

2.完成形の考え方

 

1項で「完成形を意識する」必要があると述べましたが、完成形を想像するにあたり「どのラインに何の役を揃えるのか」を見えているカードやボーナスラインの位置で判断する必要があります。

 

その際の考え方は「早く完成可能なラインは横、ツモ期待に賭けるラインは縦(斜め)に作成する」が基本です。

カードは下段から順次積み上げられるため、カード待ちで下段を空けていると徐々にカードを置ける場所の選択肢が狭まってきます。縦もしくは斜めラインであればカードをめくれる回数が増えるため役を完成できる期待値が高くなります。

 

また、特にボーナスラインが縦と横でクロスしている場合、それぞれにどの役を作るのが良いかを考える必要が出てきます。

【図①】

例として図①のようなボーナスラインの配置(赤枠:左から2行目と下から2列目)だったとします。

 

【図②】

この2ライン共にストレートフラッシュで揃えようとすると、図②のようなカード配置になります。

これを揃えることは必ずしも不可能ではありませんが、連続した同一スートが9枚以上出現し且つ目的の場所に落とすことが出来る状況は非常に稀です。

 

【図➂】

そのため、クロスしているボーナスラインを有効に活用する場合には図➂のようなストレートフラッシュとフルハウスのような組み合わせとすれば比較的組み立てやすく、また使用できるカードの幅も拡がります。

 

【図④】

また、同一数字が4枚使用出来るとどうしても一直線に並べてフォーカードを狙いたくなるのですが、上記で解説した「フォーカードを構成する1枚を別のラインに使用して役のレベルアップを図る」ひとつの例として図④を提示しておきます。無数に応用が効くので意識することでカードを効率的に使用できるようになると思います。

3.琉球カードのポジショニング

常に使用できるとは限らないオールマイティの琉球カード。

しかし使用出来れば一気に展開が楽になります。

琉球カードを使用することを前提に完成形を組むことは、出現しなかった場合に致命傷となるため基本はしませんが、面の早い段階で出現した場合は効率的に琉球カード使用することを考慮に入れなければなりません。

以下の2点を意識すれば琉球カードの置き場所はスムーズに決定できます。

 

・ボーナスラインがクロスしている箇所

ボーナスラインがクロスしている場合、例えば上記図①のようにそれぞれストレートフラッシュを作成することは容易ではありませんが、クロスしている場所に琉球カードを設置出来れば全く異なるスート、数字で2種類のストレートフラッシュを組むことも可能となってきます。

 

【図⑤】

【図⑥】

ボーナスラインでストレートフラッシュ2本は破壊力がありますが、図⑥のように組めばツーペア400点が一気にフルハウス1,800点に化けます。

理想形は大事ですが、見えているカードから確実に高得点を作り出す方法も意識するようにしましょう。

 

・有効ライン数を優先する

カードは置く場所により以下3種類の有効ライン数に分類されます。

【2ライン:16箇所】

【3ライン:8箇所】

【4ライン:1箇所】

ボーナスラインの位置を考慮しないのであれば、琉球カードは縦横2ラインしか有効とならない場所よりは3ライン有効となる斜めライン上、そして4ラインが有効となるフィールド中央への設置が理想となります。

 

その5へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その3

その2より)

 

続いてゲーム進行において説明を要するギミックについて説明します。

 

1.琉球カード

オールマイティカード。ストック53枚の中に必ず1枚含まれています。

 

メダルゲームのドローポーカーにおけるJOKERと同じ効果で、カードを置いた場所の有効ライン全てで効果があります。最高得点役のファイブカードはこのカード込みでないと作成することが出来ません。

画像では左下隅が琉球カードですが、カードが含まれる縦ラインはAのフォーカード、横ラインはクラブのロイヤルストレートフラッシュ、斜めは同じくクラブのストレートフラッシュとして判定されていることが分かります。

カードは53枚中25枚しか使用しないため、琉球カードを25枚に含むことが出来るかどうかでステージクリアの可能性は大きく変わってきます。

 

2.ボーナスライン

ゲームを進めていると、画像のように有効ラインが点滅していることがあります。

このラインは「ボーナスライン」で、完成させた役は点数が2倍となります。

上記では、横ラインの上から2,3列目と、縦ラインの左から4列目が該当します。

 

その面にボーナスラインが現れているかどうかは、ラウンド最初のクリアーポイント表示の際に「ボーナスライン[×2]」の表示があることで確認出来ます。

特に高次面においては、ボーナスラインにいかに高得点の役を完成させるかがクリアの成否を左右します。

 

3.琉球おみくじ

偶数面をクリアすると、「琉球おみくじ」を引くことが出来ます。

選択するカーソルは自動で動いているので、ボタンを押してくじ16枚から決定。

開いた時の絵柄により次面から以下の特典が得られます。

 

【雀】

400点+ボーナスライン発生

 

【玄】

800点+ボーナスライン発生

 

【虎】

1200点+ボーナスライン発生

 

【鳳】

1600点+ボーナスライン発生

 

【龍】

2000点+ボーナスライン発生

 

上記5絵柄は、表示されたボーナス得点が次の面のクリアポイントから減点され、かつ1~3本のボーナスラインがランダムで発生します。

ボーナスラインについては以降2面分発生するのが基本(例:2面クリアでおみくじを引くと4面まで)ですが、ごくまれに次の偶数面でボーナスラインが発生しないことがあります。

また、引いた直後の面のボーナスライン本数は1~3本ですが、2面後においては最低2本は発生しており1本しか発生しないという状況は確認されていません。

くじを引いた時に現れる文字の内容で出現するボーナスラインの本数等は決まっているのかもしれませんが、そこまで調査するには至っていません。

 

【獅】

この絵柄だけが特殊となっており、効果は以下の3種類に分類されます。

 

・太鼓

1000点+ボーナスライン発生

この場合のみ次の面のボーナスラインは「全ラインor1ライン」となります。どちらが選択されるかはランダムのようです。

 

・シーサー(単独)

3000点+ボーナスライン発生

 

・シーサー(2匹)

6000点+ボーナスライン発生

 

シーサーは3000or6000点と高いノルマダウン効果が得られます。ボーナスライン発生条件は通常5絵柄と同様のようです。

 

 

【はずれ】

はずれ。ノルマ減点もボーナスラインも発生しません。

ボーナスラインが発生しない(しかも以降2面分)という状況はこのゲームにとっては致命的で、6面あたりまでの序盤であればリカバーが効くこともありますが、高次面で引いたらほぼ死刑宣告となります。

今のところ14面クリア時まで出現が目撃されています。16,18面クリア時に出現するのかどうかは不明。

また「はずれは最大2枚まで」と解説されていたブログがありましたが、3枚出現した状況を確認しているためその可能性は打ち消されています。

 

またコンティニューをした際におみくじを引くことが出来ます。この時は流石にはずれは出現しないようです。

 

次回からはゲームの基本的攻略法に移ります。

 

その4へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その2

その1より)

 

続いてゲーム内容の説明です。

 

1.基本ルール

トランプのカード(♠、♣、♦、♥各13枚および琉球カード1枚の合計53枚)を、フィールドの5×5マスに落とし、縦・横各5ライン、斜め2ラインの計12ラインにポーカーの役を作ります。

 

【横:5ライン】

【縦:5ライン】

【斜め:2ライン】

 

2.基本操作及びストックカー

操作は

①レバーでカーソルを動かしストック4列からカードを選択

②決定ボタンで選択したカードをピックアップ

➂再度レバーでカードを落とす列を5列から選び、決定ボタンで落とす

落としたカードは下から順に積み上げられて行きます。

 

ストック列は各3枚までネクストカードが表示されていますが、①で選択可能なカードは下記画像の赤枠で囲った最下段の4枚のみです。

【選択可能なカード】

②の動作でカードを選択すると、その列最上段に新たなネクストカードが1枚出現するので、見えているカードは列のストックを使い切らなければ常に12枚となります。

 

各ストック列の残カードは、画面右側の「LEFT CARD」にて把握することが出来ます。

【ストック数(LEFT CARD)】

既に画面に表示されている各列最下段3枚はLEFT CARDには含まれません。上の画像では2,4列目のストックが上限となっており、これで11枚+見えている3枚で列の最大は14枚、各列のストック枚数は左から12,14,13,14で合計53枚のカードが割り振られていることとなります。

 

3.得点及びクリアポイント

カードをフィールドに落とし、該当12ラインにポーカーの役が揃えば得点となります。

【カード役及び得点一覧】

5カードが3,000点と最も高得点の役となりますが、当然ながら同一数字のカードは4枚しかないためオールマイティの琉球カード込みが必須条件となります。その他は通常のポーカー役と変わりはありません。

注意してほしいのは、ストレートとフラッシュの役の強さが通常と逆となっていること。本来のポーカーではフラッシュ>ストレートなのですが、琉球においてはストレート1,400点に対してフラッシュが1,000点のためフラッシュ<ストレートとなっています。点数で覚えてしまうためゲームへの影響は少ないのですが、違和感を覚える部分ではあります。

 

こうして53枚中25枚のカードをフィールドに落として完成した12ラインの役の点数の合計がクリアポイントを上回ればステージクリアとなります。

クリアポイント、及びステージ中のトータルポイントは画面左上に表示されています。

【クリアポイント】

 

各面のクリアポイントは以下となります。

【クリアポイント一覧】

注)琉面=19面 球面=20面

 

4.タイマー及びキャンセル

画面右上にはカードを一手戻せるキャンセルの残回数、及びタイマー表示があります。

キャンセルはゲームスタート時には3回分付与されており、シーサーが残数を表しています。カードをピックアップしている状態であればピックアップしたカードが元のストックの列へ、ピックアップしていない状態ならば直前にフィールドに落としたカードが同じく元のストック列へ戻されます。

 

スコア10,000点毎に1回の回復がありますが、残数は3回を超えることはありません。

 

このキャンセルのシーサー、よく見ると「見ざる、言わざる、聞かざる」のポーズしてるんですよね。芸が細かいですが琉球日光東照宮は全く関係ないような…

 

タイマーはゲームスタートからカウントが開始され、カードを落とす/キャンセルを使用するとゲージがフルに戻ります。ゲージは1目盛につき2秒で15ゲージのため1手の持ち時間は30秒となります。

ゲージが0になると、

・カードをピックアップしている場合:選択された列にカードを落とします。

・カードをピックアップしていない場合:カーソル位置のカードをピックアップし、若干の間を置いたうえで選択された列にカードを落とします。ピックアップしてから落とすまでの間にカード落下列を動かすことが出来ます。

 

5.クリアボーナス

各面は完成させた役の点数が加算されるのみのため、クリアボーナスについて解説します。

【EXTEND BONUS】

ステージクリアした際に、クリアポイントを上回った点数について得られるボーナスです。

例)クリアポイント6,000点、ステージクリア時のトータルスコアが8,000点の場合、クリアポイント超過分2,000点がEXTEND BONUSとなります。

 

【TIME BONUS】

残り時間に対して加算されるボーナス。

画面に残り時間は表示されませんが、前述のように1手あたりの制限時間は30秒、カード設置枚数が25枚のため、30×25=750秒からステージ開始と共に減算され、クリア時の残りタイム×10点として計算されていると思われます。

全てのカードを制限時間30秒一杯で選択しクリアした際には0点となったことを確認しています。

 

【CANCEL BONUS】

残りキャンセル回数×800点が加算されます。

 

基本的な操作、得点システムの紹介は以上となります。

 

その3へ続きます)

私のアーケードゲーム履歴書 琉球 その1

月刊アルカディアの休刊後、アーケードゲームのハイスコア集計はJHA(日本ハイスコア協会)のサイトにて継続されていますが、2021年10月17日付及び2023年1月15日付の集計にて全国トップを記録することが出来ました。

 

手前味噌ではありますが、トップを記念して該当タイトル「琉球」を取り上げることにします。

セガ/サクセス 1990年発売

 

最初の2021年10月17日付の集計は自身にとってゲーメスト1994年6月30日号以来、実に27年振りの全国トップとなっています。

www.jha-arcade.com

docs.google.com

ハイスコア:530,660(20面)

 

これ以前のスコアは、ゲーメスト1996年1月30日/2月15日号に掲載された「497,230(20面)」だったため、25年に渡り更新がされていなかったということになります。

ゲーメスト 1996年1月30日/2月15日号より)

 

このゲームは全20面なのですが、1996年当時のハイスコアは「20面」の表記であり「20面クリア」ないし「全面クリア」の表記はどこにもありません。そのため「20面はクリアされていない」という前提で申請しており、私のスコアも20面をクリア出来ていません。

 

その後、2022年7月18日付の集計にて、別のプレイヤーから遂に全20面をクリアしたスコアが申請されます。ハイスコア的には1990年の発売から2022年まで実に32年間「1コインクリアが達成されていない」ゲームだったのですが、その壁が打ち破られることとなりました。

個人的には初の1コイン全面クリアを目標としていたのですが、惜しくもそちらは達成ならず。せめて1コインクリア程度はと続行し、2023年1月15日付にて1コインクリア達成及びスコアの更新に至ったという経緯です。

docs.google.com

ハイスコア:581,750(全20面クリア)

 

2022年4月25日撮影

 

スコアを申請した某店には現時点で写真の状況で設置されています。まあ基板は私の持ち込みなので「もう引いて下さい」とお願いしなければ残して頂けるとは思いますが。インストは所持していなかったのですがなんと店長が入手して下さいました。感謝です。

スピーカーに付いているシーサーはリアル沖縄にて購入し、運気が上がるお守りとして取り付けております。

店舗に設置頂いた際、常連の名だたるスコアラーの方々でもこのゲームの存在をご存じなく、「初めて見た」という感想が殆どでした。アーケードゲームとしては非常にマイナーな部類に属すると思います。

 

(画像は http://blog.livedoor.jp/t198x_2/archives/40166000.html より拝借しました)

 

さてこのゲーム、内容はパズルゲームとなります。

インストラクションカードの「琉球ルール」にあるように、5×5マスのフィールドにトランプのカードを下段から積み上げて行き、縦横各5ライン、斜め2ラインの合計12ラインにポーカーの役を作ります。

実際のポーカー同様に役の難易度で素点があり、12ラインの点数合計が各面毎のクリアノルマを超えれば面クリアとなります。

操作はカード選択のレバーとカード決定及びキャンセルの2ボタン。アクションパズルではなく典型的な思考系パズルゲームのため、操作時間よりも思考時間の方が圧倒的に長く、ゲームを終了すると極度の疲労感と糖分の不足に見舞われることになります。

 

次回はゲームの遊び方について詳細をご紹介します。

 

その2へ続きます)

ゲームセンター回顧録 小樽・札幌ゲーセン物語展2へ行ってきました

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以前に弊ブログでも紹介させて頂いた「小樽・札幌ゲーセン物語展」ですが、その2が行われたため、再度会場の市立小樽文学館へお邪魔してきました。

 

訪問したのは2021年11月20日の土曜日。

パンフレットの表面には開催期間が「2021年7月17日~11月21日」と記載されていますが、裏面では終了日時が「10月3日」となっています。

これは2021年の全国的なコロナウイルスデルタ株の拡大を受けて小樽文学館も一時休館を余儀なくされ、休館期間分について開催期間が延長されたことに伴うものです。

私も当初は9月の連休に向かうつもりだったのですが、休館期間となってしまったことから延長期間内である11月の飛び石連休を使用してなんとか伺うことが叶いました。

 

コンセプトは前回と同一で、前回の反響が大きかったことを受け展示品やプレイアブルゲームタイトルを充実させた内容となっています。

そのため、開催への思いや展示の主旨といった部分は前回と共通していることから今回のエントリーでは省略し、変化のあった展示物を中心に紹介させて頂きます。

 

第一回の時の様子は下記にてエントリーしておりますので、よろしければ合わせてご覧下さい。

www.inu-inu-yeti.com

www.inu-inu-yeti.com

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前回は小樽駅が最初でしたが、今回は小樽の目抜き通りである「都通り商店街」の様子から。2021年11月下旬でコロナ禍がかなり落ち着き、前回訪れた2020年9月と比較すると人通りが多い印象がありました。

 

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前回のサインに「Ⅱ」の文字が加えられ、展示会の目的紹介についても前回を踏襲しつつ展示品の充実がなされたことが綴られています。

 

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今回会場で最も目に付いた展示物はこちら。歴代業務用グラディウス1~4までのポスターが一堂に並べられた光景はなかなかお目に掛かれるものではなく迫力がありました。

 

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ワルキューレファンの方が展示品を多数提供して頂いたとのことで、写真の冨士宏氏サイン入り原画を始めとして複数のグッズを展示。80年台後半のナムコヒロインと言えばやはりこのキャラですよね。

 

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「ラジオはアメリカン(ラジアメ)」と言えば当時のナムコフリーク御用達のラジオ番組ですが、パーソナリティがどなたの時代かで年齢やゲームの嗜好まである程度把握できてしまうような気がします。

ちなみに私は80年台後半の斎藤洋美さんの時代で、ナムコと言えば黄金期を経たあとのシステム1、2のタイトルがなじみの世代。これが大橋照美さんとなると80年台前半となり、ナムコ黄金期世代が該当するのではないかと思います。

30年前の斎藤さん、そして構成作家の鶴間さんの写ったグッズを非常に懐かしく眺めておりました。

 

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そしてタイトル数が大きく増加したプレイアブル筐体。チラシのリストにもあるように、今回は複数メーカーの許可を得ており前回と比較して充実したラインアップでした。私がお伺いした時にはマジェスティック12(タイトー)及びぷよぷよセガコンパイル)でしたが、まめにタイトルの入れ替えを実施されていたようで会場に足を運ぶ動機付けの一つになっていたのではないかと思います。

 

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そして前回に引き続き小樽市内のゲームセンターマップが展開され、市内主要店舗には店舗跡地の現在の光景と店舗解説文が追加されていました。店舗の跡地を写真に収めて掲示する方法は私のブログをリスペクト頂いたとのことで、非常に恐縮しております。

 

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そして展示物となったかつてのコミュニケーションノートと会場来場者のための雑記帳。私は地元ではないので場違いかなと思い前回も含めて書き込みは行っていませんが、代わりにこうしてブログに記すことで足跡とさせて頂きます。

今回はコロナ禍が落ち着いた展示期間最後の土日だったということもあり前回以上に来場者が途切れなかった印象です。

学芸員の方にもご挨拶が叶いました。アーケードゲームという娯楽に対し大げさではなく人生を賭していた我々のような世代の思いを、一見無関係である「文学館」という場所で伝える機会を設けて頂いたことに、この場をお借りして御礼申し上げます。

 

次回は来年3月頃から、通常の広い展示スペースを用いて「ゲーム本展(仮)」を企画されているそうです。何度も北海道まで足を運ぶのはなかなか厳しいものがありますが、状況が許せばまた小樽まで足を運んでみたいと思います。

ゲームセンター回顧録 小樽・札幌ゲーセン物語展へ行ってきました その2

その1より)

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大型のポスター等の目立つ展示に目を奪われそうになる中、ブース正面に今回の展覧会の目的が綴られており、真っ先に目を通しました。

 

アーケードゲームという「製品」だけではなく当時のゲームセンターという「場所」にスポットを当てた試みとして、また「ゲーセンとそれを取り巻く文化について後世に残す」という今回の展示活動の意義は、同じ時代に同様の経験を経た人間として非常に共感できるものでした。

私も個人的にこのブログで「ハイスコア集計店マップ」を作成していますが、それも消えつつあるゲームセンター文化を何らかの形で残すために自分で出来ることを行っている過程であり、方法は異なれどベクトルは同じ方向を向いているのだな、と感じています。

 

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続いて、小樽市内のゲームセンターについてのマップによる位置表示と店名一覧です。

文学館を尋ねる前に小樽市内ハイスコア集計店の跡地巡りを行いましたが、既に市街地からは店舗はほぼ全滅しており時間の経過を痛感します。

私がこのブログで自身のゲームセンター経験を語っていることと同じようなストーリーが、小樽という街だけでなく全国各地に繰り広げられていたのだと感じます。

 

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そして「展示物」になるのは恐らく初めてではないかと思われるコミュニケーションノート。ハイスコア集計と並んでユーザーフレンドリーなゲームセンターに設置され、SNS無き時代はノート上の交流が店舗へ向かうモチベーションになっていた人も多かったのではないでしょうか。一部はそれが目的化し過ぎで「ノーター」と呼ばれる「ノートだけ読んでゲームしない人」の問題も生じさせるのですが…

SNSが普及する遥か以前からSNSのようなやり取りがゲームセンターで繰り広げられていたのですが、結果的にSNSにその機能を全て代替されてしまった感があります。

 

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ゲーム関係の書籍、出版物や同人誌の展示。
1985年以前のNG(ナムコ店舗ミニコミ誌)は結構貴重ではないでしょうか。
また「ゼビウス1,000万点への解法」の実物が展示されていました。伝説的なこの同人誌も私を含め実物は初めて見たという来訪者の方が殆どだったようです。

またベーシックマガジン・ゲーメストのハイスコア欄もプレイヤー間で競争が繰り広げられていた資料として北海道の店舗欄をメインに掲示されています。

 

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会場には「プレイアブル展示」としてアストロ筐体(横画面)とテーブル筐体(縦画面)が各1台展示され、自由に遊ぶことが出来ました。

テーブル筐体はなんとこの文学館の所有物だそうです。カフェ文化に関する展示を行った際に入手して所蔵されていたとか。

私が訪問した際に入っていた基板は「出たな!ツインビーコナミ1991)」と「鋼鉄要塞シュトラール(UPL1992)」でしたが、展示に関して許諾が取れたメーカーのタイトル内で定期的な入れ替えを行っていました。

シュトラールを約30年振りにプレイしましたが、当時カンストまでやってた時の面影は全く無く2面で終了しました(´・ω・`)

 

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最後に、今回の展示の企画者である@hilow_zero氏とお会いすることがが出来ました。

今回計らずもコロナ禍の最中での開催となってしまい御苦労も多かったと思いますが、メディア等で取り上げられる機会もあり地元のゲーマーの方々を中心としてかなりの反響があったようです。私がお伺いした時も私以外に常時2~3人の来訪が入れ替わりであり、また元ゲーマーの方がご家族を連れて来訪し、子供がプレイアブルのゲームに興じる姿も見受けられたそうです。

 

展示は無料スペースにて行われていたため、前述の通り入口で「ゲーセン展を見に来た」と申し入れれは展示を無償で閲覧することが出来ました。これについては有償展示とした方が良いのでは、との声もあり、実際に私も有償にするだけの価値があると思ったのですが、有償とするとプレイアブル展示となっているゲーム機に対して間接的に金銭を投入していることになり、風適法上の問題が発生してしまう可能性があるため難しかったとのこと。

プレイアブル筐体については、遊ぶことの出来るタイトルについても事前にメーカーや現在の権利所有者に確認の上了承が取れたタイトルのみの設置となっているのですが、文学館という公共のスペースでの展示となる以上どうしても風適法や著作権法を含めて法的にグレーな部分は避けなければならず、「アーケードゲーム」というコンテンツを文化的財産として展示展開する際の難しさを感じました。

 

また、展示品についてはゲーム基板も含めて殆どが個人所有物で、結果的に持ち主の嗜好が反映されてしまうため展示内容に偏りが生じてしまったとのこと。確かに展示品はどちらかと言えば80年台に寄っているため、現在50歳前後の層にはピンズドの展示となる反面、ストⅡ以降にゲームセンターに通い出した40歳以下の層には今一つピンと来ない展示だったのかもしれません。

 

これについては既に今年中に「第二回」の開催に向けて展示品の充実も含め準備を開始されているとのこと。

開催の際には改めてお伺いすること、そして私に協力できることがあれば遠慮なくお声掛け下さいとお伝えし、会場を後にしました。また北海道に向かう理由が出来ました。

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最後に、会場内に展示されていた地元誌の特集記事をアップします。

写真では読みずらいですが、一読頂ければ今回の展示に向けた想いを感じて頂けると思います。

次回も期待いたしております!

 

(4月13日訂正:@hilow_zero氏を「主催者」から「企画者」へ改めました。主催者は小樽文学館様となります。ご指摘頂き誠にありがとうございました。)

ゲームセンター回顧録 小樽・札幌ゲーセン物語展へ行ってきました その1

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過日、北海道小樽市小樽文学館にて実施された「小樽・札幌ゲーセン物語展」へ行って来ました。

 

これまで地元埼玉県以外に愛知県や長野県のゲームセンターについて回顧録を残していますが、北海道は旅行や仕事で向かった際にゲームセンターへ立ち寄ったことがあった程度で、特にこれまでの人生で深い縁があった場所という訳ではありません。

 

その私が今回こちらへ伺うことになったきっかけは2020年の9月に遡ります。

コロナ禍が若干落ち着いた2020年夏にGo Toトラベルキャンペーンが開始されましたが、その際に落ち込んだ北海道観光振興の一環として「HOKKAIDO LOVE!」プロジェクトが実施され、キャンペーンの一環としてJR北海道から管内全線が6日間、特急も含めて乗り放題の「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」が破格の¥12,000にて販売されます。

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この機会を逃すまいと思った私は、9月の4連休でこの切符を使って北海道のハイスコア集計店跡地巡りを決行します。

 

予め当時のベーシックマガジンやゲーメストで店舗の住所を調査の上渡道したのですが、住所の記載が不完全で確実な場所を捕捉出来ない店舗もいくつか存在。情報を探していた所以下のサイトに辿り着くことになります。

 

seesaawiki.jp

こちらのサイトに店舗住所や営業当時の様子、店舗跡の状況といった地元の方だからこそ書き込める情報が集約されており非常に重宝したのですが、小樽・札幌ゲーセン物語展の企画者である@hilow_zero氏が展示の一環として作成したものであることを知るに至ります。

 

そして渡道期間中に小樽市や札幌市内の全ての集計店跡地を廻りきることが出来なかったこともあり、来年の1月実施であればその頃にはコロナ禍もある程度落ち着くだろうから、残りの跡地探訪を含めてゲーセン物語展にお邪魔しよう、と心に決めていたのでした。

 

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JR小樽駅

通ったのみであれば前回来訪したのは2017年7月ですが、駅を降りて散策となると恐らく1987年以来となるため、34年振りということになります。

 

会場の文学館に向かう前に、もう一つの目的である小樽市内のハイスコア集計店跡地を廻ります。

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ゲームポイントフリーウェイ小樽店跡

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ゲームプラザ月光仮面

 

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プレイシティキャロット小樽店跡

 

1987年に訪れた時には、小樽運河を散策の後にプレイシティキャロット小樽店に立ち寄っているのですが、跡地は既に建て替えられておりそこにゲームセンターがあったことを窺い知ることすら出来なくなっていました。

 

そして今回の会場である小樽文学館へ。

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建物の目の前に線路と踏切がありますが、これは1985年に廃止された旧国鉄手宮線の廃線跡で、北海道で最初に開通した鉄道の一部区間ということで史跡としてそのまま残されています。旧色内駅のホーム跡が文学館に隣接しており、セットで散策を楽しむことが出来ます。

hokkaido-labo.com

 

今回の展示は2階で実施されていました。無料展示のため1階入口で展示を見に来た旨を伝えればそのまま入場出来ますが、文学館の通常展示も見ることが出来る300円の入場券を購入して2階へ。

そして文学館展示室のドアを開けると、その一角に明らかに周囲と異なっている、しかし建物の雰囲気と相まってどこか懐かしい空間が展開されていました。

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その2へ続きます。