小人閑居して不善を為す chapter3

一介のプレイヤーからハイスコアラー、そしてゲームセンターの中の人を経てアーケードゲームと関わること40年以上、その普通とはかなり異なるゲーマー人生を回顧するべく記事を綴っております。

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号/トピック店舗:プレイシティキャロットパーツボックス(熊本県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年11月号)

マイコンベーシックマガジン1990年11月号(第9巻第11号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は97となり100店を割り込んだ先月から更に-2の減少となっています。

流石に減り幅が目立ってしまった影響か、7月号以来4か月振りに新規掲載店が登場しています。

 

・その他

プレイランドチャンプ(青森県

マイコンベーシックマガジン 1990年11月号より)

 

またしても青森県五所川原市の掲載店です。ベーマガ掲載店が青森市弘前市よりも先に人口5万人の五所川原に2店存在した時期がありました。

 

既に掲載されていたハイテクセガ五所川原店への対抗もあったのかもしれませんが、地方都市でもゲームセンターが多数あり、かつスコア狙いが一般的だった時代を象徴しています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年11月】

マイコンベーシックマガジン 1990年11月号より)

 

掲載店が減少すると店舗欄の最終頁に挿絵が入るのですが、掲載店が減少傾向になると毎号のように挿絵が登場します。さらに今月は編集後記との間に3店分のスペースがまるまる空いており、そのような誌面を世に出すことは編集として決して望ましくはなかったのでしょうが、スコアを送付してこない店舗があるためコントロールが効かない難しさを抱えていたのではないかと思います。

 

その点ゲーメストはスコア欄に空欄が発生していたという状況をほとんど見掛けなかったため、編集で上手く調整が出来ていたのかもしれません。

 

トピック店舗:プレイシティキャロットパーツボックス

続いてトピック店舗へ移ります。舞台を九州へ移します。

 

南九州方面のベーマガ初期のナムコ系掲載店舗から「プレイシティキャロットパーツボックス」をピックアップします。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

2022年8月9日撮影

熊本市最大の商店街である下通アーケードを抜け、路面電車の走る通町筋へ出で向かって左側に「大劇会館」という複合レジャー施設があり、その中に存在しました。

 

熊本の地場百貨店である鶴屋や熊本市役所からも近く、建物の目の前が路面電車の停留所となっており立地は抜群と言えます。

ゼンリン住宅地図 熊本市西部1984年より)

 

1984年の住宅地図ですが、中央を横切る下通アーケード街の出口左手に大劇会館の文字が確認出来ます。

 

パチンコ店をキーテナントとし、映画館やゲームセンターを含んだ複合レジャービルで、ゲームセンター部分をナムコが担っていたと思われます。キャロットは2階での営業だったようです。

 

ビルは1969年に建築されているとのことですが、2016年の熊本地震で被災し、復旧に当たってリニューアル工事を行い建築時の外観を復元しているようです。90年台に一度外観を変更しているようなので、現在の写真の外観はむしろキャロットが入居していた時期に近いのかもしれません。

taigekikaikan.com

2022年3月末まではこのビル1階でパチンコ店の営業が続いていたようですが、4月からは休業しており8月時点でテナントは3階から5階に入居しているボウリング場だけとなっています。写真は昼間なのでそれ程目立ちませんが、夜間は1階が殆どシャッターが降りている状況だったためリニューアル後にしては淋しい印象でした。テナントを大々的に募集しているようなのでナムコさんもう一回ここでキャロット始めません?(近隣の桜町バスターミナル内に店舗構えたみたいだから無理か)

 

ハイスコア掲載はベーマガオリジナル26店の一つであり、1987年まではコンスタントにスコアの掲載がされていましたが、1988年に入ると掲載と休載を繰り返すようになり、1989年8月号の掲載が確認している時点では最後となっています。店舗は1996年頃まで存続をしていたようですが、正確な閉店時期は判明していません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年12月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号/トピック店舗:WE'LL TALK TAITO砺波店/オレンジハットとなみ店(富山県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年10月号)

ゲーメスト1990年10月号(第5巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

4月号から告知がされていた通り、この50号で新規掲載店舗の大きな追加がありました。その数合計18店舗。この大幅追加で掲載店総数は92まで戻します。

以下、今回追加された店舗一覧です。

 

セガ

ハイテクランドセガ大船(神奈川県)

f:id:annaka-haruna:20200929211610j:plain

 

タイトー

ジョイランドタイトー草津滋賀県

f:id:annaka-haruna:20200929211727j:plain

 

・その他
アミューズメントハウスタックル★V(北海道)

f:id:annaka-haruna:20200929211815j:plain

 

ファミリーランドカーニバル(福島県

f:id:annaka-haruna:20200929211944j:plain

 

今市ゲームセンター(栃木県)

f:id:annaka-haruna:20200929212033j:plain

 

JOYCOM'S多賀店(茨城県

f:id:annaka-haruna:20200929212112j:plain

 

プレイランドスカイシアター(埼玉県)

f:id:annaka-haruna:20200929212154j:plain

 

八千代プレイランドカーニバル(千葉県)

f:id:annaka-haruna:20200929212223j:plain

 

プレイランド池袋ラスベガス(東京都)

f:id:annaka-haruna:20200929212317j:plain

 

オレンジハットとなみ店(富山県

f:id:annaka-haruna:20200929212411j:plain

 

ゲームセンター大野プレイランド(福井県

f:id:annaka-haruna:20200929212455j:plain

 

PLAY CITY NASA杉本町店(大阪府

f:id:annaka-haruna:20200929212626j:plain

 

タウンスポットプレイランド(大阪府

f:id:annaka-haruna:20200929212708j:plain

 

川島玩具店兵庫県

f:id:annaka-haruna:20200929212746j:plain

 

イーストランドファミリーガーデン(岡山県

f:id:annaka-haruna:20200929212813j:plain

 

サブカルチュア(福岡県)

f:id:annaka-haruna:20200929212855j:plain

 

サミーハウス(長崎県

f:id:annaka-haruna:20200929212937j:plain

 

ゲームピアチャンス国分店(鹿児島県)

f:id:annaka-haruna:20200929213010j:plain

ゲーメスト1990年10月号より)

 

今回、埼玉のプレイランドスカイシアター、千葉の八千代プレイランドカーニバル、大阪のプレイシティNASA杉本町店、タウンスポットプレイランド、そして福岡のサブカルチュアと、90年台のハイスコアシーンを盛り上げた店舗が顔を揃えています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年10月】

ゲーメスト 1990年10月号より)

 

流石に今回をもって掲載を終了した店舗はないかと思いきや、ハイテクセガ太田(群馬県)が単独掲載店舗としては終了。次号は隣町のハイテクセガ桐生と合同集計となるため、掲載終了という表現は相応しくないかもしれません。

 

また、ハイスコア欄最後にこのような囲み記事がありました。

f:id:annaka-haruna:20200929215023j:plain

掲載を中止した店舗は、掲載終了ではなく休載という扱いになっていたようです。

閉店したり店長が変わって店舗運営方針が変更されるという可能性はあるものの、20店を超える店舗がほぼ同時にその状況になることは考えにくく、中には直接手を挙げた店舗もあったかもしれませんがある程度は編集部から店舗へ掲載終了への打診があったのではないでしょうか。どのような基準で該当店舗が選ばれたのかは今となってはあまり追及する必要はないのかもしれませんが、気になるところではあります。

上記囲み記事は、掲載終了店舗へのフォロー的意味合いが多分に含まれていたのではないかと思われます。

 

トピック店舗:WE'LL TALK TAITO砺波店/オレンジハットとなみ店

続いてトピック店舗です。

 

富山県砺波市からエントリーされた「WE'LL TALK TAITO砺波店」及び「オレンジハットとなみ店」の2店をピックアップします。

 

【WE'LL TALK TAITO砺波店】

ゲーメスト 1987年10月号より)

2021年7月22日撮影

【オレンジハットとなみ店】

ゲーメスト 1990年10月号より)

2021年7月22日撮影

散居村とチューリップで有名な富山県砺波平野の中心砺波市

現在の人口は5万人弱ですが、この地にゲーメストへのハイスコア掲載履歴がある店舗が2軒存在します。

 

最初に紹介するのが「ウィルトークタイトー砺波店」、その名称の通りタイトー系列店となります。

 

店舗の住所が指し示す場所は国道156号沿いの高岡市との市境に近い場所で、砺波市の中心部であるJR砺波駅からはかなり離れています。当初からロードサイド型の店舗を志向していたようです。

ゼンリン住宅地図 砺波市1988年より)

しかし1988年の住宅地図には誌面掲載の住所「砺波市千代135-1」該当する場所に店舗の存在を確認出来ませんでした。この時点ではバイクショップとなっています。

 

1992年の地図も念のため確認しましたが、今度はコンビニのホットスパーへと変わっています。そして隣接する敷地にワシントン靴店が出来ていることがわかります。

ゼンリン住宅地図 砺波市1992年より)

現在の写真では「千代135」に該当する場所が海鮮丼店となっており、隣接するスポーツ用品店等と合わせて小規模な商業施設となっています。1990年前後と現在を比較すると敷地に面する国道156号は4車線へ拡幅されており、それに合わせて敷地の建物構成も大きく変化していることが予想されます。

 

1988年以前の住宅地図は確認できておらず、住所は一致するもののこの場所が跡地であるという確証はまだありません。情報をお持ちの方は是非ともお寄せ下さい。

 

誌面への掲載は富山県の店舗としては既に紹介した「ゲームインセガ高岡」に次いで2番目となりますが、掲載期間は短く僅か7か月後の1988年4月号を最後に誌面から姿を消しています。

 

そしてウィルトーク掲載終了の2年半後、ちょうど今号であるゲーメスト1990年10月号から再度砺波市の掲載店として登場したのが「オレンジハットとなみ店」となります。

 

こちらはウィルトークタイトー砺波店と同様に立地は国道156号沿いですが砺波市の中心地に近く、現在の砺波市役所の付近となっています。

ゼンリン住宅地図 砺波市1992年より)

こちらは1992年の住宅地図にて存在を確認。

自販機コーナーが併設されていることが地図上でも表記されているため、ドライブイン形式の店舗であったことがわかります。

 

「オレンジハット」と言えば、北関東や甲信地方に現在も営業が続くドライブインが有名ですが、店舗のマーク等が違っており運営母体は異なっているようです。

ここ以外にも同じ砺波市内の「オレンジハットとなみインター店」や、富山県内に複数の店舗を展開していたことを確認しています。

 

ハイスコア掲載はゲーメストが休載となる1999年9月30日号まで丸9年に渡って継続し、長期掲載店となっていました。ただアルカディア誌がハイスコア掲載を再開した際には復活せず、またベーシックマガジンへの掲載履歴はありません。

 

そしてこの店舗名を聞くと咄嗟に「恐ろしいレベルで私物化されたハイスコア店舗欄」を思いつく方もいらっしゃるかもしれません。

 

その月の店舗ハイスコア申請が乏しい時や、ネタとしてスコアネームや備考欄で遊んでいる店舗は良く見受けられましたが、1991年後半あたりから始まった店舗欄への書き込みはだんだんとエスカレートし、93年付近は以下のようなおおよそスコアとは無関係な文章を毎月のように曝していました。

ゲーメスト 1993年4月号より)

 

流石に目に余ったのか1994年に入ると恐らく文章が書き込まれていた箇所が白抜きになり、その後普通の店舗欄へと戻ることとなります。何らかの怒られ事案が発生したのかもしれません。

 

スコアの掲載はゲーメスト休載と同時に終了したものの店舗は比較的最近の2011年まで営業されていたようです。

営業時の店舗外観が掲載されているサイトがありました。

2dera.net

 

現在は写真のように敷地全体がすき家となっていますが、建屋は敷地内の道路に面した場所に新たに建てられており元々のオレンジハット建屋があったであろう場所は駐車場と化しています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)/トピック店舗:パソコンシティ2000/がらん7(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年10月号)

マイコンベーシックマガジン1990年10月号(第9巻第10号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は99で先月比-1、ついに100店を割り込んでしまいました。1987年6月以来となるため3年4か月振りとなります。新規掲載店も無く、ゲーメストが刷新で多数の新規掲載店を産んでいるのとは対照的です。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年10月】

マイコンベーシックマガジン 1990年10月号より)

 

チャレハイ編集後記に触れられている「コズモギャングズ」はナムコが1990年に発売したエレメカです。その後「ザ・ビデオ」や「ザ・パズル」でビデオゲーム化することでキャラクターが広く知られることになります。

www.youtube.com

上記動画を見ればお分かり頂けると思いますがガンシューティングに近いゲーム性で、スコアラー御用達のお店では結構ハイスコア狙いにハマる方も多かったようです。集計の要望も届いていたようで、翌11月号において遂に史上初の「エレメカでのハイスコア集計」が実施されるに至ります。

 

しかし以後同様に集計対象となったエレメカはありませんでした。それこそ後年に登場したナムコの「パニックパーク」やセガの「タッチデウノー」シリーズあたりは集計してもよさそうな気がしますが、エレメカ扱いという理由で集計されなかったと記憶しています。前例はあったんですけどね…

 

トピック店舗:パソコンシティ2000/がらん7

続いてトピック店舗です。

 

1990年前後の長野県マイナー集計店から「パソコンシティ2000」及び「がらん7」の2店をピックアップします。

 

【パソコンシティ2000】

マイコンベーシックマガジン 1987年10月号より)

2022年9月10日撮影

【がらん7】

マイコンベーシックマガジン 1989年6月号より)

2022年10月9日撮影

 

最初に取り上げる「パソコンシティ2000」ですが伊那市中心部の飯田線伊那市駅前に立地していました。

 

長野県南信地域はゲーメストへの掲載店が多く、ベーマガゲーメストとの重複掲載が多かったのですがこちらはベーマガ単独掲載店となっています。

(J.P.A.住所詳細図 伊那市1990年より)

 

当時の地図で伊那市駅に近い錦町踏切に面した線路脇に存在を確認しています。

現在は不動産業者の店舗となっていますが、1階が当初から駐車場のような構造となっているため当時の建物とは異なっていると想像されます。隣接している「パチンコ東亜会館」も含めて建て直しがなされているようです。

 

店舗の前の道を北西方向に進んだ交差点に現在も存在する「通り町第一ビル」にも「シマダヤ」の文字があり、当初ここが跡地かと思いましたが住宅地図にて特定に至りました。

 

元々シマダヤは伊那市中心部で衣料日用雑貨店を中心に営業していた老舗で、該当する場所も1階がバラエティストア・シマダヤとなっており建屋はシマダヤ所有だったことと思われますが、2階のパソコンシティについての詳細は発見出来ませんでした。店舗名称からするとゲームソフトやPC関係の取扱がメインで店舗の一部をゲームコーナーにしていたのでは、と予想しています。

 

誌面への掲載はベーマガ1987年10月からスタート。

掲載期間は短く1989年1月号を最後に誌面から姿を消していますが90年住宅地図で店舗が残っていることから、閉店ではなく掲載停止であったことがわかります。

 

ゲーメスト掲載店のがらん3と掲載期間が重複しており、最寄駅は隣ですがスコア欄を見る限りではプレイヤーが重複している形跡は感じられませんでした。

 

そして「がらん3」の名前が出たところで2軒目の「がらん7」の紹介に移ります。

 

その店舗名が示すように、既に南信地域で掲載店として展開されていた「がらんがらん」「がらん3」に次いで、遂に地域の中心都市である松本市へ店舗展開されることになります。

マイコンベーシックマガジン 1989年6月号より)

 

ベーマガ1989年6月号から誌面に登場しますが、その号には店舗欄に加えて上記の店舗地図が同時に掲載されていました。松本キャロットやウィルトークの場所をあえて記載している所に対抗意識を感じます。その割に「ただ、ひまなだけです」と初めて登場する店舗の広告にあるまじき自虐的なコピーが踊っている所に当時の業界の緩さが滲み出ています。

ゼンリン住宅地図 松本市1990年より)

そして店舗欄住所、および誌面の概略地図の場所を1990年の住宅地図で確認すると「ファミコンショップ マイコンランド」の存在が確認出来ました。「がらん7」の表記はありませんが、店舗広告の「中古ファミコンソフト売買します」の内容から中古ソフト店と併存していたことが想起されるため、この場所で間違いないと判断しています。

 

ただこの場所、ショッピングセンターのカタクラモールから近いとはいえ松本駅前の中心市街地からは徒歩15分程度とかなり距離があり、駅付近の店舗に出入りする客層を引っ張ってくるのはかなり無理があったようです。

 

実際に行ったことがある方の情報ではお店はいつも空いており、1年程度で閉店していたとのこと。そのため掲載は1989年12月号までの僅か半年間となっています。

ゲーメスト 1989年6月号より)

また他の系列2店とは異なりゲーメストへの掲載履歴はありませんでした。姉妹店のがらん3のコメントで僅かに触れられたに留まっています。

 

そして現在の写真では該当箇所は普通の住宅となっています。

写真の家屋が店舗だったとは考えにくく、しかしながら家屋や外構からはあまり新しさは感じません。閉店直後に現在の住宅が建てられたのであれば30年以上経過しているため、以前にこの場所にあった建屋に居抜きで営業を開始したものの程なく撤退し、直後に現在の宅地になった、と考えるのが自然と思われますが、情報をお持ちの方は是非ともコメント頂ければと存じます。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年11月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号/トピック店舗:ゲームインセガ高岡(富山県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年9月号)

ゲーメスト1990年9月号(第5巻第9号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

翌50号の掲載店大幅入れ替えを控え、また7,8月号にて掲載を終了した店舗が多数発生した影響で、総掲載店数は82と前月比-9まで落ち込みました。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年9月】

ゲーメスト 1990年9月号より)

 

流石に今号の新規掲載店は0。

そして先々月、先月からさらに引き続いて以下の店舗が今号を最後に掲載店から姿を消しています。

 

ナムコ

サンペディックナムコランド(千葉県)

プレイシティキャロット琴似店(北海道)

プレイシティキャロット佐世保店(北海道)

プレイシティキャロット仙台店(宮城県

秋田キャロットハウス(秋田県

プレイシティキャロット島大前店(島根県

 

タイトー

ウィルトークタイトー高崎2号店(群馬県

 

・その他

アミューズメントマリオ(岡山県

 

ナムコ系ロケーションの大量離脱が目立ちます。

しかもサンペデックナムコランドやプレイシティキャロット琴似、仙台といった一時は地域の代表格だった店舗が含まれています。

琴似店はコーナー末尾の「ハイスコア通信」に店舗改装のコメントを入れている位なので、とても今号で掲載が終了するという雰囲気ではありません。

 

そして今回ゲーメストへの掲載は停止したものの、ベーシックマガジンには引き続き掲載を継続していた店舗がいくつか含まれているため、主にベーマガと重複掲載となっているナムコ系店舗に対して店舗枠確保のために掲載終了依頼がされたのではないかと推測しています。

 

またこの頃はナムコ黄金時代が終焉しつつあり、加えて当時のナムコロケーションは小規模店舗の整理(特に都市部及びその周辺のキャロット系店舗)とゲームファン向け店舗からの業態変化(平たく言えばゲームマニアの排除)を図っていたこともあって、スコアの掲載終了に店舗が同意しやすい時期だったのかもしれません。

 

トピック店舗:ゲームインセガ高岡

続いてトピック店舗です。

 

前回に続き北陸地区の初期ゲーメスト掲載店から、富山県の「ゲームインセガ高岡」をピックアップします。

ゲーメスト 1987年8月号より)

2021年7月22日撮影

 

富山県初のゲーメスト掲載店となります。

 

場所は高岡駅中心市街地である駅北口前の路地を入った場所です。

1984年8月~1987年12月まで、ベーマガでは「ダイエーレジャーランド高岡店」がノミネートされていましたが、そちらとは反対方向となります。

ゲーメスト 1987年4月号より)

 

ハイスコア掲載開始は1987年8月号からなのですが、ゲーメスト誌上で地域のゲームセンターを紹介する「ランダムピックアップ」コーナーの北陸特集で、1987年4月号にて先に店舗が紹介されています。当時の店内光景写真が貴重です。

 

記事内にて場所が「高岡駅前・ユニーのお隣」と記されています。

当時の住宅地図を確認したところ、ユニーに隣接している「伊勢ビル」が該当するのではないかと思われます。

ゼンリン住宅地図 高岡市1988年より)

 

建物2階に「ゲーム ファンタジー」と記されていますが、「ゲームインセガ高岡」の文字はありません。「元畑」という字名が地図上では現れていませんが末広町50-1という場所は一致しており、またユニー付近に他にゲームセンターが確認で出来なかったことから、こちらの「伊勢ビル」を所在地として判断しています。

 

ゲーメスト誌面が店舗紹介記事を掲載する場合は大抵簡略な地図が入っているのですが、この高岡の紹介では地図が存在せず、また建物2階との記載もないため、この記事の内容と住宅地図をもってしても伊勢ビルが100%正確な位置とは言い切れなくなっています。情報をお持ちの方は是非ともコメントを頂きたくお願い申し上げます。

 

現在はビルのオーナーが変わったのか写真のようにビル名称は「ハイエストビル」に変わっており、テナントは全て飲食店です。隣接していたユニーは撤退し、既に建屋もなく立体駐車場になっており付近に人影はまばらで、地方都市の駅前を象徴するような光景が展開されていました。

 

そして誌面へのスコア掲載は1987年8月号から1994年1月号までの6年半に及び、比較的長期の部類に属します。ベーマガへの掲載は行われませんでした。

掲載終了は閉店によるもので、ハイスコア通信欄にその旨が記載されています。

ゲーメスト 1994年1月号より)

同時期のセガ系店舗の殆どは「ハイテク(ランド)セガ」の店舗名称だったのに対し、こちらは最後までゲームインセガの名称が変わることがなかったのも特徴的で、隣県の金沢市に存在した同じくセガ系の「ゲームインカナザワ」と共通点が多いと思われます。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号/トピック店舗:ゲームコーナーマカオ(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年9月号)

マイコンベーシックマガジン1990年9月号(第9巻第9号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は100ちょうどとなり、先月比-7と今月も大きく数字を減らしています。2ヵ月前の113から2ヵ月で一気に約1割が減少したことになります。また新規掲載は今月も無しとなっています。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年9月】

マイコンベーシックマガジン 1990年9月号より)

 

チャレハイ通信欄に「UFOキャッチャー入荷」のコメントがあります。最初のUFOキャッチャーブームはセガの「NEW UFO CATCHER」が販売された1991年以降と認識しているので、この頃はまだ本格的なブーム前であり設置機種は初代UFO CATCHERであろうと思われます。

 

大型筐体ものに目新しさが無くなり、テトリスのブームも沈静化したこの頃のビデオゲーム市場は少々頭打ちな感もあり、ビデオゲーム以外の収益を確保するためにプライズゲームが着目され始めた時期です。

 

当時のプライズゲームは店頭に1,2台設置されるだけで、まだビデオゲームがゲームセンターの主流であることに変わりはありませんでしたが、高い収益とメーカーのゲームセンター客層転換の意向も絡んでプライズゲームに店舗は着々と浸食されていくことになります。最もこれが無ければもっと早くにゲームセンターは滅んでいたのかもしれませんが。

 

トピック店舗:ゲームコーナーマカオ

続いてトピック店舗へ移ります。

 

前回に引き続き長野県の掲載店より、長野市の「ゲームコーナーマカオ」をピックアップします。

マイコンベーシックマガジン 1988年1月号より)

2022年9月10日撮影

 

JR長野駅の真正面にある現在の「長野東急REIホテル」がかつての「長野ロイヤルホテル」であり、その地下1階の飲食店街に存在したようです。

 

ちなみに現在も「ロイヤルホテル長野」というホテルが存在していますがそちらはかつて「信州松代ロイヤルホテル」という名称であり、長野自動車道の長野インターチェンジに近く場所も異なることから全く別のホテルであると認識しています。

ゼンリン住宅地図 長野市北部1988年より)

 

誌面記載の「長野市石堂東1365」という住所は現在は使われていないようで、東急REIホテルの住所は「長野市南千歳1丁目28-3」となっていますが住宅地図上では同位置となり、長野ロイヤルホテルの表記もあるためこの場所で間違いないと判断しています。

 

ただ当時の地下1階テナント一覧に「ゲームコーナーマカオ」の文字がありません。

ベーシックマガジンへの掲載期間が1988年1月~10月までとなるため、1988年の住宅地図であれば店舗の掲載時期と一致するはずなのですが…もう少々調査が必要のようです。何か情報をお持ちのかたがいらっしゃればコメントをお寄せ下さい。

 

ちなみにこちらの飲食街はホテル正面左側にある3枚目写真の「地下飲食街入口」以外に長野電鉄長野駅へ直結する通路があり、改札から直接訪れることも出来ます。

 

 

この写真は長野駅改札前方向からホテル入口通路を撮影したもの。奥に立ち食い蕎麦店がありその先がホテルへと続いています。立地としては最高の店舗だったと思いますがいつまで営業がなされていたのかは不明。長野ロイヤルホテルは1998年の長野オリンピック終了後に閉業、その後ホテルサンルートとなりましたがこちらも2010年に移転し、空きビルとなっていた所に2016年11月から現在の東急REIホテルが入居し現在に至っているようです。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年8月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年10月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年8月号/トピック店舗:ウィルトークタイトー金沢店(石川県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年8月号)

ゲーメスト1990年8月号(第5巻第8号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総掲載店舗数は91となり先月比-1。先月に大量の掲載終了があったにも関わらずほぼ横這いとなっています。

そして今月も先月に続き、1店の新規掲載店舗があります。

 

セガ

ハイテクセガ長岡(新潟県

ゲーメスト 1990年8月号より)

前にも述べましたが、1989年6月号(33号)から1990年10月(50号)にかけての期間は新規掲載店舗が少ない時期なのですが、セガ系店舗だけが新規掲載を増やしています。まだセガ系店舗がスコアラーにも比較的寛容だった最後の時期だったように思えます。

 

一方で今月にて掲載を終了する店舗については先月同様に大量に存在します。

 

ナムコ

プレイシティキャロットIN甲府甲府周辺集計)(山梨県

プレイシティキャロット久留米店(福岡県)

 

セガ

ハイテクセガ平岸(北海道)

 

・その他

ゲームセンターニューチャンピオン(岡山県

ニューゲームビッグ(京都府

TVプレイハウス ミッキーハウス(岡山県

アビニョン宮城県

プレイランドファンタジー宮城県

ゲームプラザサンシャイン(千葉県)

 

 「スーパーハングオンセガ/1987)」のハイスコア争いで名を馳せた「ハイテクセガ平岸」と「ゲームセンターニューチャンピオン」の両店が同時にスコア集計店から姿を消すという事態が発生しています。

f:id:annaka-haruna:20200911151157j:plain

ゲーメスト 1988年5月号より)

 

上記のスーパーハングオン集計打ち切り(ミニライドオンタイプのみスコアラーからの申し入れで翌月から集計続行)以降、ハイテクセガ平岸はどことなくハイスコア熱がトーンダウンしてしまった感がありましたが、ハイスコア集計初回から掲載され特に目立った休載期間も存在せず、コンスタントに全国トップスコアも輩出し続けていたゲームセンターニューチャンピオンは、今号で突如と掲載を中止した形となってしまいました。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年8月】

ゲーメスト 1990年8月号より)

 

また、「ハイスコア掲載店改訂計画のお知らせ」については先月の第4弾が最後の掲載となっており、今号には特段の記載はありませんでした。

 

トピック店舗:ウィルトークタイトー金沢店

続いてトピック店舗です。

 

今回も石川県金沢市内のゲーメスト掲載店から、「ウィルトークタイトー金沢店」をピックアップします。

ゲーメスト 1989年2月号より)

2021年7月23日撮影

 

金沢市ゲーメストスコア掲載店は、前回紹介した「プライランド片町」「コスモランドムサシ」が共に1989年中に誌面から姿を消します。またベーマガオリジナル掲載店として最も歴史のある「プレイシティキャロット金沢店」も同年中に誌面への掲載を終了してしまいます。

 

それに代わって89年以降、ナムコ以外のメーカー系店舗が集計店として名乗りを上げるのですが、まず掲載が開始されたのがタイトー系の「ウィルトークタイトー金沢店」でした。

ゼンリン住宅地図 金沢市1989年より)

場所はキャロットのある香林坊から国道157号を少々下った片町の繁華街のほぼ中心で、国道を挟んで反対側は北陸地方の地場百貨店大和の元本店である「ラブロ片町」となっています。立地は抜群となっており、1989年時点では隣のパチンコ店地下にも「ゲームスポットファントム」の文字が確認出来ます。

 

現在は再開発により向かいのラブロ片町は「片町きらら」と名前を変え、ウィルトークの場所はカラオケ店のJOYJOYになっています。隣接したゲームスポットファントムの場所もコートダジュールとなっており、隣接していた2店のゲームセンターは揃ってカラオケ店へと姿を変えていました。

 

なおタイトーは2023年時点で依然片町に店舗を構えていますが、場所は異なっておりちょうどキャロットとウィルトークの中間付近となります。

www.taito.co.jp

 

誌面への掲載はゲーメスト1989年2月号からスタート、1989年8月号からは近隣にハイテクセガ金沢店もスコア掲載店としてエントリーされ、当初はプレイヤーの行き来があった様子がありますが、先にハイテクセガがスコア掲載を停止した後にこちらへスコアラーが流れてくることはなかったようです。

 

そして5年半後の1994年10月15日号から店舗名称が「TILT金沢」に変更となります。当時のタイトー都市部店舗で進められていたCI変更に対応されたようです。

ゲーメスト 1994年10月15日号より)

 

掲載終了は1995年5月30日/6月15日号となっています。最終的には6年以上の長期掲載となりました。閉店時期は判明していません。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年7月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年8月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年8月号/トピック店舗:ゲームプラザニュー日の出/タイトーイン706(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年8月号)

マイコンベーシックマガジン1990年8月号(第9巻第8号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は107となり先月比-6と大きく減少。先月に5店追加されたこともあってか今月は新規掲載店はありません。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年8月】

マイコンベーシックマガジン 1990年8月号より)

 

チャレハイ通信欄に「NEOGEO入荷しました」コメントがちらほらとありますが、NEOGEO発売当初は6タイトル選択の筐体販売だけだっと記憶しているので小規模ロケーションにとっては結構な初期投資だったのではと推察されます。正直餓狼伝説がリリースされるまでのNEOGEOはヒットと言えるタイトルに乏しかったため、入荷当初の店舗での光景が何となく思い浮かんでしまいます。

 

また、「チャレハイ担当者の名を語りデマを流していた者がいる」との担当者からのコメントがあります。

SNSや携帯電話すら無い当時は、プレイヤー間の情報伝達と言えば直接店舗に出向いて設置されているコミュニケーションノートを用いることがポピュラーでしたが、ことハイスコアの状況確認においては店舗に直接電話を掛けることが普通に行われていました。内容から察するに「特定の地域の店舗にチャレハイ担当者の名前を騙って電話連絡を入れ、ハイスコアに関するデマ情報を流布する」といった行為があったようです。

 

ただ、上述のようにスコアの状況を確認するために電話連絡を入れるということであれば理解出来るのですが、チャレハイ担当者の名を騙ってどのようなデマ情報を流すのかが今一つピンときません。文面からは「担当者がスコアを改竄している」という情報を流していたと推察されますが、それを行うことでデマ情報を流した当人にどのようなメリットがあったのかが理解できないのです。自店のスコアが他店に敗北したので、「他店のスコアは嘘スコアで、特定の店舗(プレイヤー)にトップを取らせるために担当者が便宜を図った」あるいは「自店のスコアが担当者に嘘スコア認定され、トップに掲載されなかった」といった所なのでしょうか。

 

トピック店舗:ゲームプラザニュー日の出/タイトーイン706

トピック店舗へ移ります。

 

長野県は東信地域の集計店から、上田市の「ゲームプラザニュー日の出」及び「タイトーイン706」の2店をピックアップします。

 

【ゲームプラザニュー日の出】

マイコンベーシックマガジン 1986年4月号より)

2022年9月10日撮影

 

タイトーイン706】

マイコンベーシックマガジン 1991年5月号より)

2022年9月10日撮影

真田氏の城下町として知られる上田市。ここに2店の掲載店履歴があります。

 

上田駅の付近に元城下町らしい細い路地の市街地が広がっていますが、その中に存在したパチンコ店「ニュー日の出」の2階が最初に紹介する「ゲームプラザニュー日の出」となります。かつて多く見られたパチンコ店共存型の店舗だったようです。

ゼンリン住宅地図 上田市1991年より)

 

住宅地図はベーマガへの掲載開始から少々時間が経過した1991年のものですが、パチンコニュー日の出の箇所に「2Fゲームプラザ」の文字が確認出来ます。

 

2022年時点では住所の場所は写真のようにキャバクラになっていますが、建屋はパチンコ店のものがそのまま使用されている模様です。スモークが貼ってあるため分かりませんが右側の入口が2階へ通じていたのではないでしょうか。2階がフルでゲームセンターとして使用されていれば当時としてはかなり広い部類の店舗だったのかもしれません。

 

地図を見ると近隣には「モナコ会館」というパチンコ店もあり、こちらの2階もゲームセンターとなっていたことがわかります。現在も残る映画館「上田映劇」も含めかつては歓楽街が構成されていたようですが、現在は夜にならないと営業されない店舗ばかりのようで昼間は写真のように人通りもまばらになっています。

 

誌面への掲載は長野県では松本キャロットに次いで2番目となるベーマガ1986年4月号からスタート、1996年6月号が最後の掲載となったため10年以上の長期掲載店となりました。

 

ゲーメストにはなかなかエントリーされなかったのですが、2部集計店としてようやく掲載された履歴があります。

ゲーメスト 1996年5月15日号より)

 

こちらもベーマガとほぼ同一の1996年5月15日号が最後の掲載。スコア集計終了と記載されているため閉店ではなかったようですが、いつまで営業が続いていたのかは確認出来ていません。私がセガワールド上田に赴任した2002年には既に店舗は無かったと記憶しています。

 

そしてもう一軒の掲載店「タイトーイン706」は上田駅前に立地していました。

ゼンリン住宅地図 上田市1991年より)

 

駅前ロータリーの向かいに以前は飲食店や土産物店が入居していた「上田駅前ビル」が当時ありましたが、その裏手に隠れるように存在した「シティプラザビル」1階に「ゲームタイトイン」の文字を確認しています。

 

しかし駅前は北陸新幹線開通以後大きくその姿を変えています。

上田駅前ビル、シティプラザビルを含めた一角は拡幅された駅前広場に飲み込まれ、新しい上田駅前ビル「パレオ」につながるペデストリアンデッキ及びタクシープールとなっています。そのため建屋や店舗の存在を窺わせる形跡は何も残っていません。「パレオ」が上田駅前ビルを名乗っているため紛らわしいですが新たな建屋は道路1本分北側に移っており、1991年の地図における天神1丁目の交差点から上田公共職業安定所の場所となっています。

 

誌面への掲載はベーマガ1991年5月号から。こちらの登場で上田市に2店の集計店が併存することになります。双方徒歩で充分移動可能なためプレイヤーもかなり被っていた印象です。

ただ同年後半で早くも度々店舗欄を欠き、12月号を最後に以後掲載はされませんでした。実質半年程度の掲載に留まっています。10年掲載が続いたニュー日の出とは対照的です。

 

平成14年(2002年)3月に現在の駅前広場工事が着工しているためそれ以前には閉店していると思われますが、2002年からの上田勤務時代に駅前のタイトーの件を一切見聞きしていないため、もっと早い時点で閉店していたと思われます。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年7月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年7月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年9月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年7月号/トピック店舗:プレイランド片町/コスモランドムサシ(石川県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年7月号)

ゲーメスト1990年7月号(第5巻第7号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

総店舗数は92で先月比+1。50号の入れ替えを控え新規掲載は0かと思いきや、1店存在します。

 

・その他

扇が丘レジャーセンター(石川県)

ゲーメスト 1990年7月号より)

90年台以降の金沢を代表するハイスコア集計店はここで登場。他に掲載が開始された店舗が殆どないタイミングなので、掲載にプレイヤーの後押しがあったことが予想されます。

2014年まで営業が継続していたため、最近のプレイヤーでも店舗名を聞いたことがある方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

 

また掲載を終了する店舗が急速に目立つようになります。

確認している範囲でこの号が最後の掲載となった店舗は以下の通りです。

 

ナムコ

うすい百貨店ナムコスカイランド福島県

セガ

ハイテクセガ柏(千葉県)

ハイテクセガ新潟(新潟県

ハイテクセガ三宮(兵庫県

・その他

ヒノデベガス(宮城県

ゲームセンターアスター滋賀県

 

ダイエーレジャーランド郡山店から至近距離で、その陰に隠れがちだったうすい百貨店ナムコスカイランドですが、掲載店としてはこちらの方が継続しました。ただ1989年頃からは掲載は不定期気味になっていましたが…

ハイテクセガ新潟は単独掲載としてはこの号が最後ですが、追って同じ新潟市内のハイテクセガ万代と合同という形となって復活します。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年7月】

ゲーメスト 1990年7月号より)

そして「ハイスコア掲載店改訂計画のお知らせ」も4回目となります。

f:id:annaka-haruna:20200902231059j:plain

ゲーメスト 1990年7月号より)

この時点で22店の新規掲載希望があったということですが、これが多いのか少ないのかは評価が分かれるところ。100店程度の誌面枠とすれば22店は結構な数ですが、当時のゲームセンターの数から考えると逆に「募集しても22店しか希望が集まらなかった」と捉えることも出来そうです。

 

トピック店舗:プレイランド片町/コスモランドムサシ

続いてトピック店舗へ移ります。

 

北陸は金沢市の初期ゲーメスト掲載店から、「プレイランド片町」「コスモランドムサシ」の2軒をピックアップします。

 

【プレイランド片町】

ゲーメスト 1987年1月号より)

2021年7月23日撮影


【コスモランドムサシ】

ゲーメスト 1987年6月号より)

2021年7月23日撮影

金沢市のハイスコア集計店は、ベーマガは初回の1984年1月号から「ビッグキャロット金沢店」がエントリーされましたが、ゲーメスト掲載店とはなりませんでした。

 

石川県の店舗がゲーメストに出現するのは1987年に入ってからとなりますが、県下初の掲載店として1987年1月号から登場したのが「プレイランド片町」です。

 

ゼンリン住宅地図 金沢市北部1989年より)

 

金沢の中心街は国道157号に沿って武蔵が辻-香林坊-片町と続いていますが、片町よりも香林坊の交差点に近い「片町センタービル」が掲載住所と一致します。ビッグキャロット金沢のある「児玉ビル」は建物の裏手となっています。

 

ただ誌面掲載期間住宅地図の片町センタービルテナント一覧には「プレイランド片町」の文字がありません。ゲームセンターと思しきテナント名も確認出来ませんでした。

(「人参ハウス」というスナックはありましたが…)

1982年の地図も確認してみましたが同様でした。

ゼンリン住宅地図 金沢市北部1982年より)

そのためまだこのビルがプレイランド片町の位置として完全に特定は出来ていません。情報をお持ちの方は是非コメントをお寄せ下さい。

 

掲載は1988年12月号までの2年間となりました。

掲載期間中はまだ金沢キャロットがベーマガへの掲載を継続していたため、至近距離にあってその地位を脅かす程の存在にはなり得なかったようです。閉店時期は不明です。

 

現在は同ビル内に「金沢香林坊郵便局」が存在しますが、1989年の地図では郵便局は存在していません。2006年に現位置へ郵便局が移転しているため、地図情報が誤っているということではないことを確認しています。

 

そしてもう一方の「コスモランドムサシ」ですが、「ムサシ」の名の通り有名な近江町市場にも近い武蔵交差点の付近に位置していました。


現在の建屋写真を見ると、隣接する百貨店「金沢エムザ」と連続している構造となっていますが、1枚目写真の交差点に面した場所の1,2階部分がテナントのエリアとなっており、エムサのフロアと直接は接していません。

 

www.kmza.jp

そのため金沢エムサザの店舗情報欄にもテナントは記載はされていません。

 

ゼンリン住宅地図 金沢市北部1989年より)

 

その構造は昔から変わっていないようで、1989年の住宅地図でも当時の「ニュースカイプラザ」を取り巻くようにテナントが存在していたことが確認出来ます。

 

コスモランドムサシはこのテナント群の中に存在しており、現在の写真では百万石通りに面する3軒のテナントの中央、理美容店の場所の2階が該当することが確認出来ます。上記住宅地図では1階はモスバーガーとなっていますが、現在は海鮮居酒屋となっているようです。

 

こちらはプレイランド片町から遅れること半年の1987年6月号から誌面への掲載を開始。しかし掲載は長続きせず1989年9月号が最後となっています。

 

両店とも掲載期間は2年程度となり、またゲーメストのみの掲載でベーマガへの掲載履歴は無いという点も共通しています。1989年は金沢のゲームマニアの聖地であったプレイシティキャロット金沢店も誌面への掲載がストップし、以後金沢市の集計店は片町のウィルトークタイトー、ハイテクセガに比重が移っていくことになります。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年6月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年7月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年7月号/トピック店舗:BIG CARROT 松本駅前→プレイシティキャロット松本店(長野県)

ハイスコア集計店マップ(マイコンベーシックマガジン1990年7月号)

マイコンベーシックマガジン1990年7月号(第9巻第7号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店総数は113と先月比+9の大幅増となり上限の114に近づいています。掲載店が減少傾向となったためか、5店の新規掲載店が追加されました。

 

セガ

ハイテクセガ広島(広島県

 

・その他

ジョイフルランドヒノーズ下井草店(東京都)

 

荏原ゲームコーナー(東京都)

 

アミューズ&レストメイヨー(兵庫県

 

ゲームセンターJOY呉店(広島県

マイコンベーシックマガジン 1990年7月号より)

 

90年台の東京における代表的ハイスコア集計店である「荏原ゲームコーナー」「ジョイフルランドヒノーズ下井草」が揃って誌面に登場しています。ゲーメストには1987年10月から登場していた荏原ゲームコーナーですが、ベーマガでは3年近く遅れての掲載開始となりました。

 

一方のジョイフルランドヒノーズ下井草がゲーメストに登場するのは、ハイテクノーベル神保町、ジョイランドタローとの3店合同となる1992年5月号まで待つことになります。

 

これでベーマガ誌上には町田、荏原、神保町、下井草の各店が出揃い、90年台のハイスコアシーンで度々その店名をトップスコア欄にて見掛けることになるのですが、その陰で80年台には多数を占めていた東京都内のナムコ系キャロット店舗が、スコアラーの拠点としての役割を終え徐々に店舗欄から姿を消していくことになります。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【チャレンジハイスコア 1990年7月】

マイコンベーシックマガジン 1990年7月号より)

 

スコア欄のトップに「パロディウスだ!」が登場、合わせて「グラディウスⅢ」は永久パターンの発覚で面数集計からも除外されてしまいました。ここで言う「永久パターン」は恐らく無敵技発覚の件と思われます。

流石にこの無敵技発覚は致命的で、2周エンドゲームになったとは言え骨のある2周目攻略が必要なパロディウスにトッププレイヤーは殆ど流れてしまい、グラディウスⅢは急速に店舗から撤去が進んでしまうことになります。

 

トピック店舗:BIG CARROT 松本駅前→プレイシティキャロット松本店

続いてトピック店舗です。

 

ベーマガオリジナル26店のうちの一つにして長野県に存在した唯一のキャロット系店舗「BIG CARROT松本駅前→プレイシティキャロット松本店」を取り上げます。

(スーパーソフトマガジン⦅マイコンベーシックマガジン別冊⦆1984年1月号より)

f:id:annaka-haruna:20200723153345j:plain

f:id:annaka-haruna:20200723153501j:plain

f:id:annaka-haruna:20200723153537j:plain

f:id:annaka-haruna:20200723153512j:plain

2020年7月23日撮影

 

長野県第二の都市松本市、その玄関である松本駅を出て正面にある繁華街に立地していました。長野県はここ以外には「キャロット」の名前を冠するナムコ直営店舗が誌面上に登場しなかったこともあり、県内を代表するハイスコア集計店として存在感があったお店です。

ゼンリン住宅地図 松本市1985年より)

写真の「セントラルビル」地下1階で現在はカラオケ店のフロアになっています。1985年時点でビルと共にキャロットの存在が確認されています。

 

90年台後半に一度行ったことがあるのですが、階段で地下へ降りた先にあったと記憶しているため、4枚目写真のシャッターが降りている階段が出入口跡かと思いましたが、

f:id:annaka-haruna:20200827140636j:plain

(季刊NG4号より。@Area51_zek 氏のtwitterより転載)

この写真を見るとビル正面右側に地下に直接入れる出入口があったように見えるため、カラオケ店に改装した際にアーチも含めた地下への入口を撤去している可能性が高いと思われます。

 

オープンは1979年とのことで相当に歴史のある店舗です。

1984年1月のベーマガ掲載開始後、追ってゲーメストが創刊されるとそちらにも掲載がされます。

f:id:annaka-haruna:20200823124324j:plain

ゲーメスト 1986年9月号より)

ゲーメスト初回掲載時は「プレイシティ松本店」と表記されていますが、次回以降は訂正されています。

 

その後しばらくはダブル掲載店となっていましたが、1989年2月号でそれまで一度も店舗欄を欠くことがなかったベーマガへの掲載が突如として止まり、ゲーメスト単独の掲載となります。しかし1991年8月号からは掲載を復活させ1997年7月号まで継続しました。

 

一方のゲーメストは休刊前最後の掲載となる1999年9月30日号まで継続、休刊で掲載は途絶えたもののアルカディアへ舞台を移し、閉店に伴い2001年12月号にて掲載が終了するという履歴が残っています。閉店日は2001年9月24日とのことです。

 

そのためゲーメストからアルカディアへの移行に伴う空白期間を含めると、ハイスコア掲載主要3誌に1984年1月から2001年12月まで実に17年間に渡ってスコアを刻み続けて来たことになります。掲載期間が長期になると常連の推移や店舗の運営方針によって掲載が止まってしまう例が多々ありますが、上手く世代交代が進んでいたことが裏付けられています。

 

私は仕事で2002年に長野県は上田市に赴任したのですがその際には既に閉店後だったため、長野赴任後に訪れることは叶いませんでした。しかしここの元常連の方に上田で声を掛けて頂きメンバーとの飲み会に加えてもらい、その後も毎年1回は飲んでいる縁が続いているため、不思議と無関係とは思えない店舗となっています。

 

現在の松本駅前は、キャロット閉店後に残っていたパチンコ店併設のゲームセンターも撤退し、20万都市の代表駅前にゲームセンターが1軒もないという状況になっています。(ここでいうゲームセンターはこのブログをお読みいただいている方々が定義しうるゲームセンターという意味です。)

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年6月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年6月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年8月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年7月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年6月号/トピック店舗:ハイテクセガ青森&新町/ハイテクセガ弘前(青森県)

ハイスコア集計店マップ(ゲーメスト1990年6月号)

ゲーメスト1990年6月号(第5巻第6号)のハイスコア集計店マップとなります。

 

掲載店舗数は91となりで先月比-5と大きく数を減らしています。掲載店改訂計画の影響が徐々に出始めて来たようです。今月も新規掲載はありません。

 

以下スコア欄を掲載します。

 

【めざせハイスコア 1990年6月】

ゲーメスト 1990年6月号より)

 

そしてハイスコア掲載店改訂計画のインフォも3回目。

前回は応募における最低条件の提示程度でしたが、より具体的な条件が掲載されています。

ゲーメスト 1990年6月号より)

 

自身が過去に出入りしていたハイスコア集計店は、どこも店員が常駐し管理も行き届いている店舗が殆どで、それが当たり前と思っていたのですが、現実にはその当たり前が出来ていなかった店舗が多数存在したようです。

 

例えばスコア確認の連絡を店舗に入れたりすると、対応が高齢の店番従業員で話が全く通じなかったとか。管理が行き届いていないため申請されたスコアに対してのチェックも甘く嘘や真偽不明なスコアの温床となってしまい、では確認しようと店舗へ連絡すればけんもほろろな対応をされるという悪循環では、審査を厳しくするのはやむを得ないことと思われます。

 

また、このブログのトピックで店舗跡地を訪ねると、「本当にこの場所で間違いないのか?」という疑念が生まれることが有るのですが、郵送した集計用紙が宛先不明で返送されるということはそもそも店舗から連絡された住所そのものが間違っていたという可能性もあり、誤植の影響も含めて跡地探索を困難にしている要因にもなっています。

 

トピック店舗:ハイテクセガ青森&新町/ハイテクセガ弘前

トピック店舗へ移ります。

 

青森県セガ系列店舗から、「ハイテクセガ青森&新町」「ハイテクセガ弘前」の2店をまとめてピックアップします。

 

【ハイテクセガ青森】

ゲーメスト 1987年6月号より)

2022年10月23日撮影

 

【ハイテクセガ弘前

ゲーメスト 1987年7月号より)

2022年10月23日撮影

 

青森県のハイスコア掲載店はベーマガ八戸市からスタート、ゲーメストでは十和田市そして弘前市と掲載店が登場しますが、県庁所在地の青森市ゲーメスト1987年6月号から掲載開始されるハイテクセガ青森まで待つこととなります。

 

青森市の中心街は青森駅正面から延びる新町商店街沿いに展開されており、その新町通を駅から徒歩5分程進んだ場所にある「青森東映ビル」地下が跡地です。

ゼンリン住宅地図 青森市1990年より)

東映ビルの名の通り、90年時点ではビルの4階より上は映画館となっていました。ゲームセンターは映画館の付帯施設が多かった時代ですが、セガは特にその傾向が強かったのではないかと思います。

 

そして地下1階には「ゲームイン青森」の記載があります。

その店名は店舗欄が初登場してから一月の空白を置いたゲーメスト1987年8、9月号にて誌面でも確認されています。

ゲーメスト 1987年8月号より)

 

ただこの店名で誌面に登場するのは2か月間に留まり、以後はハイテクセガの表記に戻るのですが、1990年10月号から店名が「ハイテクセガ青森&新町」へと変更になります。

ゲーメスト 1990年10月号より)

 

文字だけで判断すればそれまで掲載されていた「ハイテクセガ青森」に加え「ハイテクセガ新町」と合同集計になったと解釈できるのですがその旨の表記はなく、記載されている住所も変更はありません。東映ビルの店舗がハイテクセガ青森とすれば、ハイテクセガ新町も同じ新町内に存在したと思われますが店舗欄の住所は最後まで変更はなく、1990年の住宅地図では場所を特定出来ませんでした。

 

現状では2店の合同集計だったという根拠が無く、また「ゲームイン青森」がハイテクセガ青森とハイテクセガ新町どちらを指しているのかはっきりしていません。事情をご存じの方は是非コメントをお寄せ下さい。

 

誌面への掲載はメーカー系の掲載店が着々と数を減らす中で1995年2月28日号まで8年近く継続しました。セガ系店舗では最も長い部類になります。掲載最終号のハイスコア通信欄に以下コメントが掲載されています。

ゲーメスト 1995年2月28日号より)

この時点ではスコア掲載を中止したのみで閉店ではなく、調査した結果2005年まで店舗は存在しており20年近く営業が続いた長寿店だったようです。

 

そしてゲーメストに掲載された青森県のもう一軒のセガ系店舗が「ハイテクセガ弘前」となります。こちらはハイテクセガ青森に遅れること1か月の1987年7月号に初回掲載を迎えますが同号には青森店の掲載が無く、また弘前店は次回の掲載が半年空いてしまったため、1988年1月号にて初めて両店が揃って掲載されることになります。

 

店舗の場所は以前紹介した「弘前ハイローザスペースランド」よりは弘前駅に近く、イトーヨーカドー弘前店から程近い駅前通り沿いにありました。

ゼンリン住宅地図 弘前市1989年より)

 

1989年の住宅地図で、菱上ビルの場所に「セガ弘前」の文字を確認。写真のようにビルは現存しておりセガのあったであろう場所は手芸店となっています。89年当時はビルに隣接してショッピングセンター兼ボウリング場が立地していますが2004年で営業中止、その後2013年に取り壊され区画整理されたため、ビル横には89年当時は存在しなかった道路が出来ています。菱上ビルは区画整理に伴う退去は免れたようです。

ビルの定礎には1986年11月の文字があり、誌面掲載開始時期を考えるとビル竣工と合わせてテナントとしてセガが入居したと想像されます。

 

弘前ハイローザスペースランドと場所も比較的近く、プレイヤーはかなり被っていた印象があります。ナムコセガで入荷タイトルにより使い分けがされていたのでしょうか。

しかし店舗の寿命は短く1990年4月10日をもって閉店、1990年6月号において閉店の告知が掲載されています。

ゲーメスト 1990年6月号より)

 

1986年末にオープンしたと仮定しても営業期間は僅か3年半程度に留まったことになります。弘前駅イトーヨーカドーが近かったとはいえ、弘前市の商業中心はハイローザのあった土手町エリアのためこの場所は若干外れた場所となり、営業的には厳しかったのかもしれません。中心街に位置し20年以上営業の続いた青森とは対照的になっています。

 

【前記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年5月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年6月号

【次記事】

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト ゲーメスト1990年7月号

ハイスコア集計店マッピングプロジェクト マイコンベーシックマガジン1990年7月号